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川崎スタイルが引き出した町田守備の徹底 2024J1第7節 vs川崎フロンターレ【FC町田ゼルビア】

テレビでよくかかる「おー、フロンターレー」のチャントとうちのチャントが混ざって聞こえる状況に、あれ?なんかのバグ?と感じてしまう。
ゼルビーとフロンタ・ワルンタ・カブレラの絡みを見て、ここはJ1だと正気に戻る。

ワルンタ。。。

カブの赤ちゃんは普段来ないの?

気持ち良く晴れた最高の青空の下、タダでは終わらない白熱した試合が見れて満足度高いアウェイ観戦でした。
あと、やはり、うんこ守り守備貫徹の時間があるとゼルビア見てるわーという実感が深く湧く、生きてるって感じする。

試合全体については郡司さんゼルビアタイムズ筆頭にもうたくさん報道記事も多く出ているのでそれらにお任せして

最終ラインにスイーパー置いてるんか?みたく自陣深くから選手が出てきてクリアどーんみたいな場面がたくさんあって、楽しかった。

帰り道車運転しながらなんでだろう?なんでだろう?ってウキウキ気になっちゃっていたので、そこだけちょっと細かく見てみました。


【宿題】川崎サイド守備ピン留めラインブレイク攻撃への対応

サイド〜中央2.5レーン幅ほどをサイドアタッカーのランニングで町田の守備者ピン留めして生まれたギャップを使ってポケット攻略〜最終ライン突破する攻撃。
鳥栖戦・広島戦と宿題になっていた局面に近いシーンは当然ちょくちょく出ていたが、町田は中3日の川崎戦で現状での一定の答えを出してきた。

視線の確保:ボールとスペース、人の動きを認知しての適切な守備ポジショニング確保

今日び、さすがにスイーパーベタ置きはしていなかった。でもちょいちょい深さ取ってた。

ボールホルダー至近の守備者が対面の相手への制限をかけつつ、ボールサイド前方のスペースを消す・管理するプレスバックとCBの動きは改善しており、明らかに広島戦の反省をふまえたものだった。

柴戸とドレシェビッチが、ボールの動きから目を切らぬままSB・CB間を塞ぎに戻るアクションが印象的だった。

CBは状況見て最終ラインを崩してでも深みを取り、ボールとスペース、エリソンの動きにも目を配り、川崎のアタックに備えていた。


この後ろに下がる動きがスイーパーっぽいなと感じた理由だった。
局面の対処法を無駄に難しく考えがてしまいがちなところ、割り切ってシンプル、クラシカルな手段に立ち戻るの黒田さんっぽいなーと守備の人だなーって思えて面白かった。

以下は細かく見た守備局面のメモです。試合時間で分けてます。

12:52

フロンターレ左サイド侵入に対し、柴戸を中心にコンパクトなディフェンス網
ドレシェビッチはボールの前方奥塞ぎクサビが来た時に備え
チャンミンギュ ゴールエリア中央をケアしながら川崎がラインブレイクするであろうスペースを監視

最終ラインは基本横一線ながら、チャンミンギュが気持ち後ろに残る形。

20:30

川崎・山内 左サイドでバウンドして高く上がったボールを上手い反転から鈴木準弥をかわしドリブル前進したシーン。

柴戸がカバーしドレシェビッチが回収で済んだが、その後ろでチャンミンギュがエリソンと等距離を維持しながら下がり、位置的には1人奥に控えボールの侵入に備えている。

28:50頃

川崎、中央のダイレクトパスでセンターライン突破。中央でボールを受ける家長に、エリソンのマークを捨てドレシェビッチが食いつくも体制崩しながら左サイドに展開。
町田は最終ライン右から鈴木・チャンミンギュ・林3枚が下がりながらの守備で対応局面スタート。

左サイド ラインギリギリでボールを残した川崎・佐々木。
佐々木の前進に近い鈴木が佐々木サイドのゴール方向を塞ぎ、距離を詰めつつ前進を遅らせる。
中央でミンギュはエリソンの動きとボール周辺を視野に入れながら一定の距離を保ちながら後ろに下がる

右の鈴木と中央ミンギュ間の空いたスペースに、柴戸とドレシェビッチがボールの動きから目を切らさぬまま素早く駆け戻る。

28:57までには帰陣したサイド平河・中央仙頭を含めボール周辺に4、中央でエリソンをドレシェビッチ・ミンギュで囲み、守備構えを構築。

エリソンのファーに逃げる動きは背中側にいたミンギュがケア。
最終的にサイドで家長の浮き玉パスは裏抜ける山内の進路を鈴木が塞いで谷が回収したが、その横ではドレシェビッチも対応可能な状態を維持していた。

※家長と他選手の息が合わないシーンはこのところの試合でちょくちょく出ていて、でもタメを作る機能性は家長やっぱ高くてというジレンマがあり、というのは現状の川崎の難しいところに感じる。

川崎のパスサッカーが引き出した守備の徹底

大島さんが2ページ目で言及している通り、今節も特別なことをしているわけではなく、結局は「ゴール方向を徹底して塞ぐ」に尽きている。
マーク相手と空いたスペース双方を認識してどちらに出ても動けるよう守備対応する、数的不利での帰陣対応もボールと人から目を離さないとか。

特にエリソンへの対応はチャンミンギュ・ドレシェビッチが互いにかぶることなく局面状況を見たの役割分担で、うまくやりきれていた。

川崎の現在のスカッドからすればエリソンがCBを引き付ける役割を担うのは事前から明白なので、エリソンの動きに釣られてボールサイドに余白を生まないため、2CB当てるのはすごく妥当。

エリソンの存在とパスで打開する川崎のスタイルがあるからこそ、町田も「川崎なら絶対こうやってくる」の確信を持つことはできただろうし、川崎のアタッキングスタイルに徹底した守備対応を引き出してもらえた部分はある気がする。

想像越える動きで相手を剥がせるマルシーニョ、中盤フィルター力爆上げさせる橘田がいたらだいぶ勝負の流れは違っていたかも。

以後はほぼお気持ちです。

谷DOGSO退場〜福井J1スクランブルデビュー

谷退場につながる場面。後半GKチョンソンリョンからのロングフィードを、瀬川が胸トラップ、後ろ向きのボール保持と見せかけて町田守備を食いつかせておきながら逆をつく前方落とし。対応する林に身体を寄せられながらもそのままアウトサイド気味のスルーパス一閃。

小林悠に通し、谷がゴールエリアを飛び出て1体1の対応するも倒してDOGSO。ここでPK与えず得点与えずで済ませたのが勝利に繋がったファインプレーでもある。

福井J1デビューおめ。

最初のFKのシーンと、瀬古のミドルシュートはヒヤッとしたけれど、ハイボールに勇気を持って前に出る、シュートストップ後の間合いの取り方、高く飛距離を出すハイボール、福井一流の熱く引き締める声かけ。

久しぶりに見る福井のプレイリズムが高原、秋元などのプレイに学び、まっすーの真摯さ、ポープの強い信念も目一杯吸収した、これぞ町田なGKなスタイルですごく良かった。谷の隙のない万能な能力値、モダンなGKスタイルとは別物な部分で安心感があるんだよね。福井は学習能力も高いので谷からも何かを獲得するんだろうな。

トレーニング映像を見ても福井の動きがキレていたことはわかっていたから、能力的な不安はなかったけれど、10人体制のスクランブルでよく守りきってくれた。

退場者出た場合の対応もトレーニング済みは胸熱。

町田の守備特性上御しづらいトラップでの一発外し

なお、瀬川がやった1タッチのトラップの置きどころで守備者食いつかせたところスカして前進、というアタックは、町田が今後も度々やられるやつ。
止める蹴るの部分の個人戦術としては定石な外し方ですよね。

こうした局面、むやみに衝突ファウルになりやすい~審判の心象破壊にもつながるので、町田としては強度は担保しつつも、個人でチームでファウルなく突破されない・突破されたら後がケアするを徹底しておきたいやつ。

簡単な対策なんてない、日々の鍛錬通じた積み上げとコンディション維持でしか実現できないやつですね。トレーニングしていく過程で、逆に町田も攻撃に活かせるようになると更に良い。外すの大事。

まとめ

チャカチャカvs縦ポン、もといテクニックvs強度の戦いに勝ち抜けたのは町田にとって自分たちのやり方に対する自信になります。
ただ、この構図そのものは2023年のJ1で神戸が既に示したものでもあり……というところからの国立決戦です。

大迫ほんとに怪我?アジジ作戦じゃないの?なんて不穏さもはらみつつ、神戸戦プレビューの準備に入ろうと思います。

今週も楽しんでいきましょう。共闘!

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