昔すきだった男の子なんてそのくらい
「ああそういえば昔行ったあのお店のハンバーグ美味しかったな、そんなかんじ。」
と言って放ったのは私の幼馴染みの親友。M。
それを聞いた時の私は、うだつのあがらない、すぐ脳裏に浮かんで傍迷惑な失恋を引きずってる最中だった。
そして私はマッチングアプリで出会った新たな恋人候補とデートに行く直前だった。
好きとか言って、やることやって感情を揺さぶるくせに付き合ってくれない男(気づいていたけどクズ)と、
楽しくておもしろくて夢もあって、明るい気持ちにさせてくれる新参者、そんなのどっち選んだら私がシアワセかなんて簡単な事なのに
もうとにかく、これでもかってほどうじうじグズグズしていたのだ。
そんな時に発せられたMの言葉は私のカラを撃ち抜いた。
「なにその思想、天才?」
「そうかな?ほらデート楽しんでおいで」
あの時Mにそう言われなければ私はグズグズになった失恋の傷を曝け出したままその男の子とデートするはめになっていた。
とにかく、あの時は救われた。ありがとね。
結局アプリの彼と付き合って、今では同棲して、テレワークなので毎日長い時間一緒にいるのがほんとーに涙が出るほどシアワセ。
時折、あのドロ沼と化した彼から連絡が来るけど徐々にどうでもよくなってきた。
ハンバーグはもちろん好きだけど今は全くジャンルの違う、粉もんでお腹いっぱいかな。
ハンバーグの味思い出すのはまた今度。
この写真は紛れもなく失恋の傷
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?