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【プレビュー】FC町田ゼルビア 2023年第21節 栃木SC戦

こんにちわこんばんわ。ひだりです。

しっかり梅雨時らしい日々になってきました。気圧にグイグイ頭を押され続けている感じも。スタジアムに行く負担が増えるし、早く雨よ去ってくれ。

今回もどうぞよろしくお願いします。

V・ファーレン長崎戦 ざっくり雑感

エリキのややマイナス気味のニアクロスにデュークが合わせた先制点。

現地で観ていると、ボールの方向、デュークの体勢、身体の向き的にも厳しいかな?という距離感のところ、しっかり届いて枠に収めるスキルの高さよ……あれ届いちゃうんだ、とスタジアムで観てて笑いました。。。

デューク・エリキの反則っぷりが際立つ試合でしたが、実際は藤原優大チャンミンギュを中心とした最終ライン跳ね返し、中盤でのビルドアップ阻害があったからこそ前線プレスがより生き、ファンマ・デルガドの孤立状態を長時間保てた結果の4-1であって、3点目を奪うまでは得点差よりもずっと微妙な水際での攻防の結果なんだろうなという気がします。

PK失点は改善点として、1-0、2-0の時点で1刺し喰らっていたら、全然別の展開を見せた可能性はあった気も。

ともあれ強豪相手の、素晴らしい勝利でした。みんなよくがんばった!

そして、今回は試合後の夜から、早速次節向けの映像を見始めました。ハイライトだけは実は長崎戦の前から……なんせ次節はラスボス、我々にとってJ2最悪の鬼門なのですから、、。

栃木SCについて

今更だけど栃木SC=栃木サッカークラブなんですね。スポーツクラブと思ってた。

なかなか勝てない相手・栃木

まあ、栃木相手には勝ててない。

FC町田ゼルビア・サポーターの皆さんはよくご存じだと思いますが、栃木SCはどうしても勝てないめちゃめちゃ苦手な相手。過去の対戦成績はリーグ戦が1勝5分6敗。天皇杯は0勝1敗。唯一の勝利はホームでしたので、アウェイではまだ一度も勝っていません。〜中略〜 天皇杯を合わせると0勝3分4敗。7試合で1点しか取っていません。

本当の鬼門は宇都宮にアリ。|たたみすとの日常 より引用

徳島戦も敗戦だったように、順位とは無関係の相性というものがあり、ゼルビアサポーターにとって栃木SCは苦手な黄色の代表格。

前半戦最後の試合でもありますし、文字通りの意味でラスボスです。

「絶対手抜かないぞ」と強い気持ちで、今節は結構あれこれ映像や記事を見てみました。(それでも、おおよそいつも通りの栃木ではありますが……)

チームも今節は強度勝負を見据えて激しめトレーニングを積んでる模様。
広報さんも良くわかっていらっしゃる。

メンバー一覧・移籍動向

さっかりん http://soccer.phew.homeip.net/contract/list/#%E6%A0%83%E6%9C%A8 より引用
さっかりん http://soccer.phew.homeip.net/team/?team=%C6%CA%CC%DA&year=&sort=position より引用

ゼルビア目線で気になる選手としては、大谷尚輝がいますね。
相馬政権時代は特に右サイドバックの起用が多かったでしょうか、守備のハードワーカーとして何度となく攻撃に守備に貢献してくれた選手でした。

ゼルビアでの最終年となった2020年、ポポ政権2年目は、確か途中交代で出場した試合ですぐ足を痛めて負傷交代になってしまったんですよね。それで以後は出番なし……と。

いま思えば、2020年は過去の功労者が多数退団した時期でした。。

Football Channel 町田ゼルビア移籍情報2020/2021。新加入・退団選手まとめ https://www.footballchannel.jp/2021/02/25/post408364/ より引用

大好きな選手だらけで見るだに切ねえ……。
そもそも2019年での相馬政権終了自体が、フロントにとって予期せぬ展開だったからこそ起きた事態だとは思いますが。

そんな大谷も今季は出場12試合、先発9試合。
最後の出場は6/3藤枝戦だったようですが、今週末久しぶりにピッチで見られるかどうか。

その他、テクニックえげつないさん高萩洋次郎・現在のメインFW根本・屈強系FW宮崎鴻そして栃木のレジェンド・フルネームで呼びたいJリーガーNo.1 の矢野貴章あたりが気になります。

栃木SCの戦い方

ハードワークと守備強度を標準実装

前半戦負けた秋田や苦戦したいわきのように、今年もこのタイプはゼルビア決して得意ではない相手。こちらもハードワーク球際族なのに、不思議ですよね。。

オーソドックス442攻守のイメージが強かった栃木SCに対して、昨シーズン就任の時崎監督はハードワークと強度高い守備意識を前提に少し変化を付け、3421で分厚い攻撃を仕掛けるスタイルへの進化を模索しています。

去年ホームはFC東京から割と加入したての高萩に後半やられたのよなぁ…きつかった…。

3421ハイプレス

基本フォーメーションは3421、守備時ブロック守備で532、ボール非保持の敵陣プレス守備では343とか。
原則ハイプレス、アグレッシブに前からハメていく守備。後ろ3枚回しの相手には、前3枚がプレスをかける。

最終ラインから中盤サイドにボールを逃がすと、ボールサイドのCB・ボランチ・WBが囲い込んで奪い取る。
奪い取ったら勢いのまま前進し、攻撃に人数をかけていく。ロングボールですばやく前線の根本、矢野紀章、宮崎鴻などにボールあてるアクションも多い。

敵に中盤を突破されるとリトリート。
WB降りて5バック、相手の出方によってはオーソドックスな442っぽく対応することもある。

相手ゴール前を多人数で襲う

前節・徳島戦での試合前インタビューで時崎監督は
「ゴール前に僕らは数多く入って行かなければならない」
と、明言していました。(DAZN 徳島 vs 栃木 : 第20節 ※時崎監督インタビューは00:10:03頃から)

アタッカーに個のある徳島との対比として話していたものだが「多人数で多くのシュートチャンスを作る」というのはチームの攻撃に対する基本的な考え方である模様。
攻守に多くの人数をかけられる形として3421の初期フォーメーションを採用している。

ネガティブトランジションに難あり

攻撃時に前がかりになった状態からのネガティブトランジション対応はやや遅い。
前がかりになったところで不測のボールロストが起これば、選手のベクトルを後ろに反転させざるを得ず、走行距離も増え消耗の原因となり得る。

シュート精度、フィニッシュに持ち込めない課題

Football LABのスタッツによると

  • シュート

  • 枠内シュート

  • ペナルティエリア侵入回数

  • 攻撃回数

の項目がJ2 22チーム中22位、最下位。

Football LAB https://www.football-lab.jp/toch/ より引用

強度高く守備に身体を貼れる強みを前提に、攻撃に人数をかける工夫を図っているものの、最後のフィニッシュまで持ち込めない、やりきる部分とその精度に課題を抱えているようです。

参考:栃木フットボールマガジン(有料記事)
J2バスターズでおなじみスズヤスさんが盛大に嘆いておりました。。

福森のクロス・セットプレー精度

福森は大分トリニータから期限付き移籍2年目。
上下のハードワーク+クロス精度が特徴だそうで、2020年、町野修斗・ディサロ燦シルヴァーノ擁する北九州で8アシストを記録。今季は2アシスト2ゴールしている。

攻撃パターンとしてもクロス・セットプレイの値が高い。全18点中クロス3点(16.7%)、セットプレイ5点(27.8%) 双方で8点(44.5%)。

Football LAB https://www.football-lab.jp/toch/ より引用

福森はCKキッカーでも蹴ってくる。きちんと迎撃できるようゼルビア守備陣は気をつける必要がある。


3421でサイドプレーヤーが前に後ろに激しく上下動する設計だが、幅や追い越しを駆使するワイド攻撃というより、局面ごとの密集守備を構築し、分厚く守って分厚く攻める形が多いように見える。(意図してそうなのかはわからない。中盤両脇をボールの取り所に定めて3人で囲むことが多く、結果としてそうなっているだけかも)

一番イヤな「ドン引き守備からのカウンター」

現状の順位状況など鑑みるに、別プランの可能性としてあり得て一番厄介なのは、ドン引きで守って、奪ったボールを矢野貴章、根本、宮崎鴻あたりめがけて蹴っぱってキック&ラッシュ。
二の矢に高萩・森俊貴・福森あたりが全力でかけこんでくるワンチャン狙いの戦い方。

一瞬の隙を突いて2列目の一撃で失点、みたいなのをやられ方は、栃木との対戦ではあるあるすぎて、その後徹底的に負けるコースがデジャブすぎてマジで嫌。

攻略のポイント

ところで、デュークが代表戦後帰ってきて出場する気満々みたいです。

実際のところ、デュークが出るか出ないかでロングボールの活用プランがまったく変わってきます。

地上戦は中盤で圧をかけてくる栃木のカウンターを喰らう余地が増えるので、ロングボール勝負で起点が作れるなら非常に非常にありがたいのだが、デュークに怪我されると夏がだいぶ厳しくなるので、無理をさせたくないなぁという気持ち。
平河・藤尾・デュークなしでのセカンドプランだと、たぶんナカシが前に行くことになるのかなという気がするし、それはそれですごく観たい。

当日どのような布陣で試合に臨むかはわかりませんが、ともあれ、チームにとって最善と考えられる体制を、きっとチームも取ってくれるはず。信じて、攻略まとめに入ります。

球際

同じ球際強度勝負チーム同士だからこそ負けない。
いわき、秋田など球際勝負チームに苦戦傾向が見られた前半戦だが、後半に向けて球際勝負をしかけてくる相手に勝ちきり、後半戦に向けてチーム練度の向上を見せつけ、「なんでもできるチーム」としての対応力を示したい。

442で締めて焦れない

タイトな442DFで焦らずに対応したい。

栃木は攻撃時に敵陣に人数をかける攻撃を志向しているので、攻撃フェイズでは守備の人数が減る。粛々と耐えれば、前方に相手の隙がある状態。
淡々と跳ね返しボール回収して、柔軟に相手のスペースを見出し、刺していきたい。

WB裏のスペース狙い

中盤サイドを経由したダイレクトプレーでWB裏のスペースを狙いたい。

サンプルになるのは徳島戦での森海渡ゴラッソにつながる一連のカウンター。

栃木守備の食いつく習性を逆手に裏や逆を取るのに中盤でのダイレクトプレーは有効。安井が活きそうなやつ。

栃木のハイプレスの裏

栃木は前線からハイプレスで制限をかけ、連動して前に前にで守備をしてくる。

前に来る栃木守備の裏を突いて、ボランチ・CBでの連携・ポジション交換などにより栃木プレス隊の裏で前向きにボールを持てると、ロングボールで相手DFライン裏 or 敵陣サイド攻撃に展開できる。

ヴェルディ戦ヴェルディ2点目。

千葉戦千葉の1点目決勝点。

時に中盤をからめたボール保持で栃木守備をひきつけ、
時に最終ライン裏を突くロングボールを織り交ぜて、栃木のプレッシングの腰を折り、前線〜後衛までの距離感を間延びさせ、隙を突きたい。

前半スコアレス上等、後半得点でゲームを決める

先制させるといつの時代も守備の覚悟が決まってる栃木は本当に硬くて厄介な相手。
前半は硬く締め、選手の動きが落ちてきたところで試合を決めたい。

フィニッシュに問題を抱えている栃木の状況をかんがえると、点が取れなければ焦れてくるはずなので、その時を0-0のまま待ちたい。

前がかってきた栃木相手に中盤でボールを奪えると一気にラインブレイクできるはず。長足のボールでエリキを走らせるシンプルなカウンターも狙いたい。

Sports Navi https://soccer.yahoo.co.jp/jleague/category/j2/game/2023061813/info?gk=6 より引用

逆に、栃木はあまり前半に失点しないチームなので、だからこそうまいこと前半で先制できれば非常に有効。栃木の前がかりな姿勢を引き出すことができれば、後半にかけてカウンターによる加点も期待できる。

でも前半はとにかく過度にはがっつかない。注意深くゴールを守ることを徹底したい。

高めから落ちてくるクロスへの対応が苦手な模様

自陣守備時のアラート意識の高さが逆に機能しているのか、タイミング外したハイボールの処理が荒くなることがある。跳ね返しづらいロングスローも有効に効きそう。

ハイボールから直接のヘディングはもちろん、バイタルエリアも空きやすいので、跳ね返しを狙ってのミドルも積極的に狙いたい。

セットプレー

食いつく守備なので、デザインしたセットプレーも有効になる可能性高い。

鉄板はショートコーナーでリズムずらしてファー狙い、直接ヘッド or 折り返して詰める形。
コーナーキックなど回数重ねることで栃木守備陣の疲労を積み上げていく部分もあるので、いろいろバリエーションを持ってトライしたいところ。

まとめ

現在勝ち点45。今節勝てば勝ち点48。
目標の勝ち点90に向けて、この3ポイントを今節までに積み上げられるかどうかは、後半戦への入りにおいて重要な意味を持つことになりそうです。

すべては、目の前の一戦に勝つことで開ける未来の話なので、いまやるべきは打倒・ラスボス栃木、それだけです。
今年のチームならやってくれるはず。鬼門なんてぶち壊そう。絶対的苦手な歴史をも打ち砕こう。

おまけとご案内

この記事をもって、2023シーズンの対戦相手を一巡して見てきた形となりました。
ひとまずここまでお読みいただいたみなさま、ありがとうございました。

以後、更新はやや不定期に変更する予定です。
好きでやってることですし、なんかしら書こうとは思っていますが、仕事や家族のこともあり、自分があまり無理にならず、楽しめる範囲で書いていこうと思います。

とりあえず天皇杯・横浜F・マリノス戦については、なにか書きたい。

たくさんの追い風が嬉しい。
ゼルビアを取り上げる記事や動画が増えて、個人の方の記事やVlogger さんも登場して、まとめサイトでも掲示板でも叩かれたり褒められたり叩かれたり……いままでになかったものが次々と増えてきて本当に楽しいです。

今回もまた結果が状況を変えつつある。すでに何回目かわからない、ただの、ゼルビアが今までもやってきたこと。
もっともっと加速して、嵐になってほしい。今年のJ2と、この街全体を席巻しよう。

最高の週末にするために、最高の前半戦を終えるために、最高の後半戦スタートを切るために、今週末も勝ち切りましょう。共闘!

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