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【ちょい早プレビュー】vsガンバ大阪〜J STATS REPORTからざっと見る【FC町田ゼルビア2024年第1節 挑戦J1】

こんにちわこんばんは、ひだりです。

ゼルビアにとって初のJ1シーズン。トレーニングマッチの結果からも、ここまでそこそこ順調な強化が進んでいる気配に頼もしさも感じる今日この頃。

気持ち早いかもですが、先日Jリーグから発表された J STATS REPORT 2023 の内容がすごく面白かった!ので触発され、とりあえず開幕戦の相手・ガンバ大阪の昨シーズンをデータ面から振り返り、今年の補強の模様と並べてみようと思います。よろしくお願いいたします。

チーム個別データはJ1だけ公開だけど、これJ2・J3も公開してほしいですね。うちのデータはJ2優勝チームとしての総括的データ+記事だけ載っていますが、なにも載ってないよりずっとマシです。来年はより仔細に載るのか……。


ゼルビアとガンバのポヤトス監督は2022年シーズン、徳島ヴォルティス監督時代にホーム&アウェイで2回対戦しています。ともに徳島が勝利。

2022年、10月……うっ頭が!

対戦経験1シーズンだけ、徳島町田の相性の兼ね合いもありますが、ポヤトス監督個人に町田相手に対する苦手意識はまあなさそうです。

2023年ガンバ大阪の振り返り

2023年のガンバ大阪について、J STATS REPORT 2023のデータをもとに振り返っていきます。

攻撃時433守備時442〜4411

アクチュアルプレーイングタイム・ボール支配率5位に対して走行距離15位・スプリント17位の年間スタッツからは、ポゼッションベースのサッカー、選手配置やスペースを活かし走りの量より質を伸ばす1年を志向してきたことが伺われる。

攻撃局面の分厚さ

Youtube ゴール集を見ても、アタッキングサード攻略のフェイズでは、ペナルティエリア幅に対して複数レーンにしっかり人数あてて、大外〜ペナ角あたり切り込んでのクロスに良いライン取り・良いタイミングで複数のアタッカーが分厚くゴールに飛び込むアタックが良くできている。
ゴール前に入りこむ人数を多くすることで、宇佐美や食野ら個で剥がす能力を持ったタレントも活かせる循環を狙う。

フィニッシュの部分で決めきれず、得点数が上がりきらなかった部分はあるものの、シュート数はリーグ7位・シュート枠内率6位と、順位に比べれば高ランクを取っているので、攻撃局面では目標とする方向性をある程度表現できていたと見てよさそう。

昨シーズンを正しい過渡期にするための2024年

そもそもガンバは、2022年にチーム内のシーズン最多得点者(5得点) FWパトリック(現・名古屋)を契約満了とし、ポヤトス監督の指導のもと新しいサイクルを作り始めた第1年目。
得点に物足りなさが出てしまったのは2023の想定外だったのでしょうが、進めているチーム改革の過程としては、データ見る限り必ずしも間違った方向ではないように見えます。

いろいろな記事や動画を見てもわりと近い論調で、ガンバ大阪にとっての2023シーズンは「出現した課題を次に活かしてこそ将来的な意味を持つ1年」であり、不本意だった2023シーズンを価値あるものにするためにも、今シーズンを成功させなければならない。そんな想いで臨む2024シーズンインのようです。

2023年の課題:ボール奪取ラインの低さと偏り

ゲインエリア=ボール奪取ー攻撃への転換位置を見ると、右ペナ角〜DTのハーフレーン範囲を中心に、少し奪取ラインが低い印象。

2023最終節・神戸戦のスタメンで見ると三浦弦太・半田陸・倉田秋あたりの範囲でボール奪っている感じ。

Google検索 G大阪 対 神戸より

右を奪いどころに寄せていると言うこともできる。右で奪って真ん中経由で中央3レーンにアタックを仕掛ける動きは攻撃エリアのマップを見てもその様子が読み取れる。

とはいえ、他チームのゲインエリアと比較してもガンバのゲイン分布はややラインが低い。
右が低い、あるいは左が右よりやや高いとも言えるが、このボール奪取位置のギャップ、アンバランスさは、昨季12位札幌と並ぶリーグワースト61失点という結果ともいくらかつながっているように見える。

ポヤトス監督自体、守備面が課題という認識があるので、基本的なポゼッション・位置的優位を活かすチーム戦術は継続した上でメンバー補強によって2023年に出た課題を潰していく方向になるものと見込まれる。

攻撃的チームとして決定力向上のための取り組み

攻撃的にポゼッション、ゲームメイクできればそこから先は個も活かせるだろうってところで、鈴木武蔵が不発続きだったのは想定外だったところだろう。

それでも、イッサムジェバリのハードワークを切先に、宇佐美・食野・天才倉田秋にファンアラーノなど特に2列目には明確な仕事する個はいる。
感覚的には「もっと点取れるはずだったのに…」という感じだったのかなと想像する。

前向きに乗ってくれば豪快な得点力を発揮するのがガンバの伝統だとも思うので、重要になってくるのはやっぱり最終ラインで受け身に回らないためのアクション。ゲームを支配するために自陣高めから前方への押し上げを強化したい、というのが今シーズン末時点での課題だったろうと思われる。

2024年ガンバ大阪の補強

そうした昨シーズンの状況をふまえると、2024シーズンの補強もすごく納得いく感じの印象。自陣から前への推進力をとにかく高めるんや!というようなセレクト。

Football Channel https://www.footballchannel.jp/gambaosaka-transfer-2024/ より引用

まず中谷進之介で最終ラインの強化。中央での危機回避と攻撃に繋げる高いラインを取りつつ万一の危機回避を図る上で、これ以上を望みづらいレベルの補強に見える。

中谷がカバーしたボールが松田陸や中野伸哉に渡り攻撃に転じていく流れは想像するにちょっとファンタジーサッカー的なワクワク感がある。

中盤も鈴木徳真・山田康太・岸本武流と戦えてつなげて前進できそうな補強が多い。スピードスターの山下諒也は横浜FC時代に町田もだいぶやられた相手なので厄介。

マリノスから一森帰還し、GKからのビルドアップを計算しやすいのも◎ポイント。

24/02/05 13:25 追記)

ガンバに来ると噂のウェルトン フェリペの動画を置いておきます。これはなかなか怖い。


2024年ガンバ大阪の現状

1月中旬、ガンバから怪我人のリリースがドバッと出た。特に名手・東口の怪我は衝撃。だから一森が帰還→ポープ マリノス行きになったんだなーと玉突き事案に納得行く部分があった。

そんな台所事情でも、トレーニングマッチで新加入選手も躍動しての結果を出して調子は上々の様子。

個人的には、youtube動画でのTMの様子とか見ても、時間帯や状況見ての変化はあったとしても、ベース配置は去年と変えてこないんじゃないかなという気がする。
サイドアタックをフックに人数で相手守備を引き付けながら、最終的にはアタッカーの個も活かしながらフィニッシュにつなぐ。

TM3戦合計9得点6失点。
失点の多さはまだ目立つし対戦相手にとって狙い所ですが、この時期の失点は良い反省材料になるはず。

4231布陣に着手しているという話もあります。

もし今季この方向で来るなら、ダブルボランチを軸とする町田の形とは、マッチアップが生まれる局面も増えるかもしれません。

FC町田ゼルビア 初J1開幕戦の見どころ

スタメン等もまだわからないのでなんとも言えませんが、現状でチームのココを見ていきたい!と思う部分を上げておきます。

新しい戦い方へチャレンジしつつ伝統を継ぐ攻撃的スタイルの完成を目指すガンバを相手に、ゼルビアとしては点を取らせない、取らせない前に点が取れるムードも与えない、失点癖のところを突いて逆に点を奪いたい。

39人、相手の特徴を見てどう使うか

現状デューク代表、エリキ・MDが怪我なので本格合流しているのは36人ですが、原FDもこの大所帯を意味を持って編成しているはず。黒田監督からすれば200人の5分の1、おおよそ高校の1クラス分です。

ベースとなる戦い方はブラさずに、相手の出方を見て人を変えて戦い方を変えるやり方で、J1のクオリティの中でどれだけやれるか。チーム全員で戦う空気をどこまで高められるか。

また、シンプルに人が大勢いることは、それだけで全体の熱量総量は高まる。39人ひとつのコミュニティとして、チーム内に良い競争・循環を持たせながら、2024年のゼルビアも熱く強く育っていくと良いなぁと祈っております。

更新組はしんどくなったら、2023年アウェイ秋田戦を思い出せば、強い気持ちになれそうです。

強度の中の技術、どれだけつなぐか

J1では、ロングボールをより効果的に活かすためにもボール保持しておびき寄せる、ポゼッションやボールのないところの動きでスペース創出して侵入するなど、地上戦のアクションで相手を警戒させることが重要になってくる。

高い強度をスタンダードとする中で、どれだけ技術を発揮できるか。その鍛錬をかなりのピッチで進めている様子がトレーニング動画からも伝わってくる。

ゴールを決めるか塞ぐか、オフェンスとディデンスの対峙でも一瞬を争う鍔迫り合いのシーンが多い。これは成長につながるだろうという、良い雰囲気を感じる。
昌子がけっこう楽しそうにしてるのは、なんかすごく嬉しい。(ほのかにかつての5番に似たなにかも感じつつ)

攻撃的ポゼショナルサッカーと積極守備封鎖のかみ合わせ

ガンバの目指す配置・スペースを狙いを持って活用していく攻撃的サッカーに対して、ゼルビアのハードプレス・パスコース封鎖を基盤とした奪ってから速いサッカーの対峙。

試合のテンションは、ガンバが攻守のバランスをどの程度で取ってくるかで変わってきそう。
開幕戦ということでガンバもどこまで攻撃的に行くか、守備バランス・リスクを取るか自体、様子を見ながら調整してくるはず。とはいえ、J1初昇格チームのホーム戦なので、引けば飲まれかねない勢いも考慮するだろう。序盤の両チームの駆け引き、どちらが雰囲気を先に持ってこれるかが非常に重要になる。

双方決めきれなければ、昨年の開幕ベガルタ仙台戦のように、ヒリつきながらも硬い試合になる可能性もある。

勝つための零封

ゼルビアとしては、2023シーズンの戦い方から軸は大きく変えず、まずは守備から入り失点しない時間をどれだけ長くできるか。

開幕戦を零封できるか、失点ありの試合で終えるかはかなり重要。
昨年の開幕も、勝てないまでもしっかり塞ぐ、守備面の安定感を見て「今年は守れるから、けっこういけるんじゃない?」という気持ちになったのを思い出す。

まずは、勝つための最低条件として、負けない試合運びを徹底するところから入りたい。攻撃サッカーで知られるガンバ大阪相手に零封できたら、それは間違いなくチームの大きな自信になるでしょう。

積極的なプレス・パスコース封鎖で圧をかけつつ、相手の出方を見ながら、奪ってサイド攻撃を軸に鋭く切り込んでいきたい。平河とナサンホ組み合わせてのアタックは楽しみ。
いつ刺されるかわからない、警戒させることで、サイドからゲームを作るガンバのアタック全体を押し下げたい。

守備ブロックを敷かれた展開では、新戦力を含めたポゼッションによる侵入と二次攻撃、ネガトラでの回収力が試される。藤尾・荒木や髙橋大吾の躍動はもちろん、ドレシェビッチの配給力、仙頭の攻撃を加速させるアクションも期待したい。

まとめ

今シーズンはプレビュー・レビュー織り交ぜながら、去年よりのんびりと楽しんでいけるといいなと思っております。藤田晋がいい雰囲気意外といけるんじゃねーの(意訳)って言ってるんだから大丈夫だろ。信じます。

プレビューはお休みすることもあるかもですが、対戦相手のことを事前に把握しておくのは楽しいので、できる範囲で対戦チームについてもまとめていこうと思います。

アジアカップ、日本代表がもどかしい敗戦を喫し、ちゃんと町田サポでも悔しいわけです。勝ってほしかったけれど、現実に日本のウィーク=最終ラインとGKの連携にあると見ればまあ徹底するよね、というイランの後半ゲームプランでした。イランはゴール前も塞げてたからなぁ。

町田が日本のサッカーに与えられるものがある、というなにかを示唆してくれている気もしますし、初のJ1の舞台で、町田らしさ全開でチャレンジしていってほしい。シーズン中、対策もされるでしょうし、その対策を乗り越えた先にこそ未来のステージが見えてくる。

今シーズンも楽しくいきましょう。共闘!

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