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治験、参加したことあります

突然ですが、わたくし大学生の頃に治験ボランティアなるものに
数回参加したことがあります。

昔から、とにかく普通に働くのが嫌で、
バイトなんぞしたくない、というのと
(やるとしても)とにかく肉体的になるべくラクな仕事を!というのを
追求していったら、

・大手チェーンでないコンビニの深夜ワンオペ(事前に調査して来店客数が少ないとこ。夜中は1時間以上誰も来なくて漫画読んだりしてウェーイ)
・家庭教師(生徒と一緒に寝たりしてウェーイ)

の掛け持ちになったのですが、もっと効率の良いバイトないかなー、と
探し始めることに。

当時は退廃的であったというか、
色んな事に対して精神的な垣根がなく、そのうち

ホルマリン漬けの死体をつっつくバイトってどうやったら紹介してもらえるんだろう?(トラウマにならない自信があった)

とか、多少ヤバいやつでもいいから効率の良いものを、と考えているうちに
治験ボランティア(薬の安全性確認の為の試験に参加)に辿り着きました。

当時はインターネットがまだ普及し始めで、検索しても
場所はどこそこで、〇〇の治験。2泊3日。連絡先:xxx-xxx
という文字列のみが羅列されている質素なページしか見当たらず、
そこで参加出来そうなものを見つけて、片っ端から電話して詳細をヒアリング⇒申し込み、って感じでした。

インターネットがない頃から、治験には興味があったのですが、申し込みの仕方が全然わからなくて、やっと自由に手が出せるようになった!と思っていました。
いや、今考えるとホントやめとけよ、って感じですが・・・。

うちは親が食べ物とか結構うるさくて(といっても良い悪いの根拠が謎なのですが)、みんなが食べている駄菓子を禁止されたり、変な健康志向に振り回されていたせいで、逆に親のお金を盗んで駄菓子を買って食べたり(それ以外にも色々買ったり)、不健康なものを求めるようになったりと、多分反抗したくて退廃的になってしまったのだと思います。

実家暮らしでしたが、「治験行ってくる」なんて言ったら当然大騒ぎになるので、適当に
友達とレコーディングするんだけど、集中して泊りがけでやる必要がある、
とか言って4泊を2セット(十数万円)こなしたりしていました。

色んなタイプのものを、覚えているだけで合わせて5、6回参加していた気がします。一度、参加日程が決まって集合場所に行ったら
「急遽、中止になってしまいました。申し訳ありません。」
と、集まってくれた代金として1万円渡されて帰ったことがあります。

その日は、ポッカリ時間が空いてしまったので、小田急線の相模大野駅から歩いて帰ろう、と思ってMDでキリンジを聞いて大声で歌いながら歩いていましたが、生田駅まで来たところで(4時間くらい?)
「小田急線の駅間の距離なっが!!」
と思ってご飯食べて電車で帰ったという思い出。

そういえば、生田駅って初めて来た時、その少し前に見たやたらと印象的な夢に出てきた景色とあまりに合致していたので超興奮して、コンビニで写ルンです(なつい!)を買ってきて、パシャパシャ撮りまくったんですけれど、現像に出したら、何故か1、2枚以外ほとんどまともに写っていないという謎の出来事があったのを思い出しました、って脱線。

とここで、治験にまつわる面白い?というか少しザワザワする体験談をいくつか。
※ちなみに、当時はそれなりに色々調べてましたが、もう忘れかけているので、言葉とか方式とか正確でないかも知れません。調べ直さないで書きます。

集団ヒステリー紙一重

今は知りませんが、当時一番良くあるタイプが、病院に一泊二泊程度する間、対象の薬を服用し、そのあとの血中濃度の推移を記録していく、というものでした。
朝飲んで、1時間とか2時間おきに血液を採取されます。一日で腕が注射針の跡だらけになります。
だいたい大きな部屋にベッドが人数分用意されているんですけど、完全に横になってはいけない、さらに寝てしまうとどうやら血中濃度の推移が変化してしまうらしく、昼間は眠くなっても寝てはいけない、と言われ、寝てしまうと看護婦さんに注意されます。

食事はそれなりにいい感じのお弁当がでます。ベッドとは別の広い部屋でみんなでもぐもぐし、そこにはテレビが複数台あって、そこでくつろいでいても良いです。

わたしが参加した時はだいたい15人くらいでした。
まず、朝集まったら投薬タイム。看護婦さんの前に並んで、順番が来たら錠剤と水を渡され、飲んだ後口の中をチェックされます。
そのあとはもう、昼寝禁止以外自由です。ごろごろ本を読んだりゲームしていてもOK。友達同士で参加して、プラモデル作っている人もいました。

投薬がすんで、ベッドでごろごろしていると何やらテレビのある部屋が騒がしい。見に行ってみると、一人が顔面蒼白で足がプルプルしているのを看護婦さん二人がかりで支えながら横にして、声がけをしていました。
その後すぐに医師が来て、そのまま別室へ運ばれていきました。

全員がそれを見に集まっていたのですが、運ばれていった後、
・・・シーン・・・

友達三人組で来ていたうちの一人(おしゃべりでうるさいw)が
「オレ達、何飲まされたんだよぉ~ww」
と軽快なニュアンスで言ったのを聞いて、吹き出してしまいました。

まぁ、案の定投薬された緊張による貧血、ということでした。
その後、彼は何事もなかったようにその後の日程を普通にこなしていきました。

彼が運ばれたあとの
・・・シーン・・・
あの時、わたし自身は何とも思っていませんでしたが、
「あ、こういう時に集団ヒステリーって起こりそう・・・」
って考えている時に、
「オレ達、何飲まされたんだよぉ~ww」
ナイス!!正解!

ケンカした・・・

参加するようになって最初の頃は、本を持ってくるくらいでしたが、
勝手がわかってきて、意外とテレビを見ている人が少ない、とか缶詰事情が分かってきたので、PS2と接続用のコードを持参して、ひたすらゲームをやったりしていました。

基本安静にしていないとダメなので、何泊かしていると、あまりに食べてごろごろしているだけなので、色々溜まってくるんですよね。

ご飯の部屋でテレビを一台占拠して、夜もずーっとゲームをしていたのですが、いっつも治験で遭遇する常連のおっちゃんが、これまたずーっとテレビを見ていて同じ部屋にいました。

それで、おっちゃんがトイレかなんかで度々部屋を出て戻ってくるんですが、どうも通り道にあるわたしが座っている椅子の背もたれに毎回「ドンッ!」とぶつかって自分の椅子に戻っていく。コロコロがついている椅子なので、ちょっと移動しちゃう。
ちゃんと避けろよ~、って思ってたら、3回くらい続けてぶつかってくるので、故意だということがわかり、腹が立ってきて

「・・・何すか?」
お「・・・・・あ?」
「ぶつかってきてますよね?何かあるんすか?」
ぶっちゃけ、昼間っからテレビ1台完全に占拠してひたすらゲームしているやつは一人しかいなかったので(その後、小さいテレビ自体持ってきてベッドでゲームするやつとか、割とゲームはメジャーになりました)、文句言われるかもな~とは、思っていたんです。

「おい。何なんだよ。わざとぶつかってんだろ?」
お「・・・お前、テレビ消しただろ!」
「え?」
お「昼間、おれが見ていたテレビ消しただろ!」

あー・・・、確か、昼過ぎにゲーム始めた時、おっちゃんのテレビの音が大きくて、(こっちはイヤホンでゲームしてるんだけれど)うるさかったんですよね。んで、おっちゃんが部屋を出て行った時に「ああ、やっといなくなった」と思って、つけっぱなしだったテレビを消したんです。
でもおっちゃんトイレかなんかで、すぐ戻ってきた・・・。
ってなことをグルグル思い出して・・・。でも一旦怒っちゃったからグルグルしながら突き進むw
「そん時に言えよ!ぶつかってんじゃねぇよ!」

と、ここで声に気が付いた看護婦さんが驚きながら部屋に入ってきたので、お互いにプイッして、テレビとゲームに戻りました。

何ともヒドいやり取りですね。缶詰状態だと人間ちょっとおかしくなりますね。

ちょうどこの頃やってた「es」というドイツ映画を映画館に見に行ったのですが、何とも面白怖かったです。
環境等外的要因によって、生物が本人の意思に関わらず急激に変化していく様を見るとゾクゾクします。良い方悪い方どちらでも。

何でこんな話を思い出したかと言うと・・・

上記治験は、だいたい1泊1万円前後、結構安い方でした。というかわたしが探せるものはだいたいそんなものしかありませんでした。
その参加していた治験は、確か同等性試験というもので、成分自体は既に販売されているものがあるけれど、成分が同じだろうと薬は段階として治験の実績、結果を必ず出さないと承認されない。そういった時に実施するタイプ。
その為、このパターンの治験は安全性も高い。(既に別名で何年も前に治験されていたり、販売後の実績もあったり)だから金額も安くなる、と。

それで、当時
「最近やたらとCM流して薬局で売っている、ナントカ10っていう胃薬あるじゃん?アレの治験は一回で100万以上貰った、てやつがいたよ」
という話を聞いたことがあります。アレは、一般販売としては新しい成分であり、そういうのは報酬(て言っちゃダメか)が跳ね上がる、と。
って、まぁ当然ハイリスクなわけで。
参加する前に、
「いかなる健康被害を受けても、文句は言いません。(もちろん、最大限処置はして貰う前提)」という紙にハンコ押すんです。

「やべー、そんなおいしいのやりてぇ~」
と思っていた時期がわたしにもありました。

しかし、その話を聞いた後、そのナントカっていう胃薬、確か使用量に問題があったとか理由はあったけれど、使用した人が死んだっていうニュースを見ました。

何でこんな話を思い出したかと言うと、
飲食店、妻の実家等で、普段決して見ない民放の垂れ流しニュースが目に入っちゃうんですけれど、
例のお注射について、「受けたい!」って人がたくさんいることになっていて、その理由の多くに「無料だから!」ってのがあったんです。
ネットニュース見出しでも「無償で提供!」とかやたらとタダ!タダ!って強調しているように見えるので、

そのメッセージ自体が意図的である可能性があり、ホントに聞いて回った数十%なのかも怪しいので、その情報に反応しちゃうこと自体がナンセンスであることを百も承知で言いますが、、、

無料でもたっけぇよ!!


あ、えーと・・・表現が良くわからなくなってしまいました・・。
要は、医療用販売事績あり、一般販売実績なしの治験参加で報酬100万円以上だったワケで、それが医療用販売実績もクソもなく、完全に新薬なものの治験に参加したら、少なくとも数百万以上、さらにもっと貰ってもいいかも知れないものを
「報酬なし!」
って言われているのに
「無料だ!わーい」
って、お金を奪われているようなもんだと思ったんです。
まぁ実際税金を使用しているので、受ける受けないに関わらず支払っていることになっているワケですよね。

今出回っている新しいお注射が、みんなして治験終了日が未来になっている(治験中)のは、わざわざ貼らなくても良いですよね。

あーでも、新しいお注射の場合、普通の薬とは異なるから治験のやり方とか報酬の出し方基準が違うとかあるかも知れません。
ただ、わたしは体感でリスクを考えたら報酬ないとおかしくね?と思いました。
最近は物事の捉え方が変わってきて、身体を機械部品のように扱うのをやめ、労わるようになってきたのでもうどんだけ報酬があっても治験なんぞ参加しませんが。

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