はじめに
AI(人工知能)はブームと冬の時代を繰り返していると言われており、現在は「第3次AIブーム」と呼ばれていることは有名です。
第3次AIブームの議論の中では「シンギュラリティ」という言葉が用いられることがあります。「2045年」「人間を超える」という数字と共に語られることも多いこのテーマですが、今回はこの議論について整理し、人間の知性を越えたAIを活用することについて考えていきます。
シンギュラリティの意味を(再)確認
本題に入る前に、まず「2045年」「人間を超える」などの意味をあいまいに記憶しているので、まずは再確認します。
なかには「2045年になって初めてAIが人間を超える」と紹介されることもありますが、実はカーツワイル自身は
2045年には、人間を超えるAIが「その辺にゴロゴロ」いるのが当たり前
と言っています。人間を超えるAI自体の誕生は2029年頃とも言っており、場合によっては「プレシンギュラリティ」と呼ばれたりもします。
人間がAIに習う
人間を超えるAIがゴロゴロいる世界は恐怖を感じるのではないかと思いますか? 実は、業界によってはすでにそのような状況になっています。その一つが将棋の世界です。人間はもはやAIには勝てない状況になっており、いわば
「シンギュラリティ」後の世界を示している
といってもよい業界だと考えています。
そもそも、カーツワイル自身もシンギュラリティにおいて、人間と技術が敵対するような世界観は示しておらず
と述べています。その意味では、AIを「良き教師」として捉えることができれば、さらに成長できる実例が出てくることが考えられます。
おわりに ~ デジタルリテラシーが必要
今回は、シンギュラリティについて改めて考え、AIをよき教師として活用することについて考えていきました。ただし、この議論には前提になることがあります。それは
そもそもAIを活用することを厭わない必要がある
ということです。
このように、AIを活用すれば、その領域でさらなる成長が期待できるものの、
これまでには求められなかった「デジタルリテラシー」が必要
になってきたという状況になってきたようです。本人にそのスキルがなければサポートチームの結成も必要になるかもしれません。
それでは、そもそも「デジタルリテラシー」とは何か?についてはまた次回以降で考察していこうと思います。
(つづく)