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オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"=覚醒させるヒント㉟

ゲーム開発会社が社員として求めるデザイナーは”画風”より”画力”重視

不定期と言いながら、連日になっていますが(笑)さすがに、昨日の状況説明だけでは指導者や学ぼうとする方の役に立たないので、”画風より画力”に関して少し補足を加えます。もう扉絵で、ネタバレも良いところですかね。

まず、仲良しの大手コンシューマーゲーム開発会社のCG部長の言葉を。
「”画風”は流行があるので、会社に貢献できるのは、せいぜい数年です。
 しかし”画力”があれば、会社に一生貢献できます。」

シンプルすぎるくらいシンプルな言葉です。
人気格闘ゲームのCGディレクター、作品ディレクターを経験したのちに、CGセクションのマネージャーとして活躍している彼の言葉が全てですね。

例えば、リアルタイプの3Dゲームにおいて、キャラクターモデルは攻撃・防御(および被ダメージ、復帰)などの行動を”連続する動き”で行わなければならないわけです。動きを付けるのはモーション(アニメーション)デザイナーの場合がほとんどでしょうが、モデラ―が”動かせるモデル”を作っていなければ、どうにもなりません
人体でも動物でもロボットでもモンスターでも、素材になった生物を観察してからの発想→制作で作らなければいけないわけだ。実写映像のディレクターだった経験から言うと、ゲームキャラクターは、世界最高レベルのアスリートやダンサーと同じ動きが出来る構造をしていないと、没入感が難しいし違和感が出てしまうと思います。(モデル体型で、凄い格闘家もいるが、それは凄腕のダンサーやバレリーナを参考にすれば理解できる。)

記載するまでもなく、観察力(および、その訓練であるデッサンやクロッキー)が重要なわけだが、それでも”好き勝手”に基本を無視して描こうとする人はいる。デッサンが若干狂っても”ストーリー”や”コマ割り”で見せていくマンガや、着色の雰囲気が良ければ高評価がもらえるイラストの世界で有れば、そのワガママはアーティストとして許されるかもしれない
しかし作画監督・動画検査がクオリティをチェックするアニメーション制作業界や、モデル・モーション・エフェクトなどとグラフィックデザイナーの仕事が多岐に渡るゲーム業界など集団の中では、一定の基礎画力に基づく作業=流行の”画風”(デザイン)に自分の”画風”を”画力”で合わせていく作業が重要だと思います。

そこで、扉絵です。
僕ら世代にとっても憧れの”いのまたむつみ”さん。(ここで出さなかったけど「幻夢戦記レダ」とか大好きですわ。ヨーコのデザインが、その後の日本のファンタジーに与えた影響は、大きいよなぁ)
彼女がキャラクターデザインした絵を、年代順に並べてみると、自分の個性を残しつつ、すさまじい画力で”画風”を時代に合わせて変化させている事が解ります。大きな変化だけ示した3枚ですが、これ、5年ごとに並べて、その頃に流行っていたイラストのテイストを見ると、彼女が”意識して、時代の流行に合わせていこう”としていることが見て取れます。

1984年。45年以上前には人気キャラクターデザイナーとして、アニメージュやOUTにバリバリ紹介されていた方が、画力の上昇と流行の画風に寄せて変化させている。
そんな”凄腕のいのまたむつみさんに対し、努力もせずに”自分の画風”が大事とか言って画力を磨かないのはどうなの?”と突きつけると、まずまず、賢い子は理解する。早めに、ピノキオの鼻を折れます。
それでも折れない子は、共同でのゲーム制作やアニメ制作は向かないかもしれないですね。
ただし、僕は『”画風”を磨けば何とかなる』と、虚偽のイメージを植え付けられた人に関しては、再度のチャンレンジをサポートはしたいと思います。
時間をかけて画力を伸ばすことは出来ますから、個性を伸ばす方向性から基本観察力・再現力のアップに動けばよいのだと思います。

いかがでしょうか?長年活躍する偉人を例に示すのは、効果絶大です。参考になれば嬉しいです。

次回は、私が現役のゲームプロデューサー時代に、応募ポートフォリオのどこを一番、気を付けてチェックしていたか?を書いていこうと思います。

良ければシェア、コメントのほど宜しくお願いします。

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