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数学よもやまエッセイ

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数学や算数にまつわるエッセイをまとめました。内容は、そんなに専門的ではありません。ちょっとした息抜きにどうぞ。
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#数の概念の拡張

数学の小ネタ#4 数の拡張(2) 四元数

 前回の記事で、複素数について少しだけ触れました。複素数は実部と虚部の2元から構成される二元数ですが、虚数単位をさらに2つ追加した四元数という、さらに変わった数の概念があります。  この四元数(quaternion:クォターニオン)とは、複素数を拡張した数体系で、3つの虚数単位 i, j, k を用いて a+bi+cj+dk と表せる数のことです。ここで、a, b, c, d は実数であり、3つの虚数単位の間には以下の演算規則があります。このような演算則を使うと、四則演算が

数学の小ネタ#3 数の拡張(1) 双対数

 高校数学では、二乗すると-1になる変な数”虚数”が出てきます。この二乗すると-1になる基本単位は、虚数単位iと表現されます。ただし、電気系の学問分野では、電流にiの文字を使うので、iの代りにjが使われることが多いようです。  一般的な複素数は、2つの実数aとbと虚数単位iを使って、a+biのように表現します。このような虚数を使うと、これまで解けなかった二次方程式にも(虚数の)解が出てきます。これは、それまでの実数を拡張した新しい数の概念です。  二乗して0(ゼロ)になる