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「第7章 地中レーダ探査」の扉

 大型のコウモリが主に視覚に頼っているのに対して,小型のコウモリの視覚はあまり発達していません.その代わりに超音波を使った特殊な能力を持っていて,暗い洞窟内でも障害物に衝突せずに飛ぶことができます.この能力を反響定位(はんきょうていい)といいます.クジラやイルカなどの反響定位は良く知られていますが,訓練すれば人間でも反響定位が使えるそうです.

 コウモリは,この反響定位と超音波のドップラー効果を利用して,餌となる蛾などの位置と速度を知ることができます.しかし,蛾も黙って食べられている訳にはいきません.蛾の中には超音波が当たった瞬間に急降下して回避行動をとる蛾や,自ら超音波を出してコウモリを撹乱する蛾もいるそうです.食うか食われるかの生物の世界は,本当に奥が深いです.


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