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Fintechって知っていますか?

FinTech(フィンテック)とは

FinTech(フィンテック)とは、金融(Finance)と技術(Technology)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけたさまざまな革新的な動きを指します。身近な例では、スマートフォンなどを使った送金もその一つです。米国では、FinTechという言葉は、2000年代前半から使われていました。その後、リーマンショックや金融危機を経て、インターネットやスマートフォン、AI(Artificial Intelligence、人工知能)、ビッグデータなどを活用したサービスを提供する新しい金融ベンチャーが次々と登場しました。例えば、資金の貸し手と借り手を直接つないだり、Eコマースと結びついた決済サービスを提供する企業があるほか、ベンチャー企業が決済などの金融サービスに参入する動きも増えています。

フィンテック(Fintech)の成り立ち

なぜ今になって「フィンテック」という言葉の用法が変容し、金融サービスにおける一大潮流になるに至ったのであろうか? その背景となる要因として「ICTの急速な進展」と「利用者の価値観の変容」の2点が挙げられます。

「ICTの急速な進展」の象徴的な例として、コンピュータの処理能力の飛躍的な向上について触れたい。2011年に世界一の性能となった理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」の例を取るまでもなくコンピュータの性能向上には目を見張るものがあります。京はその名通り1秒間に1京回の計算(浮動小数点演算)が可能な性能(10P FLOPS)を持っている。これは極端な例ではあるが、1999年に一般に販売されていたスーパーコンピュータの演算処理能力が10G FLOPS弱であったのに対し、現在発売されている最新のスマートフォンの演算処理能力は300G FLOPSを超えています。すなわち、この20年弱の間に、かつてのスーパーコンピュータの30倍以上の処理能力を持つスマートフォンが広く一般の利用者に行き渡っていることになります。これは金融サービスを提供するプレイヤーにとって劇的な変化であると言えます。

従来、金融サービスの提供には、幅広い支店やATMネットワーク、大規模な情報システムといった装備が必要でしたが、テクノロジーがこのような参入障壁を大きく低下させています。フィンテック企業はこのようなICTのパワーを最大限活用し、従来の金融サービスにはなかった利便性の高いサービスを効率的に提供することで、急速にそのサービスを拡大しています。

フィンテックが注目を集める背景には、前述のようなテクノロジー面での変化に加えて、金融機関にとってのこれからの顧客層である世代の「価値観の変容」が挙げられます。一般にミレニアル世代(Millennialは千年紀の意)と呼ばれるこれらの世代は、1980年~1999年に誕生(年齢に換算すると15歳~35歳に相当)し、米国では人口の3分の1にあたる約8,400万人を占めます。この世代は、若い世代であれば銀行口座の開設、上の世代は資産運用や住宅ローンを検討する年齢にあり、これからの金融サービスにとって中核となる顧客層であると言えます。この世代は、インターネットが普及した環境で育った最初の世代でもあり、一般的に情報リテラシーに優れる一方で、これまでの世代と価値観やライフスタイルに大きな隔絶があるとも言われています。

このようなミレニアル世代は、金融サービスに対しても、これまでの世代と異なるような考え方を持っているようです。MTVやパラマウント映画を傘下に持つ米国のメディア企業であるバイアコムが2013年に実施した調査によると、ミレニアル世代は伝統的な金融サービスよりデジタルサービスに対して親しみを感じています。この世代の71% が銀行の話を聞くくらいであれば歯医者に行く方が良いと感じており、73% が伝統的な金融機関よりもグーグル、アマゾン、アップル、フェイスブック、ペイパル(PayPal)、スクエア(Square)などといった新興企業が金融サービスを提供することを望んでいます。このようにミレニアル世代にとって金融サービスは退屈で、親しみがなく、自分たちには関係が薄いものだと認識されています。

この世代は金融サービスに対して利便性だけでなく透明性や自己決定の要求も高めており、「サービスの民主化(democratization)」や「ソーシャル・エコノミー」と表現される潮流を生み出しています。フィンテックもこのような潮流に沿うものであると考えられ、単なるブーム以上の動きとなっていると認識すべきです。

注目されているFinTechの領域とは?

これまで金融機関が行うことが当たり前だった領域において、FinTechが大きな注目を集めています。つまり、決済、送金などのサービスに関して、テクノロジーを活用したIT企業が参入して、FinTechを活用することで、新しい形へと進化させる可能性があるのです。FinTechを活用したサービスで身近なものでは、家計簿アプリがあります。家計簿アプリと連携した銀行口座やクレジットカード、電子マネーで決済すれば、収入や支出が自動的に記録されることになります。現金決済をした場合も、レシートを撮影すれば自動的に決済日、金額、品目を記録してくれます。家計簿をつける煩わしさが軽減されますし、お金の出入りを可視化できるので節約意識も高まるでしょう。また、資産運用もFinTechによるさまざまなサービスが登場しています。ロボアドバイザーからの質問をユーザーが答えるだけで適した投資配分を提案してくれたり、個人が関心のあるテーマを選ぶだけで投資できたりします。昨今では、複数の参加者が同じ帳簿を共有しての管理を可能とするブロックチェーンも登場し、仮想通貨といった、これまでとは一線を画すお金の形も登場するようになりました。


FinTechが個人の投資や融資の活性化につながる

金銭の授受や送金などの情報がデジタル化されることで、「まるで監視社会ではないか」という声も上がっています。FinTechによるお金のデジタル化に不安を覚えている人は少なくないと思います。しかし、デジタル化されることで恩恵が生まれるケースがあることは否定できません。例えば、自営業の人などは、既存の金融機関を利用する場合、低利の融資やローンが受けにくく、高レートの利息を受け入れなければならないという実情があります。お金の動きが自動的にデータ化されれば、その人の信用度の“見える化”につながります。職業や地位といった一次的な情報ではなく、集積した継続的な情報によって、職業の優劣に関係なく融資やローンが受けられるようになれば、新しいお金の運用や投資が生まれます。こういった審査を基準とする、新しい金融サービスを展開するFinTech関連の企業が世界ではすでに登場しており、今後も個人の投資や融資といった活動が活性化されるでしょう。

海外で広まっているFinTech

FinTechの動きは、急速に世界規模で広まりつつあります。イギリスでは、既存の大銀行に競争意識を与えるために、FinTechを政策に取り組んでいます。銀行新設のハードルを下げた結果、ここ数年間にチャレンジャーバンクと呼ばれるモバイル専業の銀行が次々と誕生しています。さらに、自動引き落とし先の口座変更が面倒であることを憂慮して、「カレント・アカウント・スイッチ」という制度を導入しています。これは、新銀行に口座を開くと、旧銀行から残高を移管するだけでなく、旧銀行口座で振込や自動引き落としが発生しても、自動的に新銀行口座へ手数料無料で転送できるというサービスです。インドでは、モディ政権が掲げる「デジタル・インディア」の旗の下、さまざまなサービスがテック化されています。2016年には、モディ首相が高額紙幣を廃止すると宣言し、マネーロンダリング、汚職、脱税、通貨偽造といったお金にまつわる問題を、FinTechによって一掃するとうたっています。FinTechには、社会を変える力があると唱えているのです。

銀行を利用しない人たちのために

ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)という言葉があります。これは、貧困層であれ富裕層であれ、誰もが金融サービスを利用でき、金融サービスの恩恵を受けられるようにするという意味です。日本にいると想像しづらいかもしれませんが、世界には「銀行を利用しない人」がいます。国が未熟ゆえに銀行の機能が不完全であったり、貧困や社会的地位、境遇を理由に口座を持つことができない人はたくさんいるのです。その一方で、銀行口座は持っていないものの携帯電話を所持している人は非常に多くいます。そういった人たちに金融サービスを提供するために、モバイルを通じて決済、送金、資産運用を行えるサービスを、国家やIT企業が率先して行っている背景もあります。

まとめ


FinTechによって新たなサービスが生まれます。FinTechとは、単に現金をなくそう、技術を導入しようといった動きではなく、既存の社会ではできない新しいお金のサービスを作り出すことです。日本にも今後本格的なFinTechの波が押し寄せてくるのは間違いないので、FinTechについて強い関心を持つべきでしょう。

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