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忘れない切り取り日常

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2018年10月の記事一覧

スカートの裾と紅葉狩り

スカートの裾と紅葉狩り

外にいるのに、外のにおいがして、その中に少したばこのにおいも混じっていた。
知らない人の背中をぼんやり眺めながら帰る夜、小雨の雨は止まないまま、日付が変わる。

先日、植物園に行ってきた。
夏の終わりにきた台風の影響で、入れるエリアが限られていたのが残念だったけれど、今度行くときはぜんぶ見られたらいいな。

カナダにいる友達から手紙が届いた。もう出会って7年になるけれど、これからもその年数が増え続

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目一杯のグラスの水もいつか気化するように

目一杯のグラスの水もいつか気化するように

へぇ、と見逃していた景色も、ふぅん、と聞き流していた言葉もある日突然自分の人生に介入してくるのが不思議だ。昨日まで興味なかったのに、今日になって好きになる、そんな意味のわからないことが起こる人生で良かった。
昨日まで興味なかった君のことが、今日はなんだか気になるなんて素晴らしい世界だ。

毎日同じことを繰り返す尊さについて考える。
9時24分、平日はこの時間の電車に乗る。どれほど眠くても、お腹が痛

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横断歩道の島に取り残されて

横断歩道の島に取り残されて

ミナミの街を歩く。
昨日はそんな一日だった。
知らない道、知らない曲がり角、知らない酒屋、急に現れる知っている道。
私の好きな作家さんのお話によく出て来る場所は、私が過ごした大阪と割と違って、ミナミに詳しい案内人に少し嫉妬した。

人はきっと、家族にも恋人にも友だちにもすくえない孤独を抱えているし、声は届かないまま自分の中で少し反芻されて、今日がまた始まる。

月曜日が祝日の日曜日の夜は、どこまで

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レモンは切られてびんのなか

レモンは切られてびんのなか

天満にある美味しいケーキ屋さんに行こう。
そこには、チョコレートのテリーヌと、季節によって(この前は抹茶だった)ちがうテリーヌ、それはそれはかわいいマカロン、そのほかにも色々置いてある。もちろんケーキもある、そして美味しい。近くには、私の好きなDULTONのお店があって、いつも私はもうこれ以上食器棚に食器が入らないことを思い出しては、かわいいカップやグラスを諦め続けている。

この前みんなで、野外

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BUMP OF CHICKENを聞きながら帰る、うたたね

BUMP OF CHICKENを聞きながら帰る、うたたね

深夜営業始めました。
その貼り紙を出したお店はいつもお客さんがひとりもいない。
高くないマンションの屋上で誰かが手を振っているのを見かける。

週が明けても、なにもかも馬鹿みたいだ と思っていたらもうなにもかもやめてしまいたいな、と思っていたけれど、やっぱりなにもかも馬鹿みたいで、その中で誰かに優しくしてもらって、やっぱり変わらない日々をとぼとぼ生きる。
頑張れ働く大人たち、頑張れ私〜

本、生活。

本、生活。

電車の中で読んでいた本の続きが気になって、家に着いて着替えもそこそこに続きを読み始めてしまう時がまさにさっき。

あしたは、台風で全てを休みにする予定なので少々の夜更かしも許せる。もう、少々とは言い難い時間だけど。

本の続きが気になって、12時前からの数時間、私がしていたのは文字を目で追うことと、息をすることの二つで、びっくりするくらい読書が進んだ。

家の本棚には、まだ読んでいない本が30冊く

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