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予防医療のための口腔ケア

田中 ひではる

 誤嚥性肺炎、心臓病、認知症、転倒、糖尿病。
どれも口の中の状態と関係なさそう、と思うけどそうでもないらしい。
日々の歯磨きをしっかりと行い、3ヶ月に1回程度歯科でクリーニング=歯石除去をしてもらうことでこれらが予防できる。僕も歯石除去は10年前から続けている。
 たかが歯磨き、されど歯磨きと侮るなかれ。口の中を良い状態に保つことのメリットを知ってほしい。介護スタッフにとっては重要な知識であり視点だ。 

 食べ物をしっかり噛んで食べることで脳が使われて認知症予防になるし、歯があることで身体のバランスが取れて転倒予防にもなる。
 歯周病であれば歯ぐきが傷つき出血してそこから歯周病菌が入ってしまい心臓病のリスクが高まる。歯周病菌が血中に入ればインスリンの邪魔をして糖尿病のリスクも高める。
 口の中の細菌が肺に入れば誤嚥性肺炎にもなる。高齢者は寝ているとき気づかずに誤嚥してしまい肺炎が発症するケースもあるらしい。

 このように"たかが歯磨き"と侮るなかれなのだ。
当たり前だけど子どもはそんな理解などないので、僕も毎日我が子を追いかけ回しながら歯磨きをしている。
 重度知的障害者はどうだろう?

 歯ブラシを口に入れてシュコシュコやっているので一見出来ているように見えるけど、残念ながらほとんどの人はちゃんと出来ていない。
 そもそも歯磨きをする前に口の中をゆすぐ必要があるのだが、それすらやらずに歯ブラシを口に入れてしまっている光景もよくある。試しにチョコレートを食べた後、口をゆすがずに歯ブラシを口に入れてみてほしい。
 口の中に残ったチョコレートを引き伸ばして歯が薄く茶色くなっておしまい。
口腔ケア研修でそんな演習があった。

 シュコシュコ磨ける人でも同じ箇所をひたすら磨いているパターンもある。
 その姿だけを見ると「ちゃんとやってるな」って思うけど、少し手伝ってみると奥歯の方から残った食べ物がゴソッと出てくることも実際あった。

 加えて歯ブラシだけではキレイにできないのでフロスもやった方がいい。
ちなみにアメリカでは9割の人がフロスケアを行うらしい。
理由は日本のように国民皆保険という制度がなく、それぞれ民間の医療保険に入る必要があるので予防の意識が高い。
「フロスが歯科」っていうキャッチコピーがアメリカで流行ったことがあるくらい。
良いのか悪いのかわからないけどアメリカは「自己責任社会」なのだ。

 最後に。
日々ケアをしていても歯石は溜まっていってしまうので、3ヶ月に1回位は歯科で歯石除去をしよう。
これが知的障害者には難しい!
口を開けてケアを受けるってことができないからだ。
グループホームでは訪問歯科診療サービスも頼んでいるけど、どれだけの人が歯石除去できてるのか不安なところだ。
 歯石を放っておくと歯周病になり、ある日突然歯がポロッと抜け落ちたり歯周病菌による疾病リスクが高まる。
 風邪を引いたときに健康に感謝するように、歯も予防医療の視点を持ってケアをしよう。

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田中 ひではる
【これから一緒に働く人、今一緒に働いている人】に向けての日記 1983年生まれ 株式会社障がい者ライフサポート 代表 広島市佐伯区で障害福祉サービス事業を経営 会社HP https://funny.hiroshima.jp/