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雑記コラム

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物理探査に関係が薄い雑多なコラムをまとめました。
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2022年9月の記事一覧

もうすぐノーベル賞

ことしのノーベル賞の発表が10月3日から始まります。いつもこの時期になると、「もしかして・・・」と思ってドキドキします。というのは全くの嘘で、私のような下っ端研究者には、ノーベル賞は無縁の賞です。ノーベルさんが生きていたら、鼻で笑われたかもしれません。 ノーベル賞は、ダイナマイトで莫大な富を築いたアルフレッド・ノーベルさんの遺言を元に創設された賞です。賞の分野としては、物理学賞、化学賞、生理学・医学賞、文学賞、平和賞が創設時からある賞で、途中から経済学賞も加わりました。ノー

理事会に出席した。

本日、初めて理事会なるものに出席しました。といっても、オンラインの理事会でしたが・・・。正式には私自身2回目の理事会でしたが、前回は書面会議だったので、今回が実質初めての理事会になりました。以前の記事で書いたことがありますが、実は私『九州大学出版会』の理事を務めさせて頂いています。はっきり言って、私には”理事”が何たるかもわかっていませんし、まだ”理事”の自覚もありません。今回の理事会はオンラインなのに、フォーマルな場所が苦手な私は、ガラにもなくキンチョーしてしまいました。

弘前植物園の白孔雀

昨日の記事の追加情報です。弘前城の敷地は広大で、その敷地の中には広い植物園があります。ここは有料ですが、様々な花や樹木を見ることができます。その中にはバラ園もあって、数十種類のバラが栽培されていました。バラ園では、ピンクの綺麗なバラが大輪の花を咲かせていました。ふと足元のプレートを見ると、バラの名前が『クイーンエリザベス』と書いてありました。「エリザベス女王か・・・」と先日の荘厳な葬儀を思い出しました。 このバラ園の近くには、植物園に似つかわしくない檻のようなものがありまし

ただいま弘前に出張中

この記事は、青森空港で書いています。今日は出張帰りの日で、移動だけだったのですが、良い便がなくて夕方の飛行機になってしまいました。そのため、午前中は弘前市内を観光しました。 宿泊したホテルから、弘前城まで歩けそうだったので、弘前城に向かいました。徒歩で約20分の距離でしたが、弘前城の堀までは簡単に行きつきました。しかし、この後が大変でした。弘前城の城域がめちゃくちゃ広いのです。城の一部は公園になっていて、自由に出入りできますが、中心部は有料になっていました。入場料は320円

丁度良いのは難しい。

タイトル画は、石川県の大谷派常讃寺坊守・藤場美津路さんが、作った『丁度よい』という詩です。あまりにも出来が良いので、”良寛作”と間違って伝えられた時期もあったらしいです。”丁度よい”/”丁度いい”は、分量や大きさの程度、時間などについて、過不足なくぴったりしている様を意味します。 しかし、”丁度よい”の匙加減は難しいと思います。よく『毒にも薬にもなる』という成句がありますが、同じ化学物質でも、使用量によって毒や薬になります。推理小説などに出てくる”ストリキニーネ”は、人や動

記録を残すことの重要性

タイトル画は、南米コロンビアのセラニア・ラ・リンドサ地区の岩窟住居遺跡で見つかった壁画の一部です。この壁画のうち、初期のものは1万2600年前から1万1800年前の間に描かれているそうです。壁画には南米最初期の人類と氷河期の生き物との関わり合いが描かれていて、オオナマケモノや古代のリャマやウマなどが描かれています。また、よく見ると大きな鳥?や亀?のような絵もあることが判ります。 当時の人たちがどのような意図でこの壁画を描いたのかは、今になっては分かりませんが、この壁画を残し

論文査読の闇 『査読偽装』

研究者の最も重要な仕事に、研究成果を論文にまとめる仕事があります。大学は教育機関なので研究と同時に、教育も重視されていますが、やはり研究のウエイトがかなり大きいのは事実です。大学教員や研究所の研究者は、論文作成のプレッシャーに常に晒されています。 論文は、研究成果をまとめた論文原稿を、学術誌に投稿し、そこで匿名の査読者によって査読(内容をチェック)され、査読を通過したものだけが正式な”論文”として受理されます。論文が受理されるには、少なくても2-3か月の期間が必要です。一流

科研費の季節

科研費《かけんひ》は、文部科学省およびその外郭団体である(独)日本学術振興会が助成を行なっている補助金です。昔は、年度毎の計画にしたがって交付される科学研究費補助金だけでしたが、最近は年度をまたいで交付される学術研究助成基金助成金との二本立てで構成されています。これらの補助金助成事業は、日本の研究機関に所属する研究者の研究を格段に発展させることを目的としたもので、科学研究費助成事業と呼ばれています。日本学術振興会のWEBサイトには、次のように説明されています。 『科学研究費

台風の恩恵?

今回の台風14号は、勢力が強かったこともありますが、日本列島の形を沿うように、南から北へ移動して行ったので、日本各地に大きな爪痕を残しました。台風の暴風雨によって被害に遭われた方には、謹んでお見舞い申し上げます。 台風は大きな自然災害をもたらす可能性のある気象現象ですが、デメリットばかりではありません。日本では十数年に一度、水不足に見舞われる年があります。このような時に役に立つのが台風です。台風が発生し通り過ぎた場合、貯水量を一気に五千万トン以上も回復される力を持っていると

”努力できる人”と”努力できない人”

アメリカのヴァンダービルト大学の研究チームが行なった実験から、努力できる人と努力できない人とでは脳の働きが異なることがわかりました。この実験では、難易度に応じた報酬が用意されている簡単なタスクと難しいタスクを選んでもらったうえで、タスク実行中に起こる脳の変化をモニタリングしています。その結果、タスクを最後までやり遂げようとする人(努力できる人)と、タスクを途中で諦めてしまう人(努力できない人)のあいだで、脳の3つの部位に大きな違いが見られることが判明したそうです。 タスクを

台風14号が通過中 横殴りの雨

現在、台風14号が通過中で、外は横殴りの雨になっています。”横殴り”は、風雨が横から強く吹きつけることを表わしていて、気象の場合、雨と風にしか使いません。表現としては”よこなぐり”が正しいようですが、”よこなぶり”と誤用する場合もあるみたいです。 台風の中心が福岡市近くにいた時は、風雨はほとんどなくて、晴れ間も見えていました。しかし、その少し後から風雨が急に強くなりました。ふと、外のベランダを見ると、大きなカラのペットボトルが、ベランダの枠組みに挟まっているのを見つけました

ヘクトパスカル(hPa)とミリバール(mb)

台風14号が近づいています。現時点では、まだ風が少し強いくらいですが、雨も降りだしてきました。九州は台風の進路になることも多く、「またか!」 という印象です。台風の時に気になるのが、中心気圧です。私が子供の頃の単位はmb(ミリバール)でしたから、いまだにhPa (ヘクトパスカル)がピンときません。 国際単位系は、フランス語では『Système International d'unités』といい、その頭文字をとって SI単位系と略称されます。SI単位系は、メートル法の後継単

久しぶりのヒット作 『学歴マウントについて』

少し前に書いた”学歴マウント”に関する記事が好評です。現在、『学歴マウントについて』は、現時点でのビュー数が267で、短期間で”私的ベストテン”入りを果たしました。また、スキ数も42で歴代二位のスキ数になっています。 やはり皆さん、”学歴マウント”に関心があったり、”経験された/経験した”のでしょうか?。学歴マウントに拘わらず、様々なマウント行為はあまり感心したものではありません。自分自身の努力による学歴マウントは、百歩譲って、ほんの少しだけ(1㎜?)は理解できますが、自分

多様性を理解しない人々

多様性やダイバーシティという言葉に対し、あなたはどんなイメージを持っていますか?。多様性(diversity)とは、「互いに非常に異なる多くの人や物の集まり」と定義されています。例えば”生物多様性”とは、自然界にあらゆる生物が存在することをいいます。生物多様性の喪失は、近年、環境保護や環境維持の観点からグローバルな問題となっています。 一方で、社会的な文脈で多様性という言葉を使う場合は、性の多様性であるLGBTQ+や、移民や障害を持つ人といったマイノリティの人たちに関するこ