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今日見た映画(2020/06/28)

・ホドロフスキーのDUNE 監督:フランク・パヴィッチ(2013年)

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フランク・ハーバートによるSF小説『デューン/砂の惑星』をアレハンドロ・ホドロフスキーが映画化しようとしたきっかけ、まるでドリームチームのような製作陣、撮影直前での計画中止、監督が代わりデヴィッド・リンチによって映画化されるまでを追う。人の道を外している映画監督など名前をあげればきりがないにもかかわらず、作品の評判が悪すぎて撮らせてもらえないホドロフスキー。映画界の最優先事項はカネだと身につまされる。(彼の初期作品に対する評判には激しく同意。わけわかんない。)それにしてもアートデザインを担当したのがH・R・ギーガーだったとは。彼は1975年に『DUNE』で起用され、1979年公開リドリー・スコット監督作『エイリアン』でクリーチャーデザインを担当する。実はエイリアン誕生に関するドキュメンタリー作品が昨年アメリカで公開されているのでH・R・ギーガーの名前だけは知っていた。この映画の最後では製作されなかったホドロフスキー版『DUNE』が後世にどれだけ大きなインパクトを与えたのか、影響を受けた作品を実際の映像を交えて列挙している。偉大なアイディアの上に映画史は成り立っているのだと改めて実感した。

・核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝 監督:マルク・プティジャン(2006年)

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被爆者治療と核廃絶運動に携わった肥田舜太郎医師の活動は称賛に値する。まさに自己犠牲の人生。ABCCが組織として被爆者の治療ではなく調査を目的としていたのも間違いないだろう。ただ内部被曝の問題、日本のがん罹患率に関する主張、途中で登場した海外の学者の主張、そのすべてに数字や論理的な説明がなかった。もちろんそこまで言い出したらきりがないのだろうけど。しかしアメリカと日本がそれぞれの不都合な真実ゆえに原爆の被害を小さく見せたいのは間違いない。このセオリーがコロナウイルスの流行にも当てはまっているとすれば、経済活動を優先して街に出ることが如何に危険なことか。肥田医師が健在なら警告を発していたに違いない。

・ヴィニルと烏 監督:横田光亮(2018年)

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いじめが題材ということだけを頭に入れて観賞。久しぶりに怒りに震えた。もちろん映画の内容は素晴らしいのだが、いじめ描写がとにかくリアル。いかにも学生が考えそうな手法の連続。頭に血が上った。教師の無能っぷりも生々しい。30分の短編映画ということもあり、撮影場所は片手で数えられるぐらいではないだろうか。それでもここまで生々しい物語を描けるのは監督の手腕だろう。そしてエンドロールでまさかの井口理の名前を発見。まさかあいつの役を演じていたとは。

・ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ 監督:ジョン・リー・ハンコック(2016年)

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レイ・クロックを演じているのがマイケル・キートンと気づくのに時間がかかった。工場の流れ作業を飲食に持ち込んだ世界最大のハンバーガーチェーン。それを作ったのはレイ・クロックではなくマクドナルド兄弟。堅実と誠実さを絵に書いたような二人と野心家のレイ・クロック。最初は低姿勢だがフランチャイズ契約を結んでからの変化は一瞬だった。投資家からカネをかき集め、妻に内緒で自宅を抵当に入れ、ひたすら拡大。これに行き詰まったところにデキるやつが登場。マクドナルド社が不動産業へと大きくシフトするきっかけとなる。調子に乗ってフランチャイズ一号店を創業店と名乗り、最終的には本物の創業者マクドナルド兄弟を放逐する。私生活では長年連れ添った妻を捨て、加盟店のオーナーの妻を奪う。とにかく人から何かを奪うことで存在を大きくし、最終的には国境なきハンバーガー帝国を樹立するわけだ。彼がここまで成功した秘訣は何か。それは「執着」だと語られる。欲しい物を手に入れるまで、欲しい結果を手に入れるまで「執着」すること。そのしつこさが成功するための秘訣なのだ。履き違えていけないのは「執着」と「固執」は違うということ。手段に「固執」すれば失敗する。あくまでも欲しい結果のために「執着」するのだ。人をコケにするやり方は好ましくないが、下手なビジネス書より大切なことを教えている。実はこの映画、東京都知事選に出馬している例の実業家が激賞していことはファンの間で有名。レイ・クロックと彼の姿が重なって見えてくるのは私だけだろうか。

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