2021.12.23 日経1面 17面
ホームセンターのカインズ
東急ハンズを買収
【記事まとめ】
・22日、ホームセンター最大手のカインズ、東急不動産HDの子会社である東急ハンズを買収すると発表。
・買収額は200億円超と見られる。
・カインズは郊外型、東急ハンズは都心部型。カインズは東急ハンズを手中に収め店舗網を拡大する。
・買収される東急ハンズの業績は2021年3月期44億円の営業赤字。
・赤字の原因はネット通販&コロナ自粛で業績悪化だが、独自商品が充実していないのも原因。
・合併して落ち着いたら東急ハンズの名前を変える方向性で考えているみたいです。
(カインズについて)
カインズはホームセンター最大手です。シェアトップですね。
製造小売り(SPA)で、安い自主企画商品(PB)を武器に売上高が19年度に4410億円となり最大手になりました。
19年にIT小売企業を掲げて3年間で100億円~150億円をデジタルに投資し、10万種の商品が売り場のどこにあるか一目でわかるアプリを開発し生産性を向上させました。
営業利益率は約8%、他の大手より1~2%高い水準です。
出店エリアに相互補完があるとし、カインズPBをハンズで販売したり、ハンズの商品をカインズで販売することも視野に入れているみたいです。
また、カインズの高家社長はハンズの接客や商品知識は一朝一夕で身につくものではないとし、その技術(?)にも一目置いているようです。
成長に前向きな姿勢が見て取れました。
(グループ企業)
カインズは群馬地盤のベイシアを中核とするグループ会社の1社です。同グループには成長企業のワークマンがいました。すごいね。
(ホームセンター業界)
経済産業省によると19年度のホームセンターの市場規模は3兆3010億円で、15年度対比で0.4%減少しています。
しかし、店舗数は3.2%増加しており4355店となりました。20年度は巣ごもり需要で一時的に盛り上がりましたがオーバーストアの状態です。先行きは厳しいですね。
(今のホームセンターシェア)
1位:カインズ 4854億円
2位:DCM 4711億円
3位:コーナン商事 4420億円
4位:コメリ 3857億円
5位:ナフコ 2345億円
(東急ハンズ)
資本金4億円で、従業員は2469人。店舗数は63店舗でそのうち15店舗が海外です。結構従業員多いです。
(東急ハンズの親会社である東急不動産グループ)
IR情報より、東急ハンズの成長に向けて①PB商品の開発強化、②EC取引の拡大、③FC展開の加速の施策に取り組んだようですが環境変化(コロナ)に耐えられなかったようです。
そのため、東急不動産HDは、子会社の東急ハンズとしてお客様への提供価値及び事業価値の最大化は困難ですと宣言しております。こちらは成長に後ろ向きな姿勢が見て取れます。
(思ったこと)
餅は餅屋!といったところですね。
今後もM&Aは活発に行われると思います。日本は人口が縮小していきますので、同業種、同業界はなるべく寄り添って専門的になっていく必要があるというのが今の私の考えです。
経済規模が縮小していく中にありつつも、事業を存続させていくためにはどうするのか?という大きな命題が今後しばらくはつきまとうでしょうね。
変わり続ける答えのない社会で答えを出し続けていくために、今日もしっかり学んでいかんとな!と襟を正してがんばります。
経営は総合格闘技である、と例えたクレバーな友人がおります。言い得て妙だと感じました。
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