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「言語性IQ」と「動作性IQ」

昨日から、12年以上続けたブログをこちらのnoteに移行したので、反響の良かった記事や、今でも価値のありそうなものを中心に、時折少しずつ再録していく。

2012.9.5の記事。

「授業のユニバーサルデザイン研究会」という会の全国大会を参観してきた。
非常にためになる学びがあったので、シェアする。

特別支援教育のワークショップでの学びである。
講師は川上康則氏。
現役の特別支援学校の先生である。

特別支援を勉強している人には常識すぎる話かもしれないが、自分には知らないことがたくさんあった。
「IQ」には、「言語性IQ」と「動作性IQ」という種類に分けて測る方式があるらしい。
(「方式がある」というのは、○○式という感じで、何種類かあるため。
ややこしいのでここでは割愛。)

簡単に言うと、言語性IQは「理解・計算・記憶」といった部分。(言語を使った思考力や表現力)
動作性IQは「図形・記号」の処理といった部分。(感覚と運動)
どちらが低いかを見分けないと、不適切な対応に陥る羽目になる。

例えば動作性IQが低い子どもは、パズルが苦手、漢字が苦手ということが多いらしい。
そういう子どもは、ものの見え方が違うそうだ。
漢字が記号的に見えるだけなので、どうにも覚えられない。
また、見え方が違うので、書くことも苦手になるらしい。

一方、言語性IQが極端に低い子どもに「よく聞いて」と丁寧に説明しても、入らない。

これらの子どもに、誤った努力を強いると、二次障害を引き起こす。
努力や根性ではどうにもならないからである。
川上氏は「花粉症の人を杉林に連れて行って、気合いで克服しろ!というのと同じ。」と例えていた。

クラスの○○が苦手な子ども。
どう見ても、努力不足にしか思えない子ども。
実は、努力不足なのではなく、通常以上に困難なのかもしれない。

「努力は善」が基本だが、疑う必要もありそうである。

2023 追記
この用語は、成人知能検査WAISⅢで用いられている。
小学校等で使用されているWISC-4では、この言葉は用いられていない。
言語性IQ→言語理解
動作性IQ→知覚推理
のように置き換えられている。

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