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古墳探訪#6 地元の古墳 今宿・大塚古墳

 二回続けて、大きすぎて全体像が見えない前方後円墳を紹介したので、今回は九州大学の比較的近くにある、全体像が分かりやすい古墳を紹介します。

 福岡市今宿という場所に、今宿大塚古墳という前方後円墳があります。この古墳は、高祖山北麓の低台地上(標高15m)につくられた、6世紀前半の古墳時代後期の前方後円墳です。この古墳は、1977年に保存整備のため確認調査が実施されたため、写真のようにきれいな姿を見せています。この古墳は、周囲を住宅街に囲まれているので、市民の憩いの場となっています。私たちが探査していた時には、パターを持ったオジサンがゴルフの練習をしていました。今宿大塚古墳の場所は、国道202号線・今宿バイパスの北に接しているので、よそ見はいけませんが、タイミングが合えば車中からも整った古墳の側面を見ることができます。
 
 今宿大塚古墳の主体部は、墳丘主軸を東西におき、前方部を西に向けています。墳丘全長は64mで、後円部の高さが約6mの二段築成です。墳丘のまわりに幅8~12mの堀があり、その外方を幅5mの外堤がめぐっています。さらに、その南半部側に幅5mの浅い堀があり、それを加えた全長は約100mの規模となります。また墳丘からは、円筒埴輪列、人物・馬形などの形象埴輪も見つかっています。

 古墳の埋葬施設は未確認ですが、後円部の南側に入口をもつ横穴式石室と推定されています。実はこの古墳では、地中レーダ探査電磁探査を実施したことがあります。結果はヒ・ミ・ツです。


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