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数学よもやまエッセイ

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数学や算数にまつわるエッセイをまとめました。内容は、そんなに専門的ではありません。ちょっとした息抜きにどうぞ。
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2024年8月の記事一覧

数学の小ネタ#25 整数問題

受験生にとっては、夏休みは休みであっても休んではいられません。なぜなら、夏休み期間中の努力次第で、その後の成績が違って来るからです。私が田舎の”いわゆる進学校ではない高校”の高校生だった頃は、高校の先生たちが受験指導に熱心だったで、ノホホンとしていた私でも先生たちに助けられて大学に合格することができました。 それこそ夏休みは高校に毎日通って、補習に次ぐ補習で勉強三昧でした。高校の先生たちの努力で、強制的に勉強させられたのが、ノンビリ屋の私には効果的だったのかもしれません。

数学の小ネタ#24 マイクロソフトの三角形

入社試験の一風変わった数学問題として話題になったのが、『マイクロソフトの三角形』と呼ばれる面積を求める問題です。一見すると、三角形の面積の公式を知っていれば小学生でも解けそうです。答えは、10×6÷2=30 となりそうですが、冷静に考えるとそうはなりません。というのも、2次元平面ではこのような三角形が存在しないからです。答えは「解なし/計算できない」が正解なのだそうです。 この三角形が有り得ない理由は、円周角と半径から簡単に説明できます。角Bが直角ですから、角BはACを直径

数学の小ネタ#23 数学の未解決問題

数学には、多くの未可決問題があります。有名なのは、懸賞金が付いたミレニアム問題と言われる問題です。ミレニアム懸賞問題とは、アメリカのクレイ数学研究所によって、2000年に発表された100万ドルの懸賞金がかけられている7つの数学の未解決問題のことです。これらの問題は有名ですが、かなりの数学的知識が無いと”問題の意味自体が分かりません”。私も、もちろんわかりません。辛うじて理解できるのは、「ナビエ–ストークス方程式の解の存在と滑らかさ」だけです。 2024年現在、ポアンカレ予想

数学の小ネタ#22 折り紙と方程式

日本には折り紙という伝統文化があります。紙自体は2次元の平面ですが、それを巧みに折ることで、3次元の立体を構成することができます。この折り紙の応用分野は意外と広く、芸術・工芸から工学や数学の分野でも注目されています。 人工衛星にも折り紙の技術が導入されています。ロケットで宇宙空間に打ち上げられる最大の寸法はロケットの大きさに依存しています。もともと、そんなに大きなものを入れられないので、どうしても効率よく折りたたむ必要があります。宇宙空間で使う太陽光パネルは、折りたたんでロ