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コミュ障でもうまく伝えられる「例える力」(5つのコツ編)


みなさん、こんばんは。bosyuの石倉です。
最近、立て続けに複数の人から「例えるのうまいですよね」「相手に合わせた例え話がよく出てきますよね」と言われることがありました。
自分では特に意識してなかったのですが、確かに会話の中でよく「例えば」というのは使いますし、話がわかりやすいと言ってもらうことも少なくはありません。

自分ではあまりコミュニケーションがうまくない、得意じゃないと感じていて、一般的にみるといわゆる「コミュ障」の部類に入ると思います。
子供時代からまったく周囲の空気を読んで合わせることもできませんし、察する力もない。咄嗟に気が利いたことも言えないし、目的のない会話が苦手なのでパーティーなど大人数が集まる場でもうまく話せません。
そんな私がコミュニケーションが重要とされる「営業」や「人事」の仕事をやってきたし、成果も残してきたと思います。
(一応営業成績で未達だったことはないし、MVPも10回くらいもらったりしているし得意といっていいのではないかなと)


そんなコミュ障の私が成果を残せた要因の一つが「例える力」なのではないか、と考えています。
今回はさわりだけですが、「例える力」をコツを書いていきたいと思います。


なぜ「例える」といいのか?



ずばり相手がイメージできるようにするためですね。
イメージができると、何かアクションをしたり決めたりができるようになりますし、議論が進んだりします。
この「イメージ」というのが厄介なのですが、相手の頭の中は見えません。

この見えない「イメージ」を擦り合わせる、つまりこちらが提供するものと相手が提供されると思っているものが同じものになっている状態、もしくはお互いの最終成果物が同じものになっている状態にするために「例える」力が必要なんだと思っています。

つまり相手のフィールドや相手の知っている範囲で具体的な例を持って示してあげること。これが良い「例え」です。


本題に入ります。
「例える」時のコツを以下の5つのポイントにまとめて書いていきます。

1、構造を把握する
2、同じ構造のものを見つける(できるだけ身近な分野で)
3、比較する(数字の場合)
4、全体像を伝えることを意識する
5、いい例えはパクる/真似する


1、構造を把握する


例えるために必要なのは例えたいことの「構造」を把握することです。
具体例をあげていきます。

私はフリーター時代にテレアポの仕事をしていたのですが、そのときの仕事は個人宅に電話してBフレッツ(光ファイバー)を加入してもらうことでした。
相手はほとんどインターネットに詳しくないけどなんとなく加入している年配の方。そういう方に上りが最高◯◯Mbpsなんです!と言ってもまったく理解できませんし、通じません。
便利になるんです!ストレスなく使えるようになります!と言われても、そんなにインターネットヘビーユーザーではないのでその必要性がありません。ただ残念ながらあまり成績の上がらないアポインターは商品のメリットをそのまま伝えてしまい、結果的に受注に繋がりません。
私は入社2ヶ月目〜1年間、全国2000名いるアポインターの中でずっとTOPの成績だったのですが、その時に使ったのが「例える」ことです。


上記のような方にどうやったらメリットを理解してもらえるか、どうやったらイメージできて意思決定してもらうかを考えた時にまずADSL→光ファイバーに変わるということはどういうことなのか。この「構造」を把握してみることにしました。


「ADSL→光ファイバーに変わる」というのを分解してみると以下の3つで構成されていることになります。

- 基本的にできることは変わらない
- 速くなりストレスがなくなる(楽になる)
- 少し値段が上がる

このくらいまで分解できれば十分です。そのあとは2、のステップに進みます。



2、同じ構造のものを見つける(できるだけ身近な分野で)


1、で要素が分解できた、つまり構造が把握できたら次です。
できるだけ相手が想像しやすい場面で同じ「構造」になっている事象を見つけます。

今回の場合は、この3つの要素で構成されていることを考えていきます。

- 基本的にできることは変わらない
- 速くなりストレスがなくなる(楽になる)
- 少し値段が上がる


この3つの要素がある、同じ構造になっていることを、今回の例であればターゲットになる年配の方、特に電話に出ることが多い女性の方でもわかるようなことの中から見つけないといけません。

みなさんならどんなことを例として持ってきますか?(少し考えてみてください。)


当時の私は
「ADSL→光ファイバーに変わること」を「いつものスーパーへの買い物」に例えて説明していました。具体的にはこんな感じです。

いつもスーパーに買い物行く時に自転車で行くと思ってください。
その自転車が電動自転車になったら便利だし、何より重い荷物持ってたり坂道あってもラクじゃないですか?
ADSL→光ファイバーに変わるというのはそれと同じだとイメージしてもらえれば。もちろん普通の自転車より電動自転車の方が値段は高いと思いますが、光ファイバーも同じように少しだけ値段は高いんですよね。
でも買い物もインターネットも毎日やることだから、ストレスなくラクにできた方がよくよね、と言って多くの方が切り替え始めているのが今なんです。自転車を電動付きに変えて、不便になったという人はいないと思うので....(続く)


スーパーにいくのも光ファイバーでインターネットをするのも実は「構造」は同じなんですよね。そのような構造を見つけられるとグッと相手がイメージしやすくなり意思決定したり行動することができるようになります。

補足ですが、
人が行動しない大きな障壁が「わからない」そして「めんどくさい」なんですよね。わからないものは怖いし、そしてわざわざめんどくさいことを怖いものに対してしようとは思わない。
だからこそ「わかる」=「イメージできる」になるだけで大きくその後の行動が変わってくるのだと思っています。



3、比較する(数字の場合)


何か数字が出てきてそれが負担に思えた場合、
例えば採用ブランディングに年間1200万円という提案をしたい場合は「比較する」という手段が有効です。

これは身近な数字と比較を持って具体例を示してあげることで「それならいけそう」「高くないかもしれない」と思ってもらうことができます。
また副次的な効果ですが、比較したことで判断基準ができ、決断がしやすくなります。

上記のような採用ブランディングに年間1200万円を提案する場合、私ならこうお伝えします。

年間1200万円と聞くとパッと効果に見合うのかどうかイメージできないですよね!?ただ、人材紹介経由で採用した場合、1人当たり150-200万円ほどかかりますよね。実は1200万円って人材紹介経由の採用6-8名分なんですよね。つまりこの取り組みによって人材紹介経由ではない採用が年間6-8名できればトータルコストとしては今と一緒です。
なので、この企画をやって人材紹介会社経由の採用を6-8名減らすことができそう、と思っていただけるのであればやる価値はあるかと思います。
書類選考の手間が減ったり、採用ブランドが残るという点でも価値はありますし...(続く)


こうお伝えして
「あ、確かに人材紹介会社経由の採用6-8名くらいなら減らせるかも!?」と思ってくれたらokです。
漠然と大きな数字をいわれると思考停止してしまったり拒否反応が出る場合がありますが、こういった具体的な数字に例えて比較することでグッと意思決定しやすくなります。

これはいろいろな場面でも頻繁に使えるコツなので、ぜひ使ってみてください。



4、全体像を伝えることを意識する


仕事において、こちらと相手の知識差がある場合などは「全体像を捉えた例え」を使うことでイメージをしてもらうことができます。

例えば、人事がまだいないスタートアップの社長に対して
採用業務を戦略〜オペレーション運用まで請け負うサービスを説明する際に「採用計画から逆算してKPI設計して、ダイレクトリクルーティングはこうやって、エージェントはこうやって、日程調整はこういう運用で...」などと話しても相手は人事/採用の専門ではないのでイメージできません。
もちろん詳しいサービスを理解してもらうことは最終的に必要なのですが、それは「イメージ」できたあとのこと。

知識差がある時にイメージしてもらうためには「全体を一言で表す例」が有効です。


今回のサービスの場合、私ならこう伝えます。

「明日から御社選任の人事のチームがアサインされて、要件伝えて待っていれば面接入れるところまで全部やります。基本はカレンダー空けて待っててもらえれば大丈夫!というサービスです。」


これをサービス説明の冒頭に入れるかどうかでガラッとイメージできるかどうかが変わります。(これを商談のスキルで動機付けと言いますがその話はまた別の機会に)


5、いい例えはパクる/真似する


上であげたような「例え」は自分で考えたものもありますが、誰かが言っている「例え」でこれは使えるな、と思ったものは積極的に使っています。
全部オリジナルではなくても構いません。

日頃から伝えたいことの構造を把握したり、AとBは同じ構造だよねと考えたり、全体像を一言でいう例えを考えたりを繰り返していくと、誰かが言っている「いい例え」も自然と耳に残ります。


多くの人が使う例として以下は聞いたことある人も多いのではないでしょうか。

・一回覚えたことは忘れないの例として、自転車に一回乗れたら乗れなくなる人がいないという例え。
・営業と恋愛は一緒、という例え。


冒頭でも伝えたとおり、「例える」ことで相手に「イメージしてもらう」ことができるようになります。
うまく伝わらない、なぜか商談ではいい感触なのに相手が動いてくれない、アウトプットが思ったものとずれている...そう思った時は相手が「イメージ」できていない、もしくは相手と自分の「イメージ」がすり合っていないことがほとんどです。

相手が「イメージ」できた瞬間というのはハッキリと反応でわかります。表情もそうですし、電話で話していても明らかに反応が変わるからです。
ぜひ何かを伝えたい、そう思った時はどう例えるか?を考えてみてください。


今日は以上です。


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