【見どころ】FC町田ゼルビア 2023年第33節 ザスパクサツ群馬戦
こんにちわこんばんは。ひだりです。
群馬の試合が本当におもしろくて映像確認繰り返し繰り返ししているうちに遅くなってしまいました。
ゼルビア以外だと今季個人的に最高好感度のサッカーを見せてくれる相手です。シンプルに試合が楽しみ。
※2023/09/01 18:47
デューク、平河、藤尾代表選出に伴い記事内容を一部修正追記しました🥳
山形戦を今シーズンの転換点にするために
遠くに稲光が瞬く中、ピッチ上で徹底して塞ぎ、一瞬の隙を突き、粘り強く守り続ける。山形戦における天空の城は、まさに硬固な、難攻不落の城でした。
エリキ負傷離脱で戦い方の変更を余儀なくされ、秋田戦順延の騒動など不穏な空気が漂う中、この強烈な1戦をホームの地で見せてくれたこと、チームに選手に関係者に、心から感謝したい。
四方八方から荒れ狂う逆風の中で、チームが見せたのは「立ち戻るべき基本に立ち戻る」姿でした。
自分にとってはある種、最も見慣れた、これぞ俺たちのゼルビア。
あるいは2019年相馬ゼルビアがやりたかったのはこんな系統のサッカーだったのかなと少し思った。まだまだなにもかも足りなかったけれど。
対面の相手にやらせない、引くべきところは引く、相手の隙を逃さない、可能性があれば勇気を持ってチャレンジする、何度でも繰り返す。
山形戦のスタイル、大好物です。こういうチームだから、こういうサッカーだから好きになった。今季一番安心できて、今季一番楽しかったです。
絶好調山形を打ち仕留めた、今年のゼルビア Ver.4.0(シーズン初期、デュークエリキ主戦、エリキ藤尾主戦、藤尾デューク主戦) 、このサッカーが本物であること、まだまだ前進できることを証明するための1戦になります。ザスパクサツ群馬戦、見どころ行きます。
どうぞよろしくお願いいたします。
ザスパクサツ群馬の最近
前半戦のハイライトはこちら。
第2節なので随分前。池田樹雷人のバックヘッドで今季初ゴール&翁長のゴール真横付近角度ないところから奥サイドネットを揺らす驚きの直接FK弾で、今季黒田ゼルビアが初勝利した試合でした。
ハイライト見るに双方の戦い方にまだ初々しさが感じられます。互いに練度、スタイルを進化変化させてきた中での今回の対戦です。
前回のレビューはこちら。
シーズン序盤すぎて内容はそこまでですが、群馬が開幕時のスタイルから課題を克服し、連携を上積みして現在の形に辿り着いたことは読み取れる気がしました。
直近の戦績
開催された試合に関して言えば過去5戦で3勝2分、その間の失点1は凄い。
前回の敗戦は6/11の第20節 大分戦まで遡り、そこから10戦無敗中でした。上位勢では清水、岩田、ヴェルディ相手に引き分けていますが、町田とどうなるか。
2節連続中止の影響
直近の群馬に関して触れるべきは第31節金沢戦、第32節藤枝戦の2試合が雷雨の影響で中止延期になっている点です。
群馬としては身体的にフレッシュな状態で試合に臨める一方、試合勘の面でリズムを崩しうる状況です。試合リズムが変わったタイミングの難しさは、私たちも秋田戦中止後の千葉戦で体感済み。
こうした試合で、相手に対してゴリゴリの対策を噛ませてくる戦いは水漏れしやすくもなりそうなので、基本的にはチームの原理原則に徹した試合をしてくるのかなという気がします。
ゼルビアもまた大エース・エリキが負傷離脱となり、山形戦からまた戦い方を一変させたタイミング。群馬サイドとしても「エリキと裏をケアする」わかりやすい対処法を絞りづらい状況かと思います。
山形戦で見せたエリキ不在ゼルビアはザ・442とも言えるような振る舞いを見せたので、ザスパの守備形式とは正面から噛み合います。球際も激しい試合が予想されます。
過去5戦スタメン
第31節 金沢戦(中止)
第30節 仙台戦(2-0)
第29節 栃木戦(1-0)
第28節 秋田戦(0-0)
第27節 磐田戦(1-1)
直近行われた5試合の間、今夏移籍の影響でFW長倉→平松宗、左MH山中→杉本に変わっています。以後はスタメン構成の変更ないため、おおよそ群馬は金沢戦のスタメンベースで臨んでくるものと思われます。
守備442攻撃3241
ボール保持ビルドアップ3241または平松宗を頂点にした32311くらいの感じ。守備ブロック442、相手の攻撃出方によっては5バックも併用。
今回言葉にするのがなかなか難しく、どう説明してもいまいちピンと来ない感じがあってか悩ましかったため、フォーメーション図を作ってみました。
守備時442
ミドルサード自陣高めあたりは442ブロックで対応。
攻撃時3241
攻撃局面では442における右SB 川上エドオジョン智慧が4のラインに上がり最終ライン3枚でビルドアップする。
4のうち1が上下動して3CBまたはボランチからのボールを受け、周りと連動して可変しながら攻め上がってきます。
画像では攻撃時、別に3241になってないですが、攻撃では相手の出方に応じて形を変え、343のような形になったりゴール前に4枚くらいが入るサイドアタックの形を取ることもある。
中盤・前線の動きがわりと自由に見えるので、今回どう言葉にするか妙に迷いました。
磐田ならアタッキングサードのハーフスペースに縦パス、清水なら乾でボール保持など見える型がありましたが、群馬の攻撃は多くの選手が状況見て動き捉え所がなく、同時に局面ごと2・3名が絡んで崩す形そのものは非常にオーソドックスです。
硬さと柔軟性を与えて選手に試合を描かせる大槻さんらしい美しさをバリバリ感じる。
ここのトップ下〜てっぺんの位置に新潟へ移籍した長倉がいたのは、まあそれは厄介だろうなと思った。彼なんでもできるし。
自陣守備:狭幅442
ディフェンシブサードでの守備ではゾーン守備の間隔が狭く、サイドでも中央でも、ゴール方向の出口を狭め、相手アタッカーを減速させたところを後方選手との連携でアグレッシブに挟み撃ちにして奪回します。
攻撃センスを持つ6枚による敵陣への冒険
攻撃面では、風間・天笠を起点に、前目6枚の各選手に様々な選択肢を持たせるようなアタックをしかけてきます。
攻撃のフック役となる右SH佐藤亮は今季5ゴール8アシスト。8アシストはここまでのJ2で1位の数字。昨シーズンまで3シーズン、北九州でかなりの出場時間を得ていた選手です。
佐藤亮の5ゴールは、新潟に移籍した長倉と並んでチームトップ。
平松・川本のFWコンビはもちろん、今夏ヴェルディから期限付き移籍でやってきた杉本、風間、天笠と、攻撃的センスを感じる人材が揃っており、攻守でのハードワークに対応できる川上も絡めて臨機応変な攻撃を展開してきます。
チーム内得点ランクにFWだけでなく1.5〜2列目の佐藤、ボランチの風間が並ぶあたりからも、現在の群馬の中盤全員で点を取りに行く地上戦の考えが現れている気がします。(畑尾はセットプレーのターゲット役となるCBで、これもまた群馬の狙っている形)
守備の強みは狭いゾーンDFと帰陣の速さ
ボールを奪われた後、ボール再奪取へのアクション+守備時ポジションへの帰陣が非常に早いのが群馬の守備の特徴です。
栃木戦・仙台戦では相手のショートカウンター発動前に再奪取して再前進なんてシーンもちょこちょこ見られました。
ひとりが人に行けば、もうひとりがスペースを消す、チャレンジ&カバーはしっかり徹底しながら、なるべく速やかにゾーン守備のブロックを再構築し、ゴールエリア内に2層の守備網を貼ります。
群馬は「攻めさせても決めさせないゴールエリアを塞ぐ守備」
相手の攻撃に耐えきる守備体制を取り戻すアクションをしっかり遂行できる、攻撃にも守備にもハードワークする選手の仕事が、群馬の守備面の不思議なスタッツにつながっています。
被攻撃回数1位、被シュートの指数22位のリーグ最下位ながら、被シュート成功率はトップの最低値。被ゴール期待値に対して実際の被ゴールの間にある大きな差分は、まさに守り切る力を表しています。
打たれるけどゴールは決めさせないのは、自陣ゴールエリアを迅速に狭く守る管理手法が功を奏してのことだと考えられます。
攻守で目立つゴール前の整理能力
攻守ともにゴール前の配置と動きが整理されており、よくある「ゴール前の混戦・ごちゃごちゃ」を作らない。
攻撃ではフィニッシュの瞬間にフィニッシャーが入り込めるスペースをギリギリまで空けて取っておく。シュートコースを作る仕掛けが巧み。
守備ではゴールエリアの幅を2CB+反対側SB1枚で埋める1層、中盤もきれいな2層目を構成しつつボールサイドにしっかり寄せて相手ボールホルダーに圧をかけてくる。
セットプレイ
群馬が攻守にじりじりと粘り強い戦いを見せながらも勝点を積み上げられているのは、セットプレイで決めきれる自信があるのが大きい。セットプレイキッカーは佐藤亮・風間宏希の2枚がある。風間は仙台戦の2点目を直接FKで決めている。
またセットプレイでは片側に密集を作り相手守備者を引き寄せて、反対側のスペースに入り込んだ選手がフィニッシュする形をよく使う。
解説が「いい形とタイミングで入ってきた」というようなプレーを狙いを持ってやってくる。
vs栃木戦 1点目(4:41)
vs仙台戦 1点目(3:47)
攻撃では適切なスペース配置・距離感・タイミングでのアタックを仕掛け、ゴール方向を上手く空かせたところを、バイタル活用したミドルで綺麗に決める。
守備ではギュッと密集してゴール防衛を優先する。だからセカンドボール回収では後手に回る時もあり被シュートスタッツの高さにつながっているようです。
両ゴール前の約束事を中心にサッカーを設計し、間の過程は選手たちの創造性に委ねる、みたいな試合をしている気がします。大槻さんに漂う確固とした攻守一体の信念と選手に寄り添うインテリ感、本当に素敵です。
攻略のポイント
ハイプレスによるビルドアップ阻害
仙台戦の前半、仙台側に来場者が出る前は仙台のハイプレス〜ショートカウンター連打を前に群馬もビルドアップにだいぶ苦しんでいました。奪ってショートカウンターはもちろん、町田としてはサイドに出させればロングスローによるセットプレイへも持ち込める。
町田としても3枚回しに対するプレスはある程度経験も増えてきている。今後順位的に下位の相手が多くなると、5バックを敷いてくる相手もまだまだ出てくるはずなので、ここで打破する形を見出したい。
最終ラインを高く群馬のスペースを奪う
最終ラインを高く取ることで群馬が扱えるスペースそのものを狭くしたい。ハイプレスとハイボールを組み合わせることで、中盤ヘディング球際勝負に持ち込みたい。群馬の中盤からの攻撃展開を阻害する上でも、セカンドボール回収は重要な鍵。シーズン序盤の稲葉のような仕事がほしいところ。
ハイプレスハイラインで理想は群馬の後衛中盤に時間を与えず、高めに位置取る可変システムのキーマン川上をゲームから追い出す/時にはボール奪って攻撃の糸口にするような形で試合を進めたい。
平松・川本の仕掛けへの対応
ハイラインハイプレスなら当然、群馬CBは裏取りロングボールを蹴ってくる。
ボールを納めてゴールエリアへ力強くボールを持ち運べる平松、裏抜けと直線的なスピード・鋭いプレイが持ち味の川本は、互いに非常に相性良さそうなので、CBとGKでコミュニケーションを取り、空きやすい裏のスペースをきちんとケアしたい。
トランジション勝負で負けない
群馬の攻守切り替えの速さはかなりのもの。守備では相手に時間を与えない、攻撃では初動の判断を早く対応したい。
ボール奪取後のサポート関係、ロングボール狙う時の動き方などあらかじめ準備しておきたい。
大外サイド攻略
群馬のスタイル的に1対1をドリブル突破できれば全体を崩せるチャンスが創出できるはず。群馬のビルドアップ途中でボールを奪えれば、最終ラインは3バックなのでサイドのスペースは広大に取れる。
・大外から仕掛けてサイドからゴールエリアをエグる
・幅を使った攻撃でゾーン守備の幅を広げ、守備者の間を突く
どちらの手を取るにしてもサイドの攻略は重要。サイドで脅威になる平河、バイロン+翁長の攻撃参加も。
藤尾、平河おめでとう🎊🎈🎉やってこい!
群馬戦サイドアタッカーは沼田とバイロン軸に、安井・荒木あたりが入る形か。片方にポジショニングの賢い荒木か安井入れて群馬の構造をうまくハックする動きできたらそれも楽しい。
ゴール前のスペース管理
セットプレイの形を持っているので、人の動きに惑わされすぎずゴールエリア全体に隙を作らない対応が重要。
特にセットプレイでは落としてミドルの形も多いので、バイタルエリアはFW1枚充ててでもきっちりケアしたい。
キレキレ藤尾の強引な仕掛けは期待大
群馬のゴール前管理の考え方からすると藤尾の強引な仕掛けで振り切れる可能性がある➕仕掛けることでポスト役として2列目の攻撃チャンスを創出できる可能性が高まる。
藤尾は活動日3日午後からなんで不出場確定。がんばれ!
セットプレイ
群馬にとっても同じことが言えますが、今節は地上戦では得点決まらず、セットプレイで勝負が決まる可能性も高いと考えられます。実際、前回対戦のゼルビアの2点もともにセットプレイからの得点でしたし。
互いにセットプレーからの得失点がほぼ同数。
集中した対応でセットプレイ失点を塞ぎ、加点できると試合をスムーズに運べる。翁長SJでの左右ロングスローもセットプレイにカウントできるのは町田にとって武器。
CKなどで変化をつけて一瞬のズレを生むのは、群馬のゾーン守備に有効。また、そもそも藤尾デュークの2トップの強度なら、オーソドックスな一対一の空中戦で勝負しても質で上回れる可能性もある。いろいろ試したい。
Conngrats Duke‼︎🔥Fight🇦🇺🦘⚽️🔥
デュークは活動日4日からではありますが出場微妙ですし、CF誰来るかは様子を見てみよう。30番どうすか30番。そろそろ高澤あるか…出れば実質ほぼ新加入。
まとめ
町田と群馬では守備の部分で戦術的に噛み合う局面も多くなると予想され、1対1で勝ち切れるか、守り切れるかの真っ向勝負になると考えられます。
だからこそ守備では目の前の相手に負けない、攻撃局面では目の前の相手に打ち勝つ勇猛果敢なアタック、チャレンジを期待したい。
勝ちましょう。共闘🔥
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?