ヨーロッパ旅行(移動編②)
空港での乗り継ぎ時間を過ごして切った私はいよいよフランクフルト空港へ向かう飛行機に乗った。
席を探している最中に、私が致命的なミスをしていることが発覚した。
「あれ、窓側の席予約してるじゃん!!!」
私は頻尿だ。故にトイレに何度も行く。
だから、トイレに行きやすい通路側の席を取ることを鉄則にして生きてきたのだが、
よりによって13時間以上あるフライトを窓際の席で過ごさないといけないなんて。
神様何かの試練ですか??
いや、完全なる私の凡ミスです。
そして、私の凡ミスが招いた試練にさらなる試練が積み重なることになった。
私の隣の2席にアメリカ人の185センチ以上のカップルが座ったのだ。
またしても、巨人!!
つくづくこの旅行は大きい人に縁があるなぁなんて、感心している場合じゃない。
私はトイレに行くためには確実に声をかけないといけなくなったのだ。しかも、英語で!!!
気弱な私は日本人が相手でも、「なかなかトイレに行きたいです」とは言えず、我慢して、我慢して、限界になってやっと意を決して声をかけることが頻繁にあるのだ。
ましては、アメリカ人で、しかもお互い愛し合っているカップルを相手にトイレに行きたいですなんて言えるだろうか。
2人の楽しい旅行を台無しにしてしまうのではないか、私は強烈な不安に駆られてきた。
13時間のフライトで一度もトイレに行かないで過ごせるのだろうか?
不安になっても仕方ないと思い、
「とりあえず寝まくろう、機内食がででもビールは絶対に頼まない」などと誓いを立てた私は、あっさり爆睡した。
そして、爆睡していること7時間。
ついに尿意が発生した。
横を見たが、アメリカ人ビックカップルは爆睡しているではないか。
1番難しい状況だ!
寝ているカップルを起こさないとトイレに行くことができない。
もし寝起きのカップルたちの機嫌が悪かったら、機内でいきなり喧嘩を始めて、フランクフルトに着いた頃には「私たち別れましょう!!」なんてことにはならないだろうか??
私は不安で不安で、結局「私が我慢し切ればいいのだ」という無駄でしかない自己犠牲精神を発揮した。
トイレに行けない間の私は20分起きくらいで、寝て起きてを繰り返していた。
尿意を催して2時間が経過したあたりから限界が近づいて、2人が起きていたら声をかけようと思い始めていた。
しかし、片方が起きていても、もう片方が寝ているという状態が続き、なかなか揃って起きてくれない。
私はどんどん落ち着きがなくなってきて、周囲をキョロキョロ見渡したりしていた。
そんな挙動不審なわたしを見かねた、アメリカ人彼氏が彼女を起こし、私にトイレに行くように促してくれたのだ。
ここに救世主現る。
なんて優しい人なんだろう。ビッグカップルなんて呼んでごめんね。
彼の英断により、私は機内で漏らさずに済んだことは言うまでもない。
彼には感謝しかない。
はぁ、一件落着と思って浮かれていたら、機内食の時間になった。
私はトイレ問題という大きなストレスを解決したので、無性にお酒が飲みたくなってしまい、ビールを注文した。
そして、いい感じに酔った私はお代わりのビールも頼んでしまった。
やっぱりシンガポールのTiger beer は最高だなぁと私は悦に浸った。
ビールを飲んで気分が良くなった私は「そういや、機内で映画見てなかったな」と思い「キングダム2」を鑑賞した。
「羌瘣可愛い」
「前作ほどインパクトないなぁ」
「王騎将軍全く見せ場ないやん」
「羌瘣可愛い」
「羌瘣可愛い」
なんていう感想を抱きながら、映画を見終わったのだが、私は体に異変を感じていた。
「トイレに行きたい!!!」
やってしまった。ビールを2杯も飲んだからだ。
二度目はさすがにアメリカ人カップルに申し訳ないと思い、我慢することを決意した。
残りの2時間のフライトはトイレ我慢地獄となった。
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