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オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"=覚醒させるヒント㊲

キャラクターデザイナーを目指しているの?
イラストレーターを目指しているの?

今回のサブタイトル。実は10年くらい前に、EVOにも採用されている世界的ヒット格闘ゲームのゲームデザイナー 兼キャラクターデザイナー 兼ミュージックコンポーザーの弟分(3番目で、特定できたかな)が、学生のポートフォリオを見ながら素直に発した一言です。
その時の弟分の表情を、よく覚えています。困惑して、どう言葉を続けようか迷っていました。今回は、その時にゲーム開発者と学生との間での会話と間に入った“通訳”経験から、この話題を語って行きたいと思います。

サブタイトルにもした『キャラクターデザイナーを目指しているの?イラストレーターを目指しているの?』との問いかけ。これ、多くのゲーム会社のデザイナーが感じている事だろうと思います。僕の前職でも「取りあえず、考えたまま作ってみな」と最初に作らせたポートフォリオでは、そんな疑問を持つ作品が多かったです。
又、イラストレーター志望が強いけどキャラクターデザイナーを志望する学生の作品集でも、違和感を感じることが多かったです。なお、この違和感は“画力”“画風”に問題があるわけでなく、良く描かれているイラストに関しても思った“必要事項の欠如”によるものでした。

そもそも、立ち絵の3面図だけで『キャラクターデザインです。』と言ってくる困った例もありますが、ラノベの表紙レベルには世界観が解るイラストであっても違和感は有ります。
以下、違和感の正体=志望者(および、その指導者)の認識不足です。
★ゲームのキャラクターデザインにも関わらず
①該当するゲームの概要 ジャンル・世界観が説明されていない
②当該イラストのキャラクターの“キャラクター”(性格)設定の説明が希薄
③当該イラストのキャラクターが、ゲーム中で、どのような行動をするかの
 説明不足
④相手となるキャラクター、モンスターなどのグラフィカルな解説が希薄

だいたい、こんな傾向があります。
実は①~④に関しては、完璧なイラストレーションで有る必要性はなく、ラフスケッチの状態であっても僕は良いと思います。(ただし、相手となるキャラクター、モンスターなどは顔などの一部ではなく全体像が分かる方が良いと思います)
大切なのは、ゲームとしての全体を考えてデザインしたかどうかを判断できる材料です。判断材料があったからと言って気にいられるかどうかは別の話ですが、昨日のコラムにも書いたように“わかってもらうための努力”“考えた事実の証明”を見せる事が出来ますので、行う意味は大きいと思います。

逆に、実際にキャラクターデザインを行ったゲーム作品があるのならば(たとえ、他の人間が3Dモデル化、モーション付け)をしていたとしても、ゲーム画面を共に提出しなければ、キャラクターデザインから実装に至った成果が見えません。(ただし、ポートフォリオに他者の創作物を掲載する場合は、誤解を生まないように、自分が行っていない作業は、制作者名を明記し、かつ、自分の担当個所を明確にしてください。技術力の勘違いで採用された場合ほど悲惨な結果に繋がりやすいです。)

加えて、アクションゲーム、格闘ゲームののキャラクターデザイン、イラストの場合は、アクションイラストを数点乗せた方が良いと思います。
アクションイラストを描ける=人体のパーツの動かし方を理解している=キャラクターのアクションをゲームデザイナーと共に考えることが出来る。に繋がると思っています。
あくまでも一例ですが、(扉絵に使用させていただいた)バンダイナムコ『ソウルキャリバー』シリーズのキャラクター紹介イラストは、動き方や戦い方を想像させてくれる名イラストであると、シリーズ初期から思っています。参考にしていただければと思います。

最後に、大手ゲーム会社の世界的ヒット作のリードモデラーとして現在活躍している人物が、3DCGのモデラ―志望の就職活動時のポートフォリオ構成を参考に書きましょう
① 表1 アクションポーズを取った3DCGキャラモデル
② 表2 目次 メインCGキャラクターの手書き線画ラフ
③ 表2対向 P3 目次ページのラフと同じポーズの3DCG 背景なし
④ P4,P5 モデルデータ ワイヤフレーム テクスチャ 8方向からのショット掲載
⑤ P6 メインキャラが活躍する背景付きCG
⑥ P7 メインキャラが槍を突き出す 背景 エフェクト付きCG
⑦ P8、9 見開きで恐竜と対峙する 背景、エフェクト付きのCG
⑧ P10、11 恐竜CGの解説
これを繰り返し、最後に観察力を示すデッサン。

相当の実力の持ち主でしたが、実力があるのなら、この構成は無敵だと思います。逆に言えば、この構成で説得できる”観察力””画力””技術力”が、後に活躍するためには必要だと思います。

昨日、本日の記事、僕なりのポートフォリオの作成ポイントが、皆さんの参考になればと思います。良ければ、コメントやシェアお願いします。

さて、週末は好きなコンテンツを書く。ですね。前回までの反省を受けて2日間で1コンテンツです。が、2日でも触りだよな~
そのくらいに偉大な世界に通用するコンテンツですのでお楽しみに。

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