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【プレビュー】vsジュビロ磐田 冷静に、強引に前へ。ハイボールとロングスローで彩る最高のGWのはじまりを【FC町田ゼルビア2024年第10節 挑戦J1】

こんにちはこんばんわ、ひだりです。写真は去年です。

今年いちばん楽しみにしていた味スタでの1戦を終え、すこし深い息をつきつつも、間もなく土曜日の試合は近づいていきます。

予習するだにふつふつ湧き上がってくる去年から続くこのモードよ。
ちょっとくたびれるのですが強い気持ちで。
ジュビロ磐田戦、プレビューです。どうぞよろしくお願いいたします。


ジュビロ磐田の現状

縦と斜めのポジショニングを重視したポゼッション&カウンターが特徴的。あと、今季、猛威をふるうジャメイケアタック。

横内さんの古巣・カタールW杯時の森保ジャパン、あるいはもう少し前、監督代行を担当していた東京オリンピック代表と共通するものを感じる「良い守備から良い攻撃」志向のチーム。

チームの歴史的にパスサッカーに対してこだわり深い印象ですが、大枠で言えばポゼッションを絡めたカウンターの鋭さこそが最大の武器と思われます。

選手(IN・OUT・一覧)

Football Channel https://www.footballchannel.jp/jubiloiwata-transfer-2024/#google_vignette から引用
Jリーグ公式サイト https://www.jleague.jp/sp/club/iwata/player/ より引用

2010年代後半のジュビロを支えた多くの名手が退団、移籍禁止期間を終えJ2で気を吐いた若手新鋭に外国人の加入もあり、J1昇格を契機に正しく変遷・入れ替わりの時代に入っているのが今のジュビロの現状です。

注目は今季ここまで9得点の単独得点王で絶好調のジャーメイン良。
パワー・スピードに球際で無理の効くフィジカル、ボールの来る位置に鼻を聞かせゴール前では抜群のキレと思い切りの良さを発揮。いまJ1で最も危険なストライカーのひとりへと成長中。
前進時のポスト役としてボールを収めて適切にはたく、はたいてすぐに前へ動き直す動きも秀逸で、文字通りジュビロの攻撃・前進を中心的に牽引する存在になっています。

一方、ジャーメイン以外の得点者・得点数は3名(ペイショット2、西久保1、植村1)と少なく、チームスタイルとして攻撃=ジャーメインを全面的に活かす戦い方を取っている。

とはいえ、京都戦でヘディング2ゴールを決め今後ジャーメインと並ぶ攻撃のコアとなり得るペイショット、クロス攻撃の主戦である松本昌也・熊本時代から局面での高い技術を魅せてきた天才 平川怜・昨年野津田での試合終盤に執念の1点を決め切った松原后と、ジャーメインの脇を固める攻撃的タレントも多く、鋭いゴール前アタックに対戦相手は集中を切らさない対応が求められる。

基本フォーメーション:442または4231

ボール保持
442の基本の型を大きくは崩さず、4231の底にあたる2CBがSBや中盤に配給して相手の隙をうかがう。
全体にやや縦長気味のポジショニングを取り、選手配置を活かした中距離の縦楔、前に空いたスペースを人やボールが入り込んで使っていくパス前進もある。

前進時のルートにサイド・中央・ハーフスペースといった偏りはあまりない。彼我両軍選手の配置・プレイ状況を見て、最善手を探りながら前進を図る。ドリブル突破よりはパス志向。

前節・福岡戦では第1手としてCB・SBからジャーメインにフィード、セカンドボールを回収して前進を図るケースが多かった。ジャーメインの好調もあり、いまは結局それが一番、守備バランスも保って前進図りやすいチョイスなのかも。

ボール非保持

比較的オーソドックスな442ブロック守備。

相手ボールホルダーに対して2FW(+ボールがサイドの時はサイドハーフ1が加わり3枚)が守備の第1層となり中盤へのパスコース切り。相手のサイド経由のポゼッションに対しては前3枚が斜めの位置関係でボールホルダーのコースを消す寄せ方をするのが特徴的。(奪ったら3枚が斜め配置そのまま攻撃に転じられる)
中盤4後衛4の2層・3層は相手選手の位置をケアしながら満遍なくスペースを埋める。

ボールホルダーに対して、守備網が形成する縦長長方形を突きつけ続けるように相手のボール前進を拒む。
相手のボールを入れてきたポイントへ前向きに強くアタック。中盤での球際は強い。

奪うとジャーメインにフィード、または中盤へのグランダー性の縦パス、空いた逆サイドへの展開などを駆使して速攻を狙う。

縦方向ライン間のスペースを有効活用する前進

ミドルサードでのボール保持でも、幅はコンパクトだが縦のスペースをやや長めに空けた配置を取る。縦の長さが長めとなるので、結果、全体としてはややローブロック気味の陣形を形成することが多い。

縦が長いということは、ライン間にスペースがある。このスペースを使って後ろの選手が前へ入り込む。次に空いたスペースには後ろの選手が前へ入り込む、と、機動的に前方のスペースを使える構造。

一方で、前向きへの意識の強さが影響するのか、たまに中盤でのパスが逸れることが時折ある。そこを奪われると相手のカウンターは深く刺さる。

福岡戦の2失点目は、福岡の苛烈な中盤プレスに苦しんでのバックパスが福岡のいまが旬なイラン人ストライカー・ザハディに渡りそのままゴールまで持って行かれた。

右サイドからのクロスと中央攻撃

最終的な攻撃手段としては松本昌也がいる右サイド、あるいは左サイド松原のクロスにジャーメイン、ペイショットがシュートを狙う形が主戦。

中盤でのミドルプレスでボールを絡め取ると、ジャーメイン筆頭に個を活かした裏抜けや中央突破も想定される。

Football LAB https://www.football-lab.jp/iwat より引用

ゼルビアの対策

SB裏狙いのサイドアタック〜ロングスロー・CKへの誘導

ロングボール配球で執拗にSB裏を狙い、タッチライン際での攻防を押し付ける。

ジュビロの攻撃のベースはジャーメインを狙ったクロス攻撃なので、ロングボールの裏狙いでSBを後退させておくことがジュビロの最大の武器を抑え込むことにつながる。
また、ジュビロの幅の狭い守備ブロックは、サイド領域を突かれると布陣全体的な角度調整が必要になる。ブロックの引き直しで相手を動かし、走行距離を稼ぐことで、ジャブの蓄積のように後半の出足にダメージを与えていきたい。

スローインに逃げればロングスロー、外に出さずに縦のボールを入れてきたらインターセプトまたはCBが回収する。またロングボールを配給する。徹底的に繰り返す。

こちらのSBはゴール前の高さを活かすなら林+ヘンリーですが、林+SJでパターンの異なるロングスロワーを置くのも、どちらにも良い面がありそうです。いずれにしても両名ともに活躍を求められる試合だと思うので、スタメン発表を期待して待ちたいところ。

ハイボール中心のクロス攻撃

磐田守備陣は守備ブロックを組む前はもちろん、組んだ場合でも、ハイボールの処理に若干のあやしさがある。

ゴール方向に向かうクロスでの強襲、ハイボール競り合いからの二次攻撃・三次攻撃、ファーからポストプレイで折り返してのシュートなどクロス攻撃を中心に、ハイボール中心で押し込むことで、磐田のやりたい縦志向ポジショニングを取らせずゴール前に釘付けにしたい。

強気に前へ押し込むことが重要だからこそ、ボランチは攻撃時も守備のことを考え、バイタル付近を抑え、悪いボールの取られ方を避ける対応を取りたい。

ジャーメイン起点のカウンターへの対応

ネガトラ局面でも基本はセカンドボールの即時奪回を図るが、中盤ゴチャゴチャからこぼれたボールがジャーメインに渡ると一気のカウンターの怖さがある。

裏抜け、ポストプレイでタメを作る動きもできるジャーメインにボールを当てるのは磐田の攻撃の初手なので、逆に言うとジャーメインに楽にプレイさせないことがジュビロの前進をノッキングさせることにもつながる。

前に張る、裏抜けを狙う、時にはボールの出口として下がりもするジャーメインを、川崎戦でエリソンを管理した時のように、ネガティヴトランジションにおけるボランチ+サイドの素早い帰陣、それにより2CBが最も危険なポイントに集中できる状況を作る、チーム全体で呼吸を合わせた守備対応が重要になる。

自陣守備:堅固なブロックを敷き、前向きに跳ね返す

ジャーメインとペイショットの瞬間的なキレ・パワー・鋭さは脅威。2人にゴール前でイーブンな体制で競り合う状況を作らせないことが重要。
決定的なパスやクロスがFWに入る前、最初にボールが入ってきたところをしっかり跳ね返したい。タッチに逃げて膠着状態を維持すれば良い。

なお、右SB西久保にはロングスローがある。
町田の十八番をあえてやってくる可能性もある点は頭の片隅に置いておきたい。

西久保は昨年ジェフに在籍しており、町田との対戦経験もある。町田がジェフを苦手としていた経緯も含め、昨年から磐田に在籍する選手以上に町田に臆せず立ち向かえる選手のひとり。

神戸のGK新井と同様、こうしたメンタル的に引かない選手の存在は厄介。SBは松原植村の方が出場可能性が高そうな気もするが、出場した場合は大枠の試合運びはブラさず、試合の中で攻略のスキを当たっていきたい。

セットプレー

セットプレーで試合が決まる可能性が相当に高い試合。

Football LAB https://www.football-lab.jp/iwat/preview より引用


町田の攻撃のストロング、かつ磐田の守備のウィークなので、ロングスロー、CKと多様なパターンをぶつけ、ジリジリと圧をかけ続けたい。

また、地上を使ったトリックは確実にフィニッシュで終えたい。
地上戦のエラーでボールを奪われると被カウンターのリスクが相当に高い相手。

セットプレー守備では、ジャーメイン・ペイショットのケア+平川・松本昌也らのこぼれ球を狙うアクションも鋭いので、曖昧なプレーはせず、しっかり弾き返したい。

冷静に、強引に前へ

前節・福岡の後半がまさにの形でしたが、ジュビロ磐田の守備はまずロジカルにコースを切る守備対応がベースで、基本待ち構える守備が多い。(密集コンパクト型442じゃないので変に奪いに行くと逆にスペース空いて危険という事情もある)

寄せてこようがグイグイと強引に前へ持ち込むと、意外と対応が崩れる。

中盤あたりで前向きに奪う守備での球際は強いが、自陣リトリートしての守備や下がっての対応では、そこまでの強度が発揮されない印象。

昨年夏の対戦で藤尾PK獲得みたいなケースもあり得るので、藤本あたりはサイド奥をえぐる+ゴールに直行するようなムーブを絡ませても面白い展開ありえそう。

もちろん蛮勇での単騎特攻は磐田のカウンターの起点をつくってしまうのがオチ。冷静に状況を捉えつつ、局面で突破口が見えた時、状況を動かす勇敢なチャレンジを期待したい。

まとめ

総じて「いつも通り」です。

膠着試合上等。パスをつなぐ時間がない、タッチを割ってプレイがぶつ切れになる、プレイリズム上がらない展開にストレスを覚えるのは我が軍よりもあちらでしょう。

ロングボールとロングスローで陣地回復、セカンドボールバトルの圧をかけ続け前半0-0、いければ隙ついて1点を奪えれば上々。後半 一気に勝負を畳み掛けたい。

FootyStats https://footystats.org/jp/clubs/jubilo-iwata-874 より引用

負けたくない。
今節は現状の順位など何も関係しない試合。かつてのJリーグ絶対王者である名門クラブを相手に、全力のチャレンジャーとして臨むべき一戦。

徹底的に泥臭く、魂かけて走り闘う、ドブネズミのように美しいサッカーで、今年も、こんなチームで、町田らしく勝利をもぎ取ってほしいです。

強い気持ちで、今週は闘います。共闘🔥

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