見出し画像

電磁探査の有限要素法を理解したい

これまで有限差分法に始まり、有限要素法、境界要素法、と次々とプログラムを作ってきました。最初に作ったプログラムは、差分法による電気探査の2次元シミュレーションプログラムでした。そのころは、大型計算機も非力で、大きなメモリーが取れなかったため、反復法を使ったプログラムを書きました。

ところで”有限差分法”という名称は、今では一般的ですが、昔は”有限”が付いていないシンプルな”差分法”と呼ばれていました。現在の有限差分法は、有限要素法に近づけた日本語名称のバージョンアップです。英語の名称は昔から、有限要素法はFinite Element Method (FEM)、差分法は Finite Difference Method (FDM)でした。

次に書いたのは、差分法による電気探査の3次元シミュレーションのプログラムでした。この時も、線型方程式のソルバーにはSOR法などの反復法を使っていました。次に作ったのは、有限要素法による電気探査の3次元シミュレーションプログラムです。差分法から有限要素法に切り替えたのは、地表地形の効果を調べたかったためです。差分法のプログラムは比較的簡単に作れますが、複雑な形状を再現できないのが弱点です。

その次に手を出したのは、境界要素法です。これは自分の研究ではありませんでしたが、当時の研究室の後輩の研究を手伝うついでに作りました。このプログラム開発で、境界要素法の理解は深まりましたが、本格的に研究に利用したことはありませんでした。

その次に作ったのは、電磁探査(MT法)の2次元シミュレーションのプログラムです。この時はMT法詳しく研究していたわけではありませんが、興味があったので練習がてら、プログラムを作ってみました。作ってみると、本や論文だけでは理解できない色々なテクニックが身に付きました。

アメリカに1年間いた時には、それこそ時間がたくさんありましたから、電磁探査の3次元シミュレーションプログラムを開発することにしました。最初は有限要素法も考えましたが、かなり難しそうだったので差分法に切り替えてプログラムを作りました。その結果は、UCバークレーのローレンスバークレー研究所のテクニカルレポートに掲載してもらいました。

その後も、電磁探査のシミュレーションプログラムやインバージョン(逆解析)プログラムなどを、散発的に書いていました。ここ最近で始めたのが、有限要素法による電磁探査のシミュレーションプログラムの開発です。まだ始めたばかりなので、20数年前の自作プログラムを引っ張り出して、コードを眺めるところから始めています。

還暦プログラマーは、まだまだ現役です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?