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理系学会と文系学会

私が所属するのは工学研究院なので、研究の発表先として国内外の理系学会に所属しています。このような学会では、通常年1回(または2回)の学術講演会が開催されます。この学会の開催日程も、理系学会と文系学会では大きく異なります。

理系学会は原則、学術講演会は平日に開催されます。しかし、文系学会では土日開催が基本です。この違いは、文系の大学教員は、理系の教員に比べて授業のコマ数が多いため、平日の授業を休講にして学術講演会に参加することが難しいためなのだそうです。理系学会の学術講演会にしか参加しなかった私が、この事実を知ったのは文系研究者が多い文理融合の学会に参加した時でした。

その学会は日本文化財探査学会として発足したのですが、会員数の減少と共に衰退し、最終的には日本文化財科学会という学際的な学会に吸収されました。日本文化財科学会の会員数は800名以上で、文系と理系の研究者がほぼ半分半分の割合になっています。また、女性の割合が理系学会と比べると圧倒的に高く、私の個人的な感覚では3-4割程度です。研究分野としては、年代測定、産地同定、材質・技法、古環境、保存科学、探査、情報システム等があり、私は”遺跡探査”の分野の研究を発表しています。ただし、一度だけ年輪を利用した年代測定の研究発表をしたこともあります。

日本文化財科学会の会員数は800人程度なので、大きな学会ではありませんが、会員のモチベーションが高く、学術講演会には会員の半数にあたる400人以上が参加します。この講演会参加率は、かなり高いものです。私が所属している物理探査学会や日本地熱学会などは、千数百人の会員がいますが、学術講演会に参加するのは200人程度に留まっています。

この日本文化財科学会の学術講演会が、明日から千葉大学・西千葉キャンパスで開催されます。私は『新町遺跡の地中レーダ探査』という口頭発表を、日曜日にします。新町遺跡は福岡市の西隣の糸島市の遺跡で、歴史的に重要な遺跡となっています。ひょっとすると重大発表!?があるかも・・・。

新町遺跡展示館の内部


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