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『ものつくり』に思う事

 ”ものつくり/ものづくり”には、昔から憧れを抱いています。これまでに、形のないソフトウェア(プログラム)はそれなりに作ってきましたが、形のあるハードウェアは殆ど作ったことがありません。小さい頃には、プラモデルの戦車・飛行機・レーシングカーなどを作りましたが、これらはパッケージされた”デキアイ”の製品です。誰でも手順通りにやれば、作れてしまいます。

 私が憧れているのは、オリジナルのハードウェアです。人は”無い物ねだり”をするとよく言われますが、私の場合もまさに”無い物ねだり”です。自分に”ものつくり”の才能が無いため、自力で物が作れる技術を持った人には憧れます。

 最近、YouTubeで面白い動画サイトを見つけました。『my mechanics』(私のメカニック)というサイトで、スイスの人が運営しているようです。登録者数が300万人を超えていますので、私が知らなかっただけで、そのスジでは有名なチャンネルなのでしょう。古い道具や機械の修理をして、その過程を淡々と見せているだけの動画ですが、これがオモシロイのです。動画中の音声は、作業音や機械音だけで、一切解説(説明)はありません。

 基本的には古い道具/機械の修理ですから、通常は『解体⇒洗浄⇒錆び取り⇒整形/微調整⇒研磨⇒塗装⇒組み立て⇒完成⇒試運転』という流れで進みます。さらに、元々の部品で使えないネジ/ナットは、ゼロから作ります。動画中には、色々な工具や工作機械が出てきてワクワクします。さらに、”機械工作に解説はいらないぜ!”的な潔い姿勢に好感が持てます。どの動画も人気で、軒並み”数百万回以上の再生数”なのは驚きです。

 各動画のタイトルは日本語化されているので、内容は簡単に推定できますが、時々自動翻訳ならではの誤訳があります。仕方ないなとは思いますが、例えば”アイロン(iron)”が”鉄”とそのまま訳されていたり、”バイス(vice)”が、副大統領(vice-president)の副(vice-)に相当する”副”と訳されています。金属加工や木工が専門の人なら、バイスが加工物を口金の間に締め付つけて固定するための工具であることがすぐにわかります。バイスは、日本語では万力まんりきとも呼ばれます。

  このような、修復/修理のサイトはいろんな国にあって、どれも大人気です。皆さん、”ものつくり”が大好きなんですね。日本の方にも、ミニチュアエンジンなどをゼロから手作りするチャンネルなどがあって、ついつい見とれてしまいます。私が面白いと思ったのは、『モンスターエンジン西森チャンネル』です。

 このチャンネルは、キングオブコントやM1-グランプの決勝にも出たことがあるコントグループ『モンスターエンジン』の西森さんが運営しているチャンネルです。西森さんのご実家が金属加工の工場を経営されているようで、ご本人も金属加工の技術を習得されたようです。登録者数は約5万人ですが、私のフォロワー数30人に比べると、天と地ほどの差がある人気チャンネルです。こちらは、芸人さんだけあって”必要以上に喋ります”。先程紹介した『my mechanics』の対極にあるようなチャンネルです。でも、これはこれで、とてもオモシロイのです。

 自分ではハードウェアの才能は有りませんが、同僚の”バードウェアの達人”の協力の下、”世界に類のない探査装置”の開発を目指しています。今月末(明日)には、いよいよ三種類の試作機が納品されます。それぞれ、どんな性能になっているのか、これからテストするのが楽しみです。

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