トイレ富士
仕事柄、学会などのための出張で東京に行くことが良くありました。最近はコ〇ナで行けてませんが・・・。福岡から東京までの道中には、日本一の名峰・富士山がそびえています。富士山は、標高3,776mの日本最高の独立峰です。その優美な姿は、フジヤマとして国外でも日本の象徴として広く知られています。
大学院生の頃は十分な旅費が無かったので新幹線で東京に行っていましたが、新幹線から見た初めての富士山には感動しました。新幹線からの富士山に見飽きた頃、飛行機での出張が多くなりました。今度は上空から見る富士山です。いつも晴れているわけではないので運次第ですが、上空からの富士山も一味違って格別です。
霊峰・富士は日本人のソールフードならぬソールマウンテンで、今でこそ少なくなりましたが、銭湯には必ず描かれていました。また、江戸時代の浮世絵などに描かれた富士山も、江戸の庶民の心を掴みました。前置きが長かったですが、今日は私の心を鷲掴みにした富士山の話題です。
随分前になりますが、学会で東海大学の清水キャンパスに行きました。このキャンパスには、2-3回は行ったことがありますが、このエピソードは、はじめて訪問した時でした。当時は静岡市と合併する前でしたから、まだ清水市でした。行きの新幹線でも富士山は見たと思いますが、学会での発表のことで頭が一杯だったので、富士山のことは忘れていました。
無事(?)に学会の発表を終えて、セッション間の休憩時間になりました。この間に、トイレに行っておこうと会場近くのトイレに向かいました。トイレで用を足しながら、ふと窓の外を見ると雄大な富士山が綺麗に見えました。たまたま、トイレの窓が大きく空いていて、大きなキャンバスの絵のように富士山が見えたのでした。その時に見た富士山は忘れられません。
その時の富士山を、私は秘かに”トイレ富士”と呼んでいます。