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声優はバンドマンに浸されている-【HISASHI(GLAY), ヨシダタクミ, 永谷喬夫(surface), 日暮和広の作曲遍歴】

キミは気づいているか。

アニソンやゲーソンを歌っている女性アーティストに
ヴィジュアル系のみならず
数多くのロックバンドからも楽曲提供を受けていることに。

アニメ好きでバンドマンを嫌悪している人も多いだろう。
女性を食い物にしている意地汚いバンドメン。
そんなイメージを持っていないだろうか。

だが、実際はそこに境界線などはなく
多大なリスペクトを以って我が息子同然の楽曲を自信持って預けてきた、
声優に対しても純粋に協力関係にあるのだと――

つまり我ら以上に二次元ライクだと
そろそろ気づいてもいい頃合いじゃないかな。


はじめに

アニソンを集める際に
作曲者クレジットを見る人はどのくらいおりますでしょう
私は歌詞カードを開いたらまず最初にそれらをチェックします。

そこで見つけた見覚えのある名前。
されど意外な組み合わせ。


先月こんな記事を上げたのですが

現時点で私史上最もビュー数の多い記事となっています。
ご試読、誠にありがとうございます。

もしかしたら
「アニソン歌手はヴィジュアル系におかされている
空目して釣りタイトルだと勘違いしてる可能性も否めませんが

「声優はバンドマンにひたされている」ですからね。

純粋に皆きっと、意外とV系出身者の作曲者を知らなかったんだろうなと
都合よく解釈して第2弾を撃ち込みたいと思います。


だいたい主要V系出身者は前回の記事で挙げてしまったので
今回はロックバンドにまで手を広げて紹介いたします。


もしよければ元のバンドにまで食指を動かしてくれることを祈りながら
今回も
その化学反応が味わえる方々を紹介いたします!



◎HISASHI(GLAY)

実はデビュー曲が【ヤマトタケル】タイアップであるGLAYは
さすがにこれだけのキャリアがあるのでアニソン自体も多いです。
そして全員が作曲できるので【ダイヤのA】ではTERU曲しばり
この【クロムクロ】はHISASHI曲しばり、と
個性の振り分けも見事です。

特にHISASHIはアニメ好きとも知られており
『もってけセーラーふく』のギターカバーも話題になりましたね。
そしてついに、念願の声優への楽曲提供に至ります。

モノクロームオーバードライブ / 遠藤ゆりか

HISASHIらしいデジロック。
GLAYの中では変わり種とされるこの音楽性も
ボーカルが女性声優となり
アニメのOPと合わさるとなんということでしょう。
上質なロックアニソンと相成りました。

歌詞も中二病溢れる言葉選びでほんとにHISASHIらしい。
遠藤ゆりかももともとこういう曲調に適した声質をしているので
ファーストインパクトとしては最高でしたね。


シューゲイザー / 藍井エイル

アニソンシンガーの中でももともとロック色の強い藍井エイル。
よってこちらも他の彼女の歌唱曲と違和感なく溶け込んでいます。

ちなみにタイトルが紛らわしくて、音楽性としての意味ではなく、
あくまで直訳した「靴元を見つめる人」という意味で
使ってると思われます。靴というか影を見つめてますが。
つまり、中二病ですねわかります。


比翼の鳥 / 三森すずこ

もうタイトルからして中二病。
HISASHIの代名詞と言っても過言ではないでしょう。

そしてやはりコテコテのデジタルサウンド。
彼の打ち込み好きが思う存分発揮されていますね。

他に日笠陽子緒方恵美にも提供。
提供アーティスト自体になんだか個性が見られますね。
ついでにアイドル:バンドじゃないもん にも提供したり
BiSや歌ってみた出身の96猫に演奏参加と、
ヲタク文化に自ら寄り添うスタイルはまさに私達の味方と言えるでしょう。


◎ヨシダタクミ(phatmans after school, saji)

pasでは一曲しかありませんが
sajiになってからはほぼ全てのシングルがアニソンタイアップ。

今でも不思議なんですが、
彼にアニソンを提供させようと言い出した人物は誰なんでしょう。
言うても大きな知名度があるわけでもないバンド。
しかしその不可思議とは裏腹に実に良質な提供楽曲となっています。

絶対的幸福論 / 水樹奈々

タイトルがヨシダ氏っぽいですね。笑
水樹奈々への提供曲は少なくないんですが
編曲の妙なのかあんまりバンドっぽくないんですよね。

そして全くの無関係ですが
水樹奈々さん結婚、ご懐妊おめでとうございます。
この曲を聴くとそれを思わずに入られません。


超常性ワールド / MICHI

MICHIの歌声って超かっこいいですよね。
バトルアニメにめっちゃ似合ってると思います。

そしてヨシダタクミの起用。
うん、かっこいい。
相変わらずクレジット見ないとヨシダタクミ曲ってわからないけど。
でも見てから聴けば未完成フューチャーに入ってそうと思わなくもない。
タイトルもそれっぽいし。


パラダイムボックス / 式島律(CV.沢城千春)×佐竹笙悟(CV.武内駿輔)

デュエット曲も作れるの!?
むっちゃ器用ですね。
これも作曲者クレジット見てびっくりした例です。
私はまだヨシダタクミの個性に気づけていないみたいですね……
お恥ずかしい。

アニメの【カリギュラ】も面白かったですし
OP映像と合わさってめっちゃかっこよかったです。

他にも小倉唯内田雄馬、【Re:ステージ】のStellaMaris
【SHOW BY ROCK!!】のMashumairesh!!
なんとKis-My-Ft2にまで提供しています。
なんて幅広いご活躍……


◎永谷喬夫(SURFACE)

surfaceをロックバンドと言っていいかわからないんですが
まぁとりあえずB'zがバンドならバンドでいいでしょ?

surfaceもレコード会社が変わってからは
アニメタイアップが多くなりましたよね。
とくに【ナルト疾風伝】は有名だと思います。

永谷さんもHISASHI同様、オケにギターと併せての打ち込み愛好家。
解散直後はドラマニやギタフリへ早速提供したりして
「らしいなぁ」なんて思ってました。


Hikari / 羽多野渉

羽多野渉の数少ないロック表題曲。
ハイトーン全盛の時代にこの低音ボイスは希少です。
こういう甘い声だと
需要的にはバラードを歌わせたくなるのはわかるんですけどね……

羽多野渉×佐藤拓也のラジオテーマソングには
作詞に相棒の椎名慶治が参加してるので実質surface。面白いです。


琥珀色キャンディ / 笹目ヤヤ(CV.奥野香耶)

【ハナヤマタ】自体に4曲も提供しています。
中でもこの曲がお気に入り。
アニメは見てないんですが
そもそもこのアニメのキャラソンすべて良曲揃い。
和風アップテンポ曲が好きだから仕方がないよね。


outlander rhapsody / Wake Up, Girls!

こちらはもう、なんというかsurfaceですね。
すごくわかりやすい。
職業作曲家としてキャリアを重ねたあとの作品なので
一周回った感じがします。

というかやたらと合唱曲も多いんですよね、永谷さん。
他にも【アイカツ】【あんはぴ】と、
加藤英美里福原香織のユニット"かと*ふく"と複数人で歌う曲が多数。
そして【黒執事】【ニャル子さん】キャラソン等と
実に手広く手掛けています。

肝心のsurfaceが微妙に売れてないのですが、
こっちで全然食っていけてそうですね。笑
surface再結成してるのみんな気づいてます?


●日暮和広(OZWORLD)

そもそもOZWORLDを知ってる人がどれだけいるのでしょうか……
お笑い芸人じゃないですよ。(そっちも好きですが)

私は大好きなヴィジュアル系なんですけどね。
一応『侵略』って曲が
【銀装騎攻オーディアン】ってアニメの主題歌だったりします。

バンド自体にマニピュレーターがいる珍しい編成なので
電子音をいち早く取り入れていたとも言えます。


Girls,Be Ambitious.  / 戸松遥

日暮氏が作るとやっぱりちょっと古臭くなります。
それがノスタルジーでいいんですよねぇ。
アイドルっぽい曲が多い戸松遥歌唱曲ですが
いい意味で昭和後期~平成初期を思わす曲調だと思いませんか?


dizzy / 浅川悠

どういう経緯があったのか。浅川悠のミニアルバム全曲を
彼がプロデュースしています。

ただまったくプロモーションがなされていなかったのか知名度皆無。
後に巡音ルカの中の人に抜擢され、
浅川悠歌唱曲がボカロカバーされてましたが
ここからの曲は一個も聴いたことがないです。苦笑

他にも【アイカツ】や【きんいろモザイク】に1曲ずつ
アニメ系中古ショップ「らしんばん」のイメージソングと
あとなぜか関ジャニ∞に一曲ずつ提供しています。


●the band apart

バンアパはバンド自体ではアニソンタイアップは皆無ですが
私の知る限り2名だけ声優への提供曲があります。


Be mine! / 坂本真綾

【世界征服~謀略のズヴィズダー~】主題歌で
なんだか妙に琴線に触れてくるな……と思ったらまさかのバンアパ。

え、どういうつながりなんだろう。
バンアパサウンドにストリングスが入るのも、
坂本真綾の歌詞が英語日本語混在するのも新鮮。まさに化学反応。
実に面白い楽曲となっています。


Rain Dance / 小野賢章

すごい、見事にボーカル以外ただのバンアパ。
ギターの音がもう完全に個性ですよね。
やはりこちらもどういう経緯で提供に至ったのか全くの不明。
どっかにインタビューあったりするのかな?


週末シンデレラ / 竹達彩奈

余談ですがこちらのベースにもバンアパの原さんが参加してます。
作曲者も別のバンドマンだったりします。
てか竹達にはサンボマスターも参加してたな。


●猫田ヒデヲ(QUADRANGLE)

一個前の記事でも紹介したQUADRANGLE。
ですがどちらかと言えば楽曲提供でのほうが先に世に出たイメージです。
この曲も【RErideD-刻越えのデリダ-】のテーマソングですが
これからもシングルはアニメタイアップありきなのかな?


träumerei / LiSA

発売当初この曲が好きすぎて、誰だこの作曲者は!?となりました。
ガルデモ歌唱者ということで集めてましたが、
この曲きっかけでLiSAの好きレベルがもう一段上がった感じです。
(次のシングルで「アニソン歌手でトップレベルに好き」になりましたが)


Psychic Haze / THE TEENAGE KISSERS

そもそも北出菜奈の『赤い花』という曲が
彼女の曲でトップレベルで好きなのですが
彼女がバンドを組んだ際のベーシストに参加していたとは。

この事実は
LiSAで"猫田ヒデヲ"を認識してQUADRANGLEを聴いたあとに知りました。

繋がるものですねぇ。


●和也(FANATIC♢CRISIS, THE MICRO HEAD 4N's)

FANATIC◇CRISISも一曲だけ『Maybe True』が
Let's ぬぷぬぷ】に採用されてましたね。

ギタリストである和也が何故か声優でも参加してるアニメに
提供したのがこちらです↓

close to you / It's

岩崎恵一×堀尾聡太×寺島拓篤のユニット。
てらしーしか知らない件……
なぜかファナのもうひとりのギターSHUNも声優・歌唱で参加してるので
この【パパと♥KISS IN THE DARK】キャラソンアルバムは
FANATICSにとって謎のプレミア感があります。


Season of Love / 霧夜エリカ(CV.中原麻衣)

【つよきす Cool×Sweet】にも4曲提供。
やっぱりどういう経緯か全くの謎。

このあとBOUNTY→LASTLIPを経てTHE MICRO HEAD 4N'sを結成するので
それがなければ今年のFANTASTIC♢CIRCUS再始動に
つながらなかったかと思うとゾッとします。


その他単発とか

御恵明希(シド) → LiSA【Fate/Apocrypha】

これも異色でしたねぇ。のちにシドでもセルフカバーしていて
そこでも全く不自然じゃないくらいシドっぽいですよね。
あと御恵明希は相川七瀬にも提供。
前回のtetsuyaと同じ感想になりましたね。笑


MAH(SiM) → LiSA

MAHって楽曲提供するんだ……
というか今売れてるバンドばかり集めて
LiSAコンピレーションでもしてくんないかな。
絶対かっこいいのできると思う。


内澤崇仁(androp) → 坂本真綾【M3~ソノ黑キ鋼~】

坂本真綾もロックバンドと相性いいですよね。
トリビュートにいくつか参加してるし。
柴咲コウへの提供曲もかなり好みです。


金廣真悟(グッドモーニングアメリカ)→ 和島あみ【迷家-マヨイガ-】

和島あみにのみ3曲提供。謎に贔屓してますね。
ちょうどバンドが活休した頃だったのかな?
和島あみ初期のシングルが好きすぎてヘビロテしてました。


小出祐介(Base Ball Bear)→ 花澤香菜

ベボベのゲストボーカルに参加しただけにとどまらず
ベストアルバム描き下ろし曲にも提供。
下北系を推してたのかOKAMOTO'Sとかカジヒデキも参加してるし
思えば北側勝利さんも一応バンドマン(Round Table)でしたね。


KENT, TOMOYA(SALTY DOG) → May'n【タブー・タトゥー】

メタルバンドSALTY DOGがまさかの楽曲提供。
コンペで勝ち取ったのかな。
TOMOYAさんには前職ではお世話になりました。むっちゃ優しい人です。


RYU(BLOOD STAIN CHILD) → 民安ともえ【おとたま】

BLOOD STAIN CHILDも息の長いメタルバンドですね。
そもそもこのキャラがRYU氏をモデルにしているという……
え、これエロゲなんですけど。笑


Afterword

もちろん田淵智也は既に特集したので割愛してるんですが
surfaceの永谷喬夫を入れちゃったら
JUDY AND MARYのTAKUYAとかHysteric Blueのたくやとかも
入れなきゃならなくなりそうですね。
きりがないのでこの辺で止めておきます。

どうです?
意外とバンドマンのアニソンゲーソンも多かったでしょう?

忌み嫌っていたはずの存在が、
実は自分の世界を支えている一人だったのです。

とりあえず、聴かず嫌いの頭でっかちな偏見は置いといて
素敵な音楽ライフを充実させていきましょう!

次回更新は2/22(木)です。

あ、この日twitterのスペースでしゃべる予定があるので
もしよろしければ参加してみてください。

ではよしなに。







最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!