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バカボン爺の独り言、漢方薬の一端から最新の研究へ。

11月26日
Yo君の猫ちゃんが怪しげな視線でこっちを見ています。
「爺さんにゃ、漢方とか難しいのだろう。分かるように説明してよ。」
う〜む、確かに奥が深い〜。
馴染みがない話題だけど、ちょっと専門的な話を我慢して聞くか?
漢方薬辞典には、約6千種類くらいの薬草について説明がある。
「ひえ〜、それ聞いただけで、もう聞く気持ちが萎えるにゃ〜。」
じゃが、普段使っている薬草は400種類くらいかな。
「爺さん、400種類も結構多いにゃ〜」
まあ、特殊でない限り200種類くらい知っていればなんとかなる。
「爺さん、そのくらいなら、何とか聞く気持ちが持つかも、」

漢方薬の素材は、身体のどの部分に効くかということが経験的に分かっている。
数千年にわたって使われて来たから、どういう症状に使うかが整理されている。
「猫でもその辺の話は聞いたことがあるにゃ。」
ただその薬の説明が、中国の陰陽五蔵六腑の理論で書かれている。
「陰陽とか言われると、もう意味不明じゃにゃ〜。」
例えば、汗をかかせる薬草に麻黄という薬草がある。
葛根湯の成分になっている。
その麻黄は、肺に帰経すると書かれている。
「私の飼い主も風邪を引いた時には葛根湯をよく使うにゃ。
でも、帰経って何にゃ?」
その薬草が、身体のどの部分に入って効果を表すかということじゃ。
「なるほど、薬草一つ一つに、身体のどの部分に効くかが大事なんじゃにゃ。」
そうなんじゃが、肺に効くと言っても、中医学では、肺だけじゃなく皮膚の意味も含んでいる。身体のあちこちの部分を全部言うのは面倒だから、肺に帰経するとだけ書いてある。

その考え方を現代の研究にあてはめる事ができる。
例えば、ビタミンCは風邪の予防になると素人は思う。
スタンフォードのライナス・ポーレン先生は、タンパク質をくっつける役割があると言った。
最新の研究では、たんぱく質を守る抗酸化作用だと分かってきた。
だから、ビタミンCは、タンパク質に帰経するという言い方ができる。

ビタミンEは、不妊症のネズミに与えると、子供を産めるようになった実験から、むかしは、勢力強壮剤だと勘違いされた時期がある。
最新の研究では、細胞の油膜を守る抗酸化剤だと分かってきた。
だから、昔の言い方をするなら、ビタミンEは、細胞の油膜に帰経すると言える。
「爺さん、専門的な言い方は、面倒じゃにゃ。」
いやいや、専門家にとっては結構大事なことなんじゃ。

例を挙げると、ミカンには、ビタミンCがある。
じゃ、ミカンとビタミンCは、同じか?。
みかんには、ビタミンCの働きもあれば、栄養の働きも、抗酸化作用もある。
ビタミンCは工業的に作れるから安価だ。
だけど、ミカンが持つ総合的な作用をビタミンCで置き換えることが出来ない。
女性向けの漢方に使われる当帰という成分がある。
これは、子宮の血管を広げ血流を良くして体を温め、しかも抗酸化作用がある。
血管を拡張するだけの化学薬品を合成すれば、副作用がる。
植物の当帰なら安全に使える。

産業界は、植物の成分の一部を取り出して、それに効果があると宣伝するが、
植物の方が、加工精製する方法を新しくすれば、効果はすごいのじゃよ。
「バカボン爺さん、植物をそのまま精製すると、効果抜群なのか?」
そうじゃ、効果抜群だ。
「爺さんの話を聞いていたら、疲れて来たから、疲労回復の薬をくれ。」

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