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名入れタオルの話

昨日(6月1日土曜日)は、朝から日テレの報告書を読んで胸糞悪くなって一日体調がおかしかった。怒りに任せて書くこともできたが、いち消費者に過ぎない僕が何を言おうと空しいだけのような気がして何も書けずにいた。


一日経って多少落ち着いたので、今回は好きなものの話をする。

「名入れタオル」と言われてピンとくる人がどれぐらいいるだろうか。1985年生まれの僕が成人を迎える頃まではちょくちょく見かけたような気がするが、この十数年とんと見なくなった。

雑記帳のメモから

僕が描いたこの適当なメモで伝わるかわからないけど、まあこんな感じ。


名入れタオルとは

企業・商店が新年の挨拶で配るタオルで、そこから「お年賀タオル」とも呼ばれる。
袋に入ったタオルの上に熨斗がついていて「御年賀」もしくは「御多織」と書かれている。

ルーツ

江戸時代の歌舞伎役者がごひいきに配っていた手ぬぐいを職人や商人が真似するようになったことが直接のルーツといわれている。
風習として定着していき関東から関西へと広まった。
(※明治という説もある?)


特徴

  • ホテルというよりは温泉旅館にあるようなイメージの薄い生地。吸水性は抜群。

  • 新品の状態だと全然水分吸わない。

  • 今でいうと100均に三枚100円とかで売っているものに近い。

他にももっとあるかもしれないと思って特徴の欄を作ってはみたが、それほど特筆するようなことはなく、普通の薄いタオル。


思い出

僕が子供の頃はだいたいどこの家にもあって、友達の家で手を洗ったりトイレに行くと洗面所にあったり、布巾や雑巾として重宝されていた。今いちばんよく使うフェイスタオルとは少し違って用途が広く雑に扱われていたように記憶している。

様々な付き合いがあったからか母方の祖父母の家のタオルはほとんどこの名入れタオルだった。白だけでなく水色やオレンジなど様々な色のタオルがあって、普段の生活は勿論、祖母は磯遊びに行くときや畑に出るときに頭に被っていたし、祖父は夏場などいつも首に巻いていた。
昔の人たちなので用途を変えながらボロボロになるまで使っていて、今になって思うとそれはそれである意味豊かな生活だったのではないかと思う。
お歳暮やお中元で貰うようなちょっといいタオル(イブサンローランとか)は大抵箱に入ったまま物置の奥の方に仕舞い込まれて、時々遠い親戚が来たりすると出されていた。


おわりに

現代ではあまり見なくなった「名入れタオル」だが、なぜ今回記事にしたのかというと、以前温泉に行った際に現地で買ったその温泉の名前が書いてあるタオルが懐かしの名入れタオルとほぼ同じだったからだ。
ある種の郷愁のようなものを掻き立てられるとともに、薄くてよく水分を吸って軽いというこのタオルの特徴が、自分がタオルに求める要素にぴったりはまった。柔軟剤など使わずに洗剤だけで洗い、天日で干すと程よくごわごわして気持ちがいいのだ。

大きな括りでいうと昭和レトロに入るだろうから復活してくれると嬉しい。

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