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『信仰の手』と呼ばれる金塊

 物理探査を知れば、あなたも金塊を見つけることが出来るかも(!?)しれません。

 Hand of Faith (信仰の手)と呼ばれる金塊は、1980年9月26日、オーストラリアのビクトリア州キンガワー近郊で、ケビン・ヒリアーさんが金属探知機を使って発見した高品質の自然金です。重さ27.21kgのこの金塊は、地表からわずか12インチのところに、垂直に埋まっていました。写真を見ると、祈りを捧げているときの手に似ているので、このような名前が付いたのかもしれません。この巨大な金塊は、アメリカのゴールデンナゲットカジノチェーンに100万ドル以上の価格で売却されました。

 ヨーロッパからオーストラリアに移住が開始されてから、たびたび大きな金塊(自然金)が発見されています。Hand of Faithは金属探知機と言う機械を使って発見されましたが、過去にはカーボーイがつまずいた石の下半分が、金塊だったりして発見されたものもありました。羨ましい話ですね。日本では、北海道の枝幸町を流れるナイ川で、1900年(明治33年)に見つかった769gのナゲットが有名です。日本では、大きな金塊の話はあまり聞きませんが、北海道などには、いまだに砂金が採れる場所もあるみたいです。でも、許可なくとってはいけませんよ!。

 日本には、世界屈指の金鉱山があります。県境が近い鹿児島県北部に位置している菱刈鉱山は、鉱石1トン中に含まれる平均金量が20グラムを超えるという高品位(世界の平均品位は約5グラム)を誇っています。過去には、佐渡金山や鯛尾金山など日本国内にも多数の金鉱山が存在していましたが、今日では菱刈鉱山が国内最大の金鉱山となっています。ちなみに、小規模ですが同じ鹿児島県に、春日鉱山という鉱山もあります。

 少し専門的な話になりますが、菱刈鉱山の鉱床は浅熱水性鉱脈型金銀鉱床と呼ばれています。火山活動が活発になると、マグマが地殻の割目を通って上昇し、地表で噴出します。火山活動の一方で、地表の割目に地下水や熱水(マグマ水)が供給されると、熱水に溶け出した物質が冷え固まって鉱脈となります。このようにして形成されたのが菱刈鉱山の金鉱床で、およそ100万年前にできたと考えられている、地質学的にみると非常に新しい鉱床です。

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