2021年12月15日 日経1面と17面

世間をお騒がせしております「スーパー統合三角関係」。

いよいよ終幕となったようですので、記念(?)にまとめました。

【登場人物】

・関西スーパーマーケット

 もてもて。H2Oと統合(結婚)したい

・H2Oリテイリング

 関西スーパーと統合(結婚)したい

・オーケー

 関西スーパーと統合(結婚)したい

【結論】

関西スーパーマーケットとH2Oリテイリングの経営統合が可能となった。

両想い同士での結婚となりました。おめでとう。

【経緯】

2016年 オーケーが関西スーパー株を大量取得。H2Oがホワイトナイトとして筆頭株主に。

2021年6月 オーケーが2,250円でTOBを申し出る。

2021年8月 関西スーパーがH2O子会社との経営統合を発表。

2021年10月 臨時株主総会で統合を承認。

【臨時株主総会について】

H2Oと統合するには株主の3分の2の賛成が必要です。数字でいうと66.66666...%

1人の株主が棄権として票を投じていたが、投票締め切り後に間違いました!と賛成へ変更。

この賛成により66.68%が賛成となり、3分の2に到達。非常に僅差となりました。

しかし、オーケーは決議が不公正だとして統合差し止めの仮処分を申し出ます。もつれにもつれ、最高裁まで行きましたが、結果としてオーケーは敗北しちゃいました。記事の中では、株主総会の決議ルール透明化がポイントになっています。

お互いに株式を持ち合う関係が多かった日本企業の株主総会は「シャンシャン総会」と呼ばれています。短時間で終わっていましたが、時代は変わっているんだという方向性です。

日経新聞14面には「株主総会 なれ合い通じず」と強めの言葉で表現されております。

数字を見てみました。

もてもて関西スーパー(3月決算)

売上高と経常利益と利益率

2021年 1,289億円 30億円(2.3%)

2020年 1,242億円 25億円(2.0%)

2019年 1,216億円 23億円(1.9%)

2018年 1,206億円 23億円(1.9%)

2017年 1,186億円 22億円(1.8%)

安定感が凄いです。

FCFを見てみます。営業CF+投資CF

2021年  19.6億円

2020年 ▲22.5億円

2019年  48.4億円

2018年  70.6億円

2017年 ▲27.1億円

営業CFは毎年不安定ながらも稼ぎ出せておりした。数字はここには乗せておりません。時間(お昼休み)の関係です。

数年に一度大きく投資を実行しており、その時にFCFが赤になっています。

BSからですが自己資本比率が63%!

ざっくり分析ですが、とても安定感がある会社です。

もてもてになる理由がわかります。

一方で無事に結婚式を挙げられるH2Oリテイリング

百貨店事業、食品事業、不動産事業がメインです。

その他としてホテル、店舗内改装、飲食店などもやっています。

H2Oリテイリング

売上高と経常利益と利益率

2021年 7,391億円 ▲29億円(▲0.3%)

2020年 8,972億円 118億円(1.3%)

2019年 9,268億円 213億円(2.3%)

2018年 9,218億円 242億円(2.6%)

2017年 9,012億円 217億円(2.4%)

2021年は赤字ですね。原因は調べる時間ないです。昼休みのためです。

CFは過去と比較すると元気がないです。

2017年は387億円あった営業CFが2021年は127億円です。

安定的な会社と統合して、企業価値をあげたいとの考えもあったのでしょうか。

H2Oリテイリングの2021年8月31日のIR情報に関西スーパーとの統合の目的がありました。

・高次元のプライベートブランド商品の開発

・取引先政策

・物流政策

・情報管理/活用

など!

具体的な相乗効果を狙う施策はこれからのようです。

【学び】

この三角関係から得られた学びは、モテモテ会社はつらいという事でしょうか。

魅力がある、それは反対に他の企業から狙われやすいポジションになってしまう事も意味しているのかなと。

自分達の株式をどのように守るのか。この辺に経営戦略の重要性がありそうです。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?