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英語と化学のお勉強 モノ(mono)とポリ(poly)

モノ(mono)は、”単一の”や”ひとつの”を表わす接頭語です。その対義語であるポリ(poly)は、”複数の”や”多くの”を意味する接頭語です。monoやpolyが先頭に来る英単語は数多くあります。

monoが頭にくる単語には、以下のものがあります。

monochrome (名) 単色、モノクロ
monotone   (名) 単調
monocycle   (名) 一輪車
monologue  (名) ひとり芝居
monarch    (名) 君主、支配者

次にpolyが頭にくる単語は、以下の通りです。

polyglot     (名) 多言語話者
polygraph    (名)  ポリグラフ(=嘘発見器)
polygon     (名) 多角形  
polyhedron    (名) 多面体
Polynesia     (名) ポリネシア(=多くの島)

同じ語幹で、接頭語だけが違う対比の組み合わせもかなりあります。例を示すと以下の通りです。

monogamy(一夫一妻) vs.  polygamy (一夫多妻) 
monotheism(一神教)   vs.  polytheism (多神教)
monomer(単量体)     vs.  polymer (重合体)

しかも、このmonoとpolyを一緒にしたmonopolyという単語もあります。これは、多くの(poly)モノを一人で(mono)持っている状態、すなわち”独占”を意味します。この独占を意味する単語は、有名なボードゲームの名前にもなっています。

モノポリー(Monopoly)は、20世紀初頭にアメリカ合衆国で生まれたボードゲームの一つです。4人のプレイヤーは、双六すごろくの要領で盤上を周回しながら、他プレイヤーと盤上の不動産を取引することにより同一グループを揃え、家やホテルを建設することで他のプレイヤーから高額なレンタル料を徴収して自らの資産を増やし、最終的に他のプレイヤーを全て破産させることを目的とします。ゆっくり説明を読んでいると、何とも恐ろしいゲームです。

polyとmonoで思い出した、高校時代のエピソードをお話します。高三の時には化学部に入っていたのですが、文化祭で”透明な葉っぱの標本”を作って売るのが、定番になっていました。私は高三からの入部なので、それまでの計は知りませんでした。同級生の部長が、透明標本の原材料となる”スチロン”を先生経由で注文しました。1週間くらいして、先生から届いたスチレンを見て、私を除いた全員がビックリしました。「いつものスチレンと違う!」と言うのです。部長が言うには、「スチレンは液体で、こんな粒粒の顆粒じゃない!」そうなのです。しかし、薬品のラベルを見るとスチレンとはっきり書いてありました。

化学が得意な人はピンときたでしょうが、化学部の部長はスチレン・モノマーとスチロン・ポリマーを間違って注文していたのでした。いつも注文していたのはスチレン・モノマー(液体)の方で、よく確認せずにスチレン・ポリマー(固体)を注文したのだそうです。この年は、残念ながら”透明標本”を作ることができませんでした。monomer(単量体)とpolymer(重合体)では、全く性質が異なることを、この時に思い知らされました。良い勉強になりました。

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