グラスの記憶
これまでにも語っているけど、僕はバーで酒を飲み歩くのが趣味だ。
一時期は、友人から散財&アル中を本気で心配される程、頻繁にバーに通い詰めていた。行きつけと呼べる店だけでも両手の指では足りなかったし、知り合いの紹介だったり複数回通ったりで顔と名前を覚えてもらっていた店なら6,70軒は下らなかったから、年末の挨拶回りは、11月から始めないと、その全てを巡回することは不可能だった。特に週末は、同日に複数店舗を回る必要があり、分刻みで電車の乗り換えを調べて、逆算で店舗当たりの滞在時間を決めていた程だ。
(最近は諸々の事情により、あまり飲み歩けてないけど、とりあえずここでは無視して欲しい)
そんなハシゴしてて、飲んだ酒を忘れないの?と訊かれることが多々ある。
まぁ、ぶっちゃけて言うと、覚えてないことの方が多い。以前にもnote書いたけど、加齢のせいか記憶力がだいぶ低下している。
ただ、ここにも書いた通りで、写真を撮っておくだけで簡単に記憶を外部化できる。その写真を開くだけで、いつ、どの店で飲んだのか、何のカクテルだったのか、ということをすぐに思い出せる。時々には、見た目で判別できないカクテル(オリジナルレシピとか、照明の具合で色が違うとか)もあるので、名前や味の感想のメモがあると、なお可だ。
以前はよく、facebookやTwitterに飲み歩き記録を付けていたので、当時の記事を漁れば5年前だって10年前だって思い出せる。SNS万歳。
で。
これが自分にとって面白いポイントなんだけど、カクテルの事だけじゃなくて、その周辺の諸々も思い出せるということ。
例えば、一杯のカクテルしか写真に収めていなかったとしても、その一枚の写真だけで、その日、前後に飲んでいたカクテルの事も思い出せる。また、隣に座っていたのが誰だったか(一見の客であっても)、何を話していたか、そのバーに行く前後の時間にどこに居たか、何の服を着ていたか、なんて事まで思い出せてしまうのだ。
なんなら、写真じゃなくてメモだけでも良い。それでも記憶の外部化には充分足りる。
我ながら、本当に不思議だ。
グラスの中に記憶が封じ込められているみたい。
最近は全然飲み歩けてなくて、友人のnoteの方が僕よりも断然カクテルの話題が多くなってて、ちょっと悔しいなぁなんて思ったりもする。
そんな思いも込めて、次の創作を書いているところだ。
もしサポートしていただけたら、本を買おうと思います。心を豊かにして、良いアウトプットができるように。また貴方に読んでもらえるように。