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ドラマ「アンメット」の2回のハイタッチの違いに感動した話

ドラマ自体は最終回を迎えましたが感動の渦に巻き込まれ
SNSでは依然ロス状態の方も多そうなドラマ「アンメット」
何を隠そう私もそのひとりなのですが
飛立未鳥公式サイトのブログで5月1日に書いた記事が大好評なので
noteにも残しておきたいと思います
元記事はこちら



フジテレビ系列で月曜22時から放送されていた
「アンメット ある脳外科医の日記」

ドラマの詳細の記載は省くが
私はこのドラマの第2話を見ていて
感動したのでまとめてみたいと思う

第2話ではサッカー強豪校でエースとして
活躍する男子高校生が試合中に倒れ
大脳右半球に損傷を負い
左半側空間無視の症状が出現する話だった

半側空間無視の説明

左半側空間無視とは、損傷側と反対側の空間に
注意が向きづらくなる症状をいいます
見えていないというわけではなく
本当は見えているけれどもそちらに注意が
向けられず認識できないといった状態です

感動した理由

私は言語聴覚士として働いており
これまで左半側空間無視の症状を呈する
患者さんには何人もお会いしてきた
臨床的に決して珍しい症状ではない
程度の違いこそあれ
よくお見かけする症状だ

というわけでわりとなじみの症状であり
ドラマを興味深く拝見していた

ドラマの中で主人公の杉咲花さんと
その男子高校生がハイタッチをするシーンが
2回出てきた

1回目は物語前半
まだバリバリに左半側空間無視の症状が
出ているとき

2回目は物語終盤
左半側空間無視が随分改善されてきてから

この2回のハイタッチが異なったことに
演出の細かさ、こだわりを感じ
感動したというわけだ

1回目のハイタッチ

まず1回目の左半側空間無視の症状が
強かったときは下のようなかんじで
手と手が合致しておらず右側へずれてしまっていた

本来のハイタッチ

本来、左半側空間無視の症状がなければ
相手の手の中心を的確に判断し
自分の手と相手の手の中心が合うように
ハイタッチすることができる

1回目のハイタッチ解説

しかし左半側空間無視があると
その影響により左側に注意が向きにくい

下の絵のように相手の手の左側が認識できないため
相手の手の中心を本来の中心の位置よりも
右側だと認識してしまう

そしてそこを目指してハイタッチしたため
右側へずれてしまったというわけだ

2回目のハイタッチ

一方、2回目のハイタッチは
随分と左半側空間無視が改善されてきてから
であったためちゃんとハイタッチが
できていたのだ

このように左半側空間無視の改善を
ハイタッチの違いでも表現されていることに
演出の細かさやこだわりを感じたというわけだ


いやぁ
本当に素晴らしいドラマでした

第1話では失語症も取り上げられており
言語聴覚士としてはなんとも嬉しくありがたい気持ちに
なったものです
ありがとうございました

#アンメット
#言語聴覚士


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