![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65172543/rectangle_large_type_2_d4d6c6f393bb9cac3e01321fdfb94128.jpg?width=800)
逃避の散歩 15.北沢川緑道(その1:将軍池公園から東急世田谷線山下駅)
◇
昼下がり、自分は京王線の上北沢駅から徒歩6分ほどのところにある将軍池公園の前にいる。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65164458/picture_pc_ea27e343990b7921d195a7650634618c.jpg?width=800)
かつて都立松沢病院の敷地だった場所に作られた公園だ。
公園内から覗ける将軍池は松沢病院の敷地内にある人工池で、大正10年か15年にかけて患者たちによって造られた……というようなことを、さっき公園内の説明板で読んだ。
なぜここにいるかというと、ここをスタート地点として、北沢川緑道を通って目黒川起点まで一気に踏破しようと思っているからだ。
そして、なぜここがスタート地点なのか。理由は後で。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65169855/picture_pc_4487be379310686453bde945442d870c.jpg?width=800)
前口上が長くなった。
そばの横断歩道を渡って向かいの歩道を南側に歩く。
出だしなので、脳内BGMも掛けよう。エリック・クラプトンの『アンプラグド』に収録されている最初の曲『Signe』にする。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65169069/picture_pc_80666caa8598c606140e608d5de1e1ec.jpg?width=800)
1分経過。最初の交差点で、横断歩道を渡らず左へ進む。
ちなみに、横断歩道をそのまま真っ直ぐ進むと、赤堤通りに合流する。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65586315/picture_pc_e20348c4e3201be54d8989c4b1025108.jpg?width=800)
このまま、歩道に沿って歩く。
途中、道が二股に分かれるが、左側の歩道が正解だ。
![画像14](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65638886/picture_pc_0128a785b28067ae3af992f49b7b32ba.jpg?width=800)
6分経過したところ。右に老人介護施設が見えるのを確認し、奥の車止めの先にある狭い路地を抜けて桜上水五丁目アパートの裏側に出る。
![画像26](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65838384/picture_pc_f9a28ff8ad6aa40a111ad6b67898c334.jpg?width=800)
草木が生い茂る道を黙々と進む。
この無造作な茂り具合は、なんとなく荒廃した地方を歩いているような、妙な感覚を与えてくれる。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65587389/picture_pc_4c44215f777b1e6c3e61d7479827c181.jpg?width=800)
11分経過。荒玉水道道路(正式名称は「東京都道428号高円寺砧浄水場線」)に出る。
この道は進行方向から見て左、北東側(甲州街道方面)への一方通行なので、右からくる自動車に気を付けながらそのまま渡り、向こう側の狭い道を抜けていく。
道の右側には畑が広がっている。地方からやって来た方に話すと驚かれるけど、世田谷区には減少してきたとはいえまだ農地がある。それに、これから通る北沢川緑道の起点の近くには1980年代ごろまで牧場があった。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65587612/picture_pc_158678d1e46cd1a16800a2f375b48bdf.jpg?width=800)
12分経過。日本大学文理学部の陸上部が練習するグラウンドの裏に出る。
ラーメンののぼりが見えるが、右側に中華料理店があるからだ。
また先の車止めが二本立っている道を抜けよう。
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65588577/picture_pc_463090dd7dca3b67641745a5f18f5edf.jpg?width=800)
14分経過。日本大学櫻丘高等学校と世田谷区立緑丘中学校の間に道が通っている。そこを進む。
この十字路を左に折れると、日本大学文理学部総合体育館までのおよそ400メートルくらいは桜並木になっている。一昔前までは花をつけた枝が頭上を埋め尽くすほど伸びていたけど、今は枝をかなり切り落とされてしまい、寂しくなってしまった。
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65589397/picture_pc_79475220acee978a535793e8920d9b6f.jpg?width=800)
16分経過。道を抜けると、ここで問題が発生する。
このまま真っ直ぐ行くと歩道がなく、しかも意外に車が多く通る2車線道路に出る。仕方ないので、歩道のある安全なルートで行く必要がある。
右に折れて、最初の角を左に入ると、横断歩道がある。
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65589589/picture_pc_183438eb4698ead2f5b5721616ae1433.jpg?width=800)
信号がないので左右の安全を確認してから渡って左折し、ガードレール沿いに歩く。このあたりで18分経過。
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65589666/picture_pc_9d74860bbc8a2cbb6df4644b337368f7.jpg?width=800)
道なりに進んでいるちなみに、ここから見て左側の広い道を10分ほど歩くと、東急世田谷線の松原駅に着く。
だが、向かうのは右側の方だ。そのまま進むと小さな鳥居とお社が見えるのので、その方向に。小さな広場に着いたところで21分経過。
![画像14](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65590717/picture_pc_e9fc5214cd7b667e3289a17a54a65c1d.jpg?width=800)
広場にはこの案内図があり、
よく見ると、自分がここまで通ってきたルートは緑色の点線が打たれているところが元になっているのがわかると思う。
![画像15](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65654875/picture_pc_456e112917360e376a0f0051a6d43fe1.jpg?width=800)
案内図の横には北沢川と佐内弁財天のついての説明がある。佐内弁財天とは、先ほど述べたこの広場のそばにある鳥居と小さな社だ。
説明によると、北沢川は現在の松沢病院の敷地にあたる場所にあった窪地などの湧き水や雨水周辺の雨水が集まった細流で、江戸時代初期に玉川上水から分水したとされている。将軍池公園をスタート地点にした理由は、川の起点となる場所にあるからだ。
道草を食った。先に進もう。
![画像16](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65661403/picture_pc_c9d729f9ce906ac8e770cdb737110420.jpg?width=800)
案内図から見て右側の歩道を歩けば、北沢川緑道の始点に着く。
![画像15](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65590926/picture_pc_dc29885509d559e0ec6a9b96cb420699.jpg?width=800)
25分経過。世田谷区のサイトによると、ここが北沢川緑道の最上流の始点だ。これといった目印がない。一応、橋跡であることを示す橋名板がついた柱が申し訳程度に置かれているだけだ。
橋名板によると江下山橋跡だ。
橋跡を示す柱はこの先にもあるが、蛇崩川緑道で少し懲りたので、今回は特にチェックポイントとして撮影はしない。
![画像17](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65661822/picture_pc_c20cf481a477a0b5e55a321c9348bdd5.jpg?width=800)
歩き始めて1分と経たないうちに、赤鶴橋跡で出鼻をくじかれた。
脳内で『鬼警部アイアンサイド』のテーマ曲の出だしが流れる。「『ウィークエンダー』のあの曲」と言ってピンとくる人はいい加減老いを認めた方がいい。作曲はクインシー・ジョーンズ。
仕方ないので、進行方向から見て右側の交差点の横断歩道を渡って向こう側の続きへ進む。ほぼ同距離の左側にもあるが、最悪3回の信号待ちをすることになるので、1回で済む右側が絶対的に最適解。ちなみに、前を通っている道はさっき説明した赤堤通りだ。
![画像18](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65662739/picture_pc_ae43540baab1aec8ae2108eca9d24378.jpg?width=800)
道の都合による強制的な遠回りで対岸を渡って28分経過。この右側にはこの先の途中までの案内図がある。
また脳内BGMを掛けて落ち着こう。
ガンズ・アンド・ローゼスの『ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル』にでもするか。木々が多いから拡大解釈で密林に来たようなイメージで。この曲はいろんな映画で使われているけど、個人的に一番印象が強いのは『ダーティーハリー5』だ。
![画像19](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65663776/picture_pc_634edc34415a6db75c5ea36486eb67bf.jpg?width=800)
29分経過、上新井橋跡を越え、世田谷区立赤堤小学校(左)と赤堤団地(右)の間を通過する。
![画像20](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65664360/picture_pc_2a362ffe64315914e4c5f1aab5ef1a64.jpg?width=800)
31分経過、赤堤小学校の南側にある新井橋跡を通過して先へ。まだ右側は赤堤団地だが、そのまま道なりに進むとやがて左に折れていく。
![画像21](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65664649/picture_pc_b8269dba85e942a5d02e1bc060829e43.jpg?width=800)
33分経過、西福寺通りの宮坂三丁目交差点のある大和橋跡に出る。ここから右へ3分ほどまっすぐ歩くと小田急線の経堂駅に着く。
ボタンを押して待っている時に、また『鬼警部アイアンサイド』のテーマ曲の出だしが脳内で響く。
緑道の柵に整備中の網が掛かっていて通行できないからだ。
![画像22](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65666865/picture_pc_6b92758474ab7177837e3a75628a0950.jpg?width=800)
こんな感じで緑道を歩けないもどかしさがしばらく続く。
こういうことに出合うのは仕方がない。むしろ、その時にしか見れない風景だと思いながら、道に沿って脇の歩道を歩こう。
![画像23](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65667104/picture_pc_bad3786a54fc55bce9e35c54e4fbb173.jpg?width=800)
38分経過、小田急線経堂駅から伸びている2車線道路の「ユリの木通り」と合流する辺りでやっと緑道を歩けるようになった。
![画像24](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65667646/picture_pc_9bbe3d8f828f5048fb0976af7994fd06.jpg?width=800)
大和橋跡からしばらくは、緑道のこの区間を「ユリの木公園」という。少し前、この通り沿いには自動車教習所の教習車がよく縦列停車していた。今ではこの近辺の自動車教習所は軒並み閉校したため、現在ではそんな風景を見ることはなくなったけど、その当時の印象が強く記憶に残っている。
この辺りで、曇りだった空から西日が差してきた。
![画像25](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65668781/picture_pc_d5fe3d0c085d9ef05118382db317853e.jpg?width=800)
43分経過、赤堤橋跡に着くと、目の前には東急世田谷線の山下駅がある。
ここが、今回のルートのだいたい中間点にあたる。
右前に見える階段をのぼって、踏切を渡る。
![画像26](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/65669231/picture_pc_da65309d289090ec51e69cfc2f8be77b.jpg?width=800)
渡ってすぐ左の角を曲がると、その奥に緑道の続きが見える。
◇