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「第5章 重力探査」の扉

 ゾウリムシは,草履のような形に見える繊毛虫の総称で,単細胞生物としては有名な微生物です.ゾウリムシは,顕微鏡で微生物の存在を初めて発見したオランダのレーウェンフック(Leeuwenhoek)によって,17世紀末に発見されました.水中微生物の多くは,重力に逆らって水面付近に集まる特性があり,これを負の走地性といいます.テントウムシやカブトムシなども,重力と反対方向に移動する負の走地性があります.ただし,サカサナマズのように重力を無視してお腹を上にして泳ぐ特殊な魚もいます.

 ところで,微生物や昆虫は,体のどの部分で重力を感じているのでしょうか.重力の感受機構が詳しく解明されれば,精度の高い小型の重力センサが開発できるかもしれません.単細胞の微生物と言っても侮れません.微生物仲間のミドリムシは,栄養補助食品としてクッキーになっているし,石油のような炭化水素も生成できるようです.地球環境の激変が予想される今世紀ですが,ひょっとすると微生物が世界を救うかもしれません.


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