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自己紹介③ アマミ(天美住建)との出会い

愛媛に帰ってから、すぐにハローワークに仕事を探しに行き、住宅会社に就職。現場監督の仕事をしばらくしていました。

その会社には、一人の普通じゃない大工が関わっていたのですが、
彼と仲良くなり、飲んでいるときにとある誘いを受けることになります。

「知り合いの社長が、新築事業を立ち上げるんだけど。一緒に手伝ってくれないか?」

聞くと、その社長は元銀行マン、数年前に増改築の会社を立ち上げ、これから新築事業を立ち上げるそう。
直感で面白そうと思い、その話に乗ることに。

これが実は今の、株式会社天美住建一級建築士事務所 (アマミホーム)のスタート。

普通じゃない大工(笑)こと大塚くんと僕、そして社長の3人きりの立ち上げ。
そこには、「工務店」に詳しい人間が誰もいませんでした。


三人三様の考え方を認め合う

3人きりのスタートでしたが、それぞれの役割が異なるだけでなく、その3人の考え方は実にバラバラ。
例えば、家づくりで重要視することもバラバラで。

社長:営業、資金計画  性能重視
大塚くん:現場管理   金額・メンテナンスフリー
僕:設計  デザイン性

といった感じ。

でも、各専門分野はポリシーを持っているプロフェショナルで、そのそれぞれの考え方を認め合うことで、今の「アマミらしさ」が生まれていったような気がします。

社長は、常々「お客さんを一番大切にするんよ」と言ってる人情派で。
そのおかげで、僕も「お客さんと向き合う」ということを大切にすることができはじめました。

建築家は、どうしても作家性を重視します。
自分の美学をどうやって通すかを常に考えている。

そこにお客さんの要望が入ってくると、ガラガラと自分の美学が崩れはじめてしまう・・・そう考える人も少なくないと思います。

でも、アマミに入って僕は、
予算の中で、お客さんの要望の中でベストな回答を出すことの大切さ、面白さを知りました。


何よりも大切なのはプロセス

自分の美学とお客様の要望をすり合わせ、折り合いをつける。
その答えを探る時に思い出したのが、高校3年の時の担任。
・・・鬼の数学教師のことでした。

問いと答えを示し、その間にある「プロセスを考えてこい!」というような先生で。
公式は教えてくれない。
むしろ、「公式をつくれ!」と言ってくるような先生。
「単位をみたら公式がわかるだろ!」と(笑)

こんな無茶苦茶な先生のおかげで、僕の思考はだいぶ鍛えられ、
大学時代に課題で出された、「色々なものを空間に置き換える」ようなこともすっと飲み込むことができました。

要望を整理して、答えを見つけること。
好きなものをヒアリングして、“本質”を理解すること。

例えば、「和室が欲しい」と言われた時に、和室になんの意味を持たせているか。

本質を見つけて、空間をベストな状態に組み立てていく。
その面白さに僕は夢中になっていきました。


次のステージへ

アマミのコンセプトは『暮らしを自分らしく楽しむ』です。
実際、僕自身自分の暮らしを楽しみながら働いています。

平成17年に法人設立した天美住建。
僕たちがアマミホームを立ち上げたのは平成24年でした。
右も左も分からず、「まずはロゴだ〜!」と、僕の昔からの友人であるGrand Deluxeの松本さんにロゴを依頼し、ブランディングは僕が担当。
広報の窓口も僕が担いました。
もちろん設計もしますし、営業もしました。
ブランド Kinarie  のプロデュースもしました。

つまり、色々自由にさせてもらえて、忙しくも楽しく仕事をさせてもらいました。

たった3人だったスタッフも今や25名体制となり、無名だった会社は今やたくさんの人に認知され、求められる工務店となりました。

アマミが軌道に乗っていくと同時に、僕自身にもやりたいことが見えてきました。

そして、とある決断をすることとなったのです。

text by 大木春菜


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