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少女たちよ、プリンセスでいたければ結婚するな


私は結婚を夢見る少女たちに
伝えたいことがある


少女たちよ、
プリンセスでいたければ結婚するな


個人差はあるだろうが
キラキラしたプリンセスに憧れる女の子は多いだろう

それは私も例外ではなかった

ディズニープリンセスには疎く
よくわからないが
非日常的な衣装を着ることが好きな私は
ウェディングドレスこそが最高最強の
非日常的衣装であると考えていた

20代前半の頃の私は
結婚式がしたいから結婚したい気持ちが
強かったように思う

一般的に一番キレイだと思われる時期に
ウェディングドレスが着たかったのだ

そしてみんなの注目を浴び「キレイだね」
って言われたかったのだ

私は当時
結婚するとどのような生活になるのか
ということを全く考えていなかった

ぼんやりと「ご飯作らなきゃいけないな」
くらいにしか思っていなかったのである

間違いなく、ただのおバカな
夢見る夢子ちゃんだった

そんな私は結婚式の日を迎えた

たいしてかわいくない私も25歳という年齢と
プロの方々の技術という名の魔法により
プリンセスになることができた

私の思惑通り、誰もが私に注目し、
キレイだと言ってくれた
社交辞令もあるだろうがそれでも良かった

しかしシンデレラの魔法が
12時の鐘の音と共に解けていくように
私がプリンセスでいられる時間は限られていた

過保護・過干渉な家で育った私は
家族というものはいつも自分のことを
愛してくれると信じて疑っていなかった

けれどもそうではなかった

私は
女性は幸せになるために結婚するのではない
相手の家の家政婦になるために結婚するんだ
と感じた

来る日も来る日も家事ばかり
やっていない家事があると責められる

みんな寝転がってテレビを観てるのに
私だけずっとバタバタと動いている

食事中子どもの授乳のため席を立ち
戻ったら鍋の具材はもうなかった

迫りくる無償の家政婦生活への代償として
先払い制でプリンセスになる権利を与えられたのか
と感じた


少女たちよ、
プリンセスでいたければ結婚するな


ずっとプリンセスではいられない
プリンセスの衣装を纏えるのはたった1日
プリンセスだと錯覚できるのはせいぜい数か月

それが終われば
魔法が解けて家に帰ったシンデレラ

きれいなドレス姿の舞踏会は幻想で
ガラスの靴を持った王子様の家来はやって来ない


少女たちよ、
プリンセスでいたければ結婚するな


でもこんなことを言ったところで
恋は盲目、馬耳東風
だから私は言いたい
「結婚するなら覚悟を持て」


家事は年中無休
どれだけ嫌いでも苦手でも
家事は常についてまわる

義母との共通点は大事な人が同じことのみ
義両親はしょせん他人
どれだけ好きで結婚しても夫のアラは見えてくる
夫は義母が大好き
いざという時ミカタしてもらえるかはわからない
子どもができれば向こう10年程度
まとまった自分の時間は皆無に近い
仕事より家庭を優先しなければならない
キャリア形成の希望は減る
優先すべきは自分ではなくなる
自分のために使えるお金は限られる

これらの覚悟を持てないうちは結婚しない方が良い
結婚してから苦労するだけだ


少女たちよ、
プリンセスでいたければ結婚するな


でももしも
これらの覚悟をもつことができたのなら
存分に一時のプリンセス気分を味わい尽くせ

めいっぱいキレイだと言ってもらうんだ
そして自分の物語の一番輝くプリンセスになるんだ


少女たちよ、
プリンセスになりたければ覚悟を持て




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