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ぶったん箸休め

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物理探査のことを略して、物探(ぶったん)と呼びます。ここでは、物探とチョッとだけ関係ある話題を集めました。智の箸休めです。楽しんで下さい。
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2024年3月の記事一覧

アクティブセンサとパッシブセンサ

物理探査では、目に見えない物性値の変化を、目に代わるセンサを使って測定します。多くのセンサは、様々な物性値を最終的には電気信号に変えて出力します。これは、電気信号に変えることで微小な信号を増幅したりできるからです。 センサは大きく分けると、受動的なパッシブセンサ(passive sensor)と能動的なアクティブセンサ(active sensor)に分類できます。パッシブセンサは、人工的な信号源を必要としないセンサで、多くのセンサがこのタイプになります。現在、MT法プロジェ

『自衛隊の裏側ぜ~んぶ見せちゃいます!』から問い合わせがありました。

今日の午前中、『自衛隊の裏側ぜ~んぶ見せちゃいます!』(テレビ東京系列)という番組を作っている制作会社のスタッフさん(ADさん?)から電話がありました。会社名は電話で聞いてはいますが、覚える気がなかったので忘れてしまいました(笑)。短い電話の中では番組の内容を説明してもらえませんでしたが、問い合わせ内容は不発弾に関することでした。 「日本にはあと何年分くらい、不発弾が残っているのでしょうか?。先生のご意見をお聞かせください」という質問内容でしたので、「私の意見ではありません

商用電源の東西対決 50Hz vs 60Hz

日本の商用電源は、電圧100Vの交流が使われています。交流は直流と違い、電圧の大きさが時間とともに変化する電流です。交流では波のような振幅の変化が何度も繰り返されます。その波が1秒間に何回繰り返されるかを、数値で表わしたものが周波数で、単位はHz(ヘルツ)です。 日本では地域によって商用電源の周波数が異なり、大雑把に言えば東日本は50Hz、西日本は60Hzとなっています。日本で電気が使用され始めた明治の頃、まだ電気事業は全国展開されていませんでしたから、周波数は各地域や発電

MT法の必須アイテム 水準器

水準器は、物体の表面に密着させて、水平または鉛直に対する物体の角度や傾斜を確認する器具です。水準器は、水平器あるいはレベルとも呼ばれています。一般的な水準器は、気泡管水準器や円形水準器ですが、水平からの角度を数値表示するデジタル式などもあります。また、赤や緑のレーザー光線で水平を教えてくれるレーザー水準器というのもあります。水準器は、土木・建築・測量などの分野を中心に広く用いられています。 水準器は、物理探査でも役に立ちます。特にMT法では、水準器はインダクションコイル設置