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物理探査で遭遇した動物

 昨日の記事では、伊都キャンパス内の生物多様性ゾーンで物理探査を実施した話を書きました。生物多様性ゾーンは、自然をそのまま残しているので、野生のイノシシやタヌキに遭遇することも少なくありません。伊都キャンパスは福岡市にありますから、山奥というわけではありませんが、それでも中心部に比べれば自然が多く残っています。

 物理探査は、人里離れた山岳地域で行なうことも多く、そんな時には普段滅多にお目にかかれない野生動物に遭遇することも少なくありません。電気探査を行なう場合には、電線を長く(場合によっては数km)設置するすることもあり、地面に張ってある電線が野生動物に切られることが結構あります。こうなると、探査は中断です。時間はかかりますが、切れた電線の箇所を探しながら、山道を往復します。切断箇所が一ヶ所なら良いのですが、複数個所が切られている場合も少なくありません。

 細かく切断された噛み跡から考えると、齧歯類などの仕業と考えられますが、噛むところを見たことはありません。このような動物による切断を回避するために、樹木の生えている山では樹上に電線を張ったりするのですが、そうすると別の動物が邪魔します。南阿蘇で電気探査をしていた時ですが、ニホンザルが電線を揺らしているところを目撃したと、一緒に調査をしていた当時の学生さんから聞きました。

 九州には熊は生息していませんので、九州の山中で命の危険を感じることはありませんが、東北地方で探査をする時には、熊に注意する必要があります。私自身は熊に遭遇したことはありませんが、一緒に調査をしていた人たちからは、熊の爪痕や足跡、さらには糞などの目撃情報が相次いで、夕食時には熊の話で盛り上がりました。

 一度、山頂でトランシーバの中継係をしていた時に、林の中から「ザワザワ」と大きな音が聞こえてきて、「もしかしたら熊?」と驚いたことがありましたが、鉄砲を担いだ猟師さんとその愛犬でした。ほんの一瞬でしたが、熊だったらどこに逃げようかと真面目に考えました。

 私が見た野生生物は、エゾリス・ウサギ・イノシシなどを除けば、キジ、ヤマドリ、オオミミズクくらいです。福岡市内の街中でニホンザルを見たことはありますが、山でニホンザルを見たことはありません。カモシカも遠目で見たような記憶があるのですが、記憶が曖昧です。ひょっとすると、誰かの話を聞いただけなのかもしれません。

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