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ヨーロッパ旅行(ドイツ編⑩)

ヨーロッパ旅行7日目。

昨日のうちにベルリンからドレスデンに移動した私は今日、ザクセンスイスにハイキングをしに行くのだ。

ザクセンスイスとはドイツの南東部に位置する奇岩地帯である。

バスタイ橋から見える壮大な景色が有名な観光地だ。

私は朝からホテルのビッフェをたらふく食べて体力をつけて、鉄道とバスを駆使してザクセンスイスへ向かった。

道中、鉄道の切符を無くしてしまい、駅員さんに詰められるというアクシデントに見舞われるも、無事にザクセンスイスに到着。

たくさんの木々が聳え立っていて、広大な大自然が広がっていた。

少し歩くと、ホテル、レストラン、お土産屋さんなど観光客用の施設があった。

観光客用の施設を通り過ぎると、ごつごつとした岩が目の前に現れた。

道の両端を覆っているゴツゴツした岩

両端の岩の間に階段があり、階段を進んでいくとバスタイ橋が見えてきた。

橋から見える景色は絶景としか言いようがない、美しい大自然が広がっていた。

ザクセンスイスの絶景

日本語で書かれていた掲示板の解説によると、1億年前は海面下にあったらしい。

長い期間をかけて砂や砂利が堆積して、地層を作ることで、600mもの砂岩岩盤が出来上がったようだ。

この絶景を見た私は、あまりの凄さにしばらくの間言葉を失った。

断崖絶壁の岩山と広大な森を前にして、私は自然には敵わないなと率直に思った。

自然は、入学、卒業、就職、転職、退職、練習、残業みたいな、そんな時間軸で生きていないんだよな。

そんなもん、人間が勝手に作り出した制約に過ぎないんだな。

そう思うと、急に自分がちっぽけに感じてきた。
(とても手垢がついた表現ですみません)

バスタイ橋には午前10時にも関わらず、多くの観光客で賑わっていた。

観光客の多くは老後を迎えているであろう方々で、余生を謳歌している雰囲気が漂っている。

それにしても登山用のステッキや一眼レフカメラを所有している本格的な方が多いなぁ。

私も現役を退いても、登山や旅行を楽しめるような元気な老後を送りたいものだ。

バスタイ橋を渡り切るとハイキングコースになっていて、私は30分ほど下り坂を歩いた。

観光客が私の進行方向から登ってこないタイミングを見計らって、私は目を閉じて耳を澄ました。

そうすると小鳥の囀りや風で揺れる木々の音がより鮮明に聞こえてくる。

人間の手の加わっていない大自然の音だ。

自然を感じると、心が安らぐと言われているのは本当なんだなと体感した。

旅行期間中、人混みだらけの人気都市で生活していて疲弊していた私は大自然に触れることでとても穏やかな気持ちになった。

ハイキングコースを下り終えると、ちょっとした街に出た。

こんな辺鄙な所なのにも関わらず、周辺の家がとてもかわいらしい。

美しい家々
美しい家々

ちょっと休憩をしようと思い、私はこの街のカフェに立ち寄った。

最初に出迎えてくれた定員さんは英語が話せず、ドイツ語が話せない私にとても困惑しており、とても申し訳ない気持ちになった。

その様子を見かねたもう一人の定員さんが近づいてきて、私を席まで案内してくれた。

メニューがドイツ語しかなかったこともあり、その定員さんに何から何までサポートをしてもらい、ケーキとカプチーノを注文した。

ケーキとカプチーノ

とても丁寧な接客をしてくださったことで、尚更ザクセンスイスが好きになったような気がする。

1時間ほど休憩をした私はこの街に別れを告げて、バスタイ橋まで戻り帰路に着いた。

大自然に囲まれ、心が清らかになったそんな1日だった。

いつかこんな大自然に囲まれた中で生活をしてみたいなぁと漠然と思った。

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