MT法の必須アイテム 水準器
水準器は、物体の表面に密着させて、水平または鉛直に対する物体の角度や傾斜を確認する器具です。水準器は、水平器あるいはレベルとも呼ばれています。一般的な水準器は、気泡管水準器や円形水準器ですが、水平からの角度を数値表示するデジタル式などもあります。また、赤や緑のレーザー光線で水平を教えてくれるレーザー水準器というのもあります。水準器は、土木・建築・測量などの分野を中心に広く用いられています。
水準器は、物理探査でも役に立ちます。特にMT法では、水準器はインダクションコイル設置の際の必須アイテムになっています。MT法では南北方向、東西方向、鉛直方向の3方向の磁場が必要になります。通常のMT法では、これらの3軸方向の磁場を測定するため、まずは方位を正確に測定し、インダクションコイルが水平になるように地面に埋めます。その時に、コイルが水平になっていないといけないので、水準器の出番となります。
南北方向・東西方向のコイル用の孔の深さは、コイルの直径程度で、それほどの深さは必要ありませんが、鉛直成分のコイルは地面を1m程度掘る必要があります。これがMT法調査の作業性を低くしています。現在、MTプロジェクトで開発している小型探査装置は、MIセンサという小型の磁気センサを使っているので、地面に深い穴を掘る必要はありません。
ただし、新型装置でも従来装置と同じく水平を保つ必要はありますから、水準器の存在は欠かせません。
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