【プレビュー】vs川崎フロンターレ 徹底に立ち返る。近くて遠い理想的おとなりクラブとの初邂逅【FC町田ゼルビア2024年第7節 挑戦J1】
こんにちわこんばんわ、ひだりです。特定健診大事。
小田急線ユーザーなら新百合ヶ丘は日常ですし、車なら買い出しに遊びに使う準生活圏。そこの角逆に行けば三輪緑山もすぐそこ。長年のスポンサー玉川学園は町田・横浜・川崎3市にまたがって存在します。
そんなおとなり同士なのに、かたや大正義、かたや荒くてゲスい金満ヒールなのだから世の中って難しいものです。勲章!
自虐芸さておき、広島戦の敗北の後、全国区の人気と実力を誇る近年のJリーグを代表するチーム相手に、新参者が何を見せれるか。
上位戦線を張り、上昇気流を取り戻すためにも、原点に帰り再度ファイティングポーズを取ることが重要となる一戦です。
川崎フロンターレ戦、プレビューです。どうぞよろしくお願いします。
川崎フロンターレの現状
開幕湘南戦は2-1勝利したもののその後3月序盤を3戦3敗、フォーメーション変更したFC東京との多摩川クラシコで快勝を収めるも横浜Fマリノスとの神奈川ダービーではスコアレスに終わるなど、近年のJリーグを牽引してきた川崎にしてはピリッとしない状況が続いている。
第5節FC東京戦から433→4231にフォーメーション変更
開幕から433で可変を織り交ぜた中央攻撃を指向する戦い方をしてきたが、3月の3連敗を受けFC東京との多摩川クラシコにて攻撃4231/守備442に変更。
自陣守備はオーソドックスな442のミドルプレスでボール奪取を狙う。
敵陣攻撃は両ウィングをフックに、フロンターレらしい人とボールの動く、止める蹴る能力を活かしたゴールエリア侵入を図る。シンプルにCFエリソンを使うロングフィードやクロスも織り交ぜる。
足下・パス技術の高さ
相手プレスをギリギリまで誘き寄せてショートパスで局面を打開できる。
敵陣でのボール保持しながらの前進はさすがのクオリティ。家長でタメを作って内に外に前に人が動いて小刻みなパスで相手守備網の突破を図る。
縦クサビを奪う意識の強さ
相手の縦クサビをインターセプトし、勢いそのまま前進する意識が強い。奪うとドリブルとパスでスピードを上げ、一気にチャンスとなる。
433の時は、構えてインターセプト狙うも中盤封鎖やりきれず、相手のロングボールやスピードボールで中盤を飛び越えた攻撃を受けることが多かった。
442/4231になってからは裏を取られた際のダブルボランチ+CBと後ろのフォローが厚くなり長いボールへの対応は安定した印象。
左サイドのドリブルアタック、右サイドの家長
かつて三笘が担ったフロンターレのドリブルで勝負する左サイドアタック。
現在は、マルシーニョ・遠野あたりがその責を負う。ただし、マルシーニョは前節マリノス戦で危険なプレーでレッドカード退場となったため、町田戦は出場停止となった。ヌルヌル縦に内に行けるドリブラーだったのでマルシーニョの不在は町田にとってありがたい。
遠野はスピードに長けた縦突破を基本としたタイプ。元甲府の左SB三浦もウィングやボランチの位置を見てしばしば積極的な攻め上がりを見せる。
右の攻撃は異常にボールが収まり失わない家長を起点に他選手とのパス連携で攻撃を展開する。
左右で異なるリズム感の攻撃で、選手の創造性も活かしながらゴール前ニア・中央・ファーの各ゾーンどこからでもフィニッシュに持ち込める打開力は日本トップクラス。
エリソンの強さ・速さ
今季Jでも特に強さ・速さで抜けていて、ものが違うと評判のエリソン。
第5節まではJ1 3試合出場で3点、ACL 2試合で2点と1試合1点ペースだった。第6節マリノス戦でもオフサイドになったものもアーリークロスに合わせゴールネットを揺らす一点モノのプレイを見せた。
前線の起点としての仕事、得点力はもちろん、前線からパスコースを塞ぐ一定の守備的アクション、サイドに流れたボールもしっかり追い献身的。
エリソンに蹴る選択があることが手前でのビルドアップ攻撃のアクセントにもなり、存在自体でとても貢献度が高い選手。
クロス数の増加
433から4231へのフォーメーション変更に伴い攻撃スタイルが変化、特にクロス攻撃が増加している。
以下はFootball LABのデータから川崎のチャンスビルディングポイントのうちクロスの項目のポイントを第1節〜6節まで並べたもの。
4231-442の主要な前進方法がサイドなので当たり前ではあるのですが、ともあれ狙いとしてクロス攻撃が増えた。
もともと川崎のペナ角取ってパス連携でのポケット打開する流れで、早いニアやファー詰め狙いのクロス性のパスはちょくちょくあったと思いますが、それにプラスして、シンプルにサイドからのクロスも選べるようになった。エリソンがいるのがデカい。
つなぐセットプレーとクイックリスタート
CKで蹴らずにショートコーナーにつなぐ形や、クイックリスタートを行うことも多い。
セットプレーを直接入れるよりもパスプレーでの地上戦に持ち込んだ方がチーム特性として優位が取れる。またショートコーナーを警戒させておいてノーマルなセットプレーを狙うフックにできる。
スローインもタイミング外して入れたり、セットプレーの間合いで相手のリズムを崩すことは地味にかなり意識して行っている模様。
セットプレー守備:ゴールエリア幅を4-6枚で埋めるゾーン守備
ほぼ横並びの守備ラインで対応で、空中での肉弾戦要素は少なめ。
跳ね返した後のこぼれ球には対面前方にいる選手が一気に距離をつめてくる。状況によって1人のことも2、3人のこともあり、ガチガチな約束事というよりしっかり寄せる部分を強調して指示はされてそう。
3月の中断期間でこの辺の対応はかなり密に息合わせてきた印象。通常4-6枚だが対町田ではかなりアラート状態で枚数も多く対応してきそう。
守備の課題が重く、いったんオーソドックスな守り方に戻した上で、攻撃では持ち前のボール保持能力を活かす方向で現在いろいろ試行錯誤中の印象。
復調傾向にはあるものの、前節マリノス戦もスコアレス、カードトラブル多めで試合を終えた。中盤での奪取も増えており守備での封鎖力が改善している点は間違いなく、本来の力を発揮するにはこれからというところ。
と鬼木監督のコメントもあり町田戦での出方はなかなか読みきれない。
町田としては、広島相手の力負けの後、自分たちのスタイルに正しく立ち戻ることが最重要な一戦となる。
ゼルビアの対応
4バック回帰
広島戦終盤にも機能した、町田の基本のやり方に戻す。
ロングボールで前進してのセカンドボール争い、前線からプレスをかけ中盤までで奪い切る、奪ったらカウンターで速い攻め。
フロンターレ側が形を噛み合わせに来ている形でもあるので、しっかり自分たちが一番慣れたやり方で十分な強度を出していきたい。
コンパクトを保った守備の再確認
鳥栖、広島に食らった、サイドとCBをピン留めして3人目のラストパスでポケット攻略する形は明示的にケアしていかなければならない。
守備で選手が互いにコンパクトな距離感を保つこと、ゴールとボールの間を塞ぐ正しい身体の向きと角度でプレスすること、勇気を持ってしっかりラインを上げること。
札幌戦あたりから危うい雰囲気の場面は目についた。町田の守備の原理原則に立ち戻り、敗戦の後である今節、改善した姿を見たい。
瀬古と家長のケア
パスコースを塞ぎ、フロンターレの優位を高めるパス循環を停滞させたい。
ここ2戦のパスソナーを見る限り、4231布陣で起点となるのは左ボランチの瀬古と右MFの家長。(画像転載NGのため以下リンク)
瀬古は最終ラインにも前線にも、攻守様々な場面に顔を出し、+1の存在としてカバー・パスの起点・シュートも打てる選手。チーム全体としてどれだけ守備密度高くし自由を与えないことが重要になる。
左サイド家長が前線で果たす役割は明白なので、そもそもなるべくボールを入れさせないのが理想。林だろうが、個人的にはおっくんで行く形も見てみたい気もする。ないだろなぁ、、。
瀬川・橘田・脇坂もいるし、瀬古だけ塞げばどうということはないものの、隙のない守備の徹底でパス展開させず、敵陣でのセカンドボール球際勝負を増やして一気に攻めたい。
SB三浦の裏
割と上がってくる左SB三浦の裏は狙い目。平河、鈴木サイドなので、上がった状態で奪えると奥を突く攻撃に持ち込みやすそう。
CK
速いボールを守備ラインとGKの間に入れる。現在の川崎のセットプレー守備はフィジカル的に強固な守り方ではないので、ピンポイントなボールを送ることができれば分は悪くない。(マリノスのCKはほぼすべてこの狙いだった)
流れたボールのファー詰めや、セットプレーやロングスロー跳ね返しからの2次攻撃もデザインした形がけっこう効きそう。
去年、今年とトレーニングマッチは行っていて双方勝利しているため、監督やスタッフ陣としてもフロンターレ側の基本的な戦い方の性質は掴めているのkなと思う。
とはいえトレーニングマッチと公式戦はまったく別物。
相手を正しく掴まえられなければJリーグ最強のパススキルで、ズッタズタに切り刻まれるだけなので、先手を取る守備で主導権を握り、広島戦後半に見せた縦への意識をハッキリ見せて戦いたい。
3421ミラーマッチで広島が優位だったように、町田の金看板442勝負で、負けるわけにはいかない。
まとめ
当日はスタジアム満員御礼ということで、首位との対戦ということもあり相当に盛り上がりそうです。相手、川崎ですよ?なんだろう物凄い違和感……。
強い気持ちで、連戦、やり抜きましょう。
今週も楽しんでいきましょう。共闘!
いつも勉強させていただいています。
せこさんプレビューもどうぞ。
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