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ぶったん箸休め

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物理探査のことを略して、物探(ぶったん)と呼びます。ここでは、物探とチョッとだけ関係ある話題を集めました。智の箸休めです。楽しんで下さい。
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2021年8月の記事一覧

野球の打順で例えてみたら・・・

 この記事を書いている時期は、甲子園で夏の大会が行なわれています。そこで、物理探査の各手法を野球の守備位置と打順で例えてみたいと思います。野球にも物理探査にも興味ない人には、全く理解されないと思いますが、あえて挑戦してみました。ただし、これはあくまでも個人の感想です。私の考えた打順と守備位置は、以下の通りです。 1番 センター   重力探査 2番 レフト    磁気探査 3番 セカンド   屈折法(弾性波探査) 4番 ピッチャー  反射法(弾性波探査) 5番 サード    

重力計のキモ ゼロ長のバネ

 バネには様々な種類がありますが、一般的に思い浮かべるのはコイルばねだと思います。コイルばねとは、その名の通りぐるぐると巻かれた見た目のばねです。コイルばねには、圧縮して使う圧縮コイルばねや、引っ張って使う引張コイルばねがありますが、どちらも伸縮の長さに応じた(比例した)力が利用されます。  重力を測定する相対重力計にもバネが使われていますが、ちょっと特殊なバネが使われます。”ゼロ長のバネ”という言葉を聞いたことがありますか。バネには自然長と言って元々のバネの長さがあり、自

"分解能"と”可探深度”は二律背反

 物理探査の分解能とは、どこまで細かく探査対象が識別できるかを表わした言葉です。物理探査を選択する場合には、分解能は大変重要で、対象が埋蔵文化財のような数十cm程度のものなのか、大規模な金属鉱床のような数百m規模のものなのかを考えないと、正しい探査手法を選択できません。  また物理探査では、どこまで深く探査が可能なのかも探査手法を選択するうえで重要になります。これは可探深度と呼ばれています。可探深度を正確に計算することはできませんが、目安となる指標はいくつかあります。例えば