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シンギュラリティは「恐怖」なのか

はじめに

AI(人工知能)はブームと冬の時代を繰り返していると言われており、現在は「第3次AIブーム」と呼ばれていることは有名です。

https://aismiley.co.jp/ai_news/detailed-explanation-of-the-history-of-ai-and-artificial-intelligence/ より引用

第3次AIブームの議論の中では「シンギュラリティ」という言葉が用いられることがあります。「2045年」「人間を超える」という数字と共に語られることも多いこのテーマですが、今回はこの議論について整理し、人間の知性を越えたAIを活用することについて考えていきます。


シンギュラリティの意味を(再)確認

本題に入る前に、まず「2045年」「人間を超える」などの意味をあいまいに記憶しているので、まずは再確認します。

2045年は「汎用人工知能(AGI)が人類史上初めて出現する年」または「汎用人工知能(AGI)が人類史上初めて人間よりも賢くなる年」であると言うのは、一般人の誤解だとも言われる。カーツワイルの予想では、そのような出来事は2029年頃に起こり、2045年頃には、広く普及可能な価格である1000ドルのコンピューターの演算能力がおよそ人間の脳の100億倍(ペタFLOPS)になり、この時期に技術的特異点によって人間の能力と社会が根底から覆って変容する。

https://ja.wikipedia.org/wiki/技術的特異点#時期の予測

なかには「2045年になって初めてAIが人間を超える」と紹介されることもありますが、実はカーツワイル自身は

2045年には、人間を超えるAIが「その辺にゴロゴロ」いるのが当たり前

と言っています。人間を超えるAI自体の誕生は2029年頃とも言っており、場合によっては「プレシンギュラリティ」と呼ばれたりもします。

https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/1904/15/news036.html より引用

人間がAIに習う

人間を超えるAIがゴロゴロいる世界は恐怖を感じるのではないかと思いますか? 実は、業界によってはすでにそのような状況になっています。その一つが将棋の世界です。人間はもはやAIには勝てない状況になっており、いわば

「シンギュラリティ」後の世界を示している

といってもよい業界だと考えています。

そもそも、カーツワイル自身もシンギュラリティにおいて、人間と技術が敵対するような世界観は示しておらず

カーツワイルによれば、人類の進化として最も理想的な形で技術的特異点を迎える場合、「GNR革命」の進行により、人類の知性は機械の知性と完全に融合し、人類がポスト・ヒューマンに進化する。 ただし平木敬の推測によれば、そもそも人間の脳の処理能力はゼタ(100万ペタ)FLOPS級である。(中略)カーツワイルによれば、技術的特異点では人間性の増強が起こり、同時に技術が人間的な精巧さと柔軟さに追いつき、大幅に抜き去るが、人類と技術が敵対するようなイメージは大間違いだという。さらに、人間はテクノロジー上に自分の意識を移す時が来るという。

https://ja.wikipedia.org/wiki/技術的特異点#時期の予測

と述べています。その意味では、AIを「良き教師」として捉えることができれば、さらに成長できる実例が出てくることが考えられます。

おわりに ~ デジタルリテラシーが必要

今回は、シンギュラリティについて改めて考え、AIをよき教師として活用することについて考えていきました。ただし、この議論には前提になることがあります。それは

そもそもAIを活用することを厭わない必要がある

ということです。

将棋AI(人工知能)は対局における戦術の深化や研究方法の革新を起こし、棋士にとってのトレーニングツールとして有用な役割を果たしている。
(中略)
ポジティブな面がある一方で、AIの普及により、棋士にはハードウエアやソフトウエアを扱うといった、これまで必要とされなかったリテラシーが要求されるようになった。
(中略)
棋士個人の作業量が増え続ければ、研究の分掌という新しい形式も視野に入れる必要が出てくる。藤井聡太竜王・名人は半導体大手のAMDと広告契約を結んでいるが、ハードウエア・ソフトウエアともに個人または企業とアライアンスを組む方向性は現況への対応策の1つといえる。将来は生成AIも棋士のエージェントとして、研究を強力にサポートするようになるかもしれない。

棋士の強力な「エージェント」に 将棋AIの光と影|日経BizGate 
https://bizgate.nikkei.com/article/DGXZQOLM240J2024042024000000

このように、AIを活用すれば、その領域でさらなる成長が期待できるものの、

これまでには求められなかった「デジタルリテラシー」が必要

になってきたという状況になってきたようです。本人にそのスキルがなければサポートチームの結成も必要になるかもしれません。

それでは、そもそも「デジタルリテラシー」とは何か?についてはまた次回以降で考察していこうと思います。

(つづく)

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