#15 俺のメールボックスには田中みな実が住んでいるんだぜ(230527)

どうも。スキンケアに疎い母のために色んなメーカーの美容液のトライアルキットを片っ端から買って贈ったところ、僕のメールボックスの美意識がやたらと高くなりました。ひつじ利きのひだりです。

僕は母以上にスキンケアについて無知なので、価格からして高級で良質な代物なのは分かるが母の肌に合うかどうかは分からない商品を一つ(か二つか三つか四つ)、無知な頭を悩ませた末にドゥンッと買うよりは、ほぼ思考停止状態で色々なメーカーのものを片っ端からポチポチする方が楽だったし安全だったんですよね。
いやそりゃトライアルキットじゃない普通の商品をトライアルキット感覚で贈ってあげられるのであればそれが一番良かったですよ。すまんね息子の経済力が貧弱で。いやすまんね母よ。

色んなメーカーのトライアルキットを購入することで、母には生牡蠣食べ比べみたいなことをしてもらいたかったんですよね。

牡蠣には一度強烈な一撃を見舞われて病院送りにされたことがあるのですが、それでも懲りずにまだ好きですね。今でも好きです。
今でも好きですって僕が言うとなんだか気持ち悪いですね。元カノのカキ子ちゃんのことを忘れられずにいる男ここに見参ですわ。
カキ子ちゃんによるパリィからの内臓攻撃のために肉体から大量の水分が失われ大ダメージを受けた話はまた別の機会にしたいと思います。個人的には東北以北産の牡蠣が好みです。

母としてはそれっぽい美容液ならなんでも良さそうな感じだったので、「それなりに値段の張るものを選んで贈ってしまった方が良かったのではないですか」との指摘が僕の脳内をちらほらと飛び交い始めてもいるんですよね。
どのような成分がどのくらい含有されていようが、それなりの価格とネームバリューさえあれば母の肌にはしっくりきてしまうのかもしれません。もし本当にそうだとしたらちょっと嫌ですけどね。

「病は気から」を根性論に近い感覚で振りかざしてくる人の精神性に何となく似ているような気がするからですかね。
高けりゃそれは良いものだとか、皆使っているならそれは良いものに違いない、という態度は考えることを放棄しているような気がしてどうしても好きになれないんですよね。

たとえばお店で店員さんに「こちら一番人気の商品となっておりまして大変おすすめです」って言われると、「…おいお前。その他大勢が買ってるからって理由で俺がこれ買うと思ったら大間違いだからな? ナマ言ってんじゃねぇぞこら!」って言い返したくなるんですよ。ひねくれくそ坊主でしかない。

無知や無考慮は時に最強なのかもしれませんが、僕のメールボックスはそれを許容できないほどにまで美意識を向上させてしまっているので、母にはぜひ知識に基づいた美の追求を実践してもらいたいと思います。ジャスティス。

まあいずれにしても母に喜んでもらえたのでトライアルキット大作戦は成功と言って良いと思います。メールボックスの美意識を高くした甲斐があるってもんですよ。

ひと通りの購入手続きを終えた後で気が付いたのですが、中には利用規約において第三者への譲渡を禁じているキャンペーンもあるようですので、来年の母の日や次のお母様へのお誕生日プレゼントにこの手法を採用しようとされている方はどうかお気を付けください。

僕はトライアルキット購入に際しまして、思いっ切り自分の名前と情報とで手続きを進めてしまったので、いずれかのメーカーさんには菓子折りを持参した上で頭を下げにお伺いしなければならなくなるかもしれません。磔刑でも何でも甘んじて受け入れない覚悟で赦しを請わねばなりません。ごめんなさい許してください。

利用規約にノールックで同意してしまった僕にも落ち度はありますが、利用規約を読ませにきていない各企業様にも多少の落ち度を認めてもらいたいものです。そうです開き直りです。
利用規約の内容をアニメーションで分かりやすく解説した動画(あるいはそのリンク)を契約締結時の画面等に表示させるようにした企業があったらそこに転職したいと思います。

いや実のところどっちの名前で手続きしようか迷ったんですよねえ。
母親の体で買うのもちょっと違うような気がするし、正直に30代男性で買うのも相手からしたら「え?」ってなるじゃないですか。「年齢も性別もターゲット層に少しもかすってないんですけど?」ってなるじゃないですか。
いやでもそのあたりは意外とエイジレスでジェンダーレスだったりするんですかね?
結局何の問題もなく購入できてしまったので、今はそういうのにはもういちいち取り合ったりしないで機械的に処理してしまっているのかもしれませんよね。機械的じゃなくて機械そのものが処理している可能性すらありますね。

それで購入する際に入力するメールアドレスも僕のもので登録をしたので、各メーカーさんから美意識高い系のメルマガや「その後いかがですか~?」みたいなメールが届くようになってしまったわけです。自ら美の押し売りをされにいくスタイルです。

ところでトライアルキットを考案した方はどなたなのでしょうか。やっぱりジョブズですか? そうですか。どおりで天才的だと思いましたよ。
生牡蠣食べ比べメニューなんかもきっとトライアルキットから着想を得て生まれたんだと思うんですよね。クリエイティブが過ぎるぜまったく。ありがとうトライアルキット。ありがとうジョブズ。ありがとうオイスター。



Tsukasa Saitoh 『Cleric Beast』

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