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27歳女性薬剤師が真剣にPMSと向き合ってみた話。


こんにちは。薬剤師ライターのあいかです。

皆さん「PMS」ってご存知でしょうか。
正式名称は“月経前症候群”といいます。
私自身、何年もPMSや月経痛に悩まされてきました。

今も完全に克服したというわけではないですが、様々な方法を味方につけて、以前よりも過ごしやすくなったと感じています。

ここでは、
・PMSの概要
・PMSの対処法

を分かりやすく説明しています。

このnoteを読んで、より自分に優しく過ごせる女性が増えるとうれしいです。
そして、大切なひとのためにできることを知りたい人にも届きますように。

PMSってそもそも何?

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PMSとは、正式名称は「生理前症候群」です。

言葉として聞いたことはあるけど、はっきり説明できるという方は意外と少ないのではないでしょうか。

ここでは

・PMSの概略

・PMSになる原因

・PMSの症状

について紹介しています。


PMSについて

月経前、3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快ないし消失するものをいいます。

PMSになる原因

原因ははっきりとはわかっていませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。排卵のリズムがある女性の場合、排卵から月経までの期間(黄体期)にエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が多く分泌されます。この黄体期の後半に卵胞ホルモンと黄体ホルモンが急激に低下し、脳内のホルモンや神経伝達物質の異常を引き起こすことが、PMSの原因と考えられています。しかし、脳内のホルモンや神経伝達物質はストレスなどの影響を受けるため、PMSは女性ホルモンの低下だけが原因ではなく多くの要因から起こるといわれています。

PMSの症状

精神神経症状として情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害、自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感、身体的症状として腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどがあります。とくに精神状態が強い場合には、月経前不快気分障害(premenstrual dyspholic disorder : PMDD)の場合もあります。

こちらから分かるように、月経前3日~10日の間続くということ。10日だったら、1か月の間の3分の1、「本当の自分じゃない」。それってすごくしんどいですよね。

ただ我慢するのではなく、少しでも楽になれる方法を見つけていきましょう。

PMSの対処法を

①自分でできること

②婦人科でできること

の2つの面から紹介していきます。

PMSの対処法①自分でできること

PMSの対処法として、自分でできることを6つ紹介していきます。

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温める

「冷え」は大敵。冬は特に痛みや精神症状も起こりやすいです。腹部を中心に、しっかり温めていきましょう。
生理前・生理中は、お洒落も大事ですが、身体も大事にする服装を。
腰にカイロを貼ったり、お風呂にゆっくりつかるのもお勧めです。

食べ物や飲み物に気をつける

喫煙やカフェインは痛みを増幅させるとされています。コーヒーの代わりに豆乳やホットミルク、ココアなどに置き換えてみるのはいかかでしょうか。


また、甘いものや脂っぽいものは避けて、血を巡らせる薬膳のもの「黒ゴマ、納豆、玉ねぎ・チンゲン菜・ニラ、なす、青魚、クランベリー、ブルーベリー、プルーンなど」を意識して食べてみてください。普段は食べない食材を、食べてみるだけでも新鮮で楽しいです。

無理に制限するのはストレスのもとです。大好きなコーヒーは1日1杯までOK、チョコレートも1かけらはOKなどゆるりとした置き換えをお勧めします。

アロマを使ってみる

メディカルアロマの分野では、ホルモンバランスを整える種類の精油などがあります。無印良品で売っているエッシェンシャルオイルが手軽に手に入りますよ。

https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/section/S1070251

雑貨屋さんなどで“アロマオイル”という表記のものもありますが、精油(エッセンシャルオイル)が100%の天然素材です。

★〈芳香浴法〉…ティッシュペーパーやハンカチに1、2滴で手軽に香りを楽しむ、もしくは専用のディフューザーを使う

〈PMSにお勧めの精油〉

①ホルモンバランス調整の働きをもつ精油

ゼラニウム、サイプレスなど

②エストロゲン様の作用をもつ精油

クラリセージ、フェンネル・スイートなど

【注】フェンネル・スイートは長期使用は控えてください。

③リラックス作用のある精油

ラベンダー、スイートオレンジ、マジョラムスイート、ベルガモットなど

④鎮痛作用のある精油例(月経痛に)

プチグレン、イランイラン、カモミールローマン、メリッサなど

自分の好きな香りを探すのも楽しいですね。精製水やエタノールと合わせて、マスクスプレーも作れます。

https://www.treeoflife.co.jp/library/handmadeguild/handmaderecipe/202002116868.html

自分に優しく過ごす

ストレスも大敵です。「自分に優しくするウィーク」と割り切って、仕事量を調整したり、家事をお休みして外食に頼ったりしてみましょう。
いつも頑張っている方は、思い切ってパートナーに甘えてみるのも良いかもしれません。そういう期間があっていいんですよ。

OTC医薬品に頼る 

PMS治療薬としてOTCで認められている物は1種類「プレフェミン」。他にも「命の母」など症状を和らげる漢方製剤などがあります。自分で選ぶ自信のないときは、ぜひドラッグストア薬剤師を頼ってみてください。

※OTC医薬品とは、ドラッグストアなどで購入できる、処方箋がいらない薬品のことです。

症状日記をつける

自分にいつ、どのような症状が起こりやすいか。ホルモンによる周期的なものなので、ある程度規則性があります。

そして、どんなストレスの時に痛みや精神症状が強くなっているかを知ってください。

婦人科に行く際にも、このメモがとても役に立ちます。客観的に自分の身体を把握してみる。それがまず第一歩です。生理周期を記録できるアプリのメモを活用するのが簡単でお勧めですよ。

PMSの対処法②婦人科でできること

次に、PMSの対処法として、婦人科に行ってできることを3つ紹介していきます。

自分の状況を知る

婦人科って少し行くのにハードルがあると思います。でも、「特に何も無くても行っていい」のです。PMSがひどい場合や生理痛がひどい場合に、婦人科疾患などが隠れていることもあります。

「自分の症状が重いのか軽いのか。」正直分かりませんよね。個人差があるものなので、自己判断は難しいです。「何もなかった」を知るために、行っておくことをお勧めします。女医さんが増えているので、相談もしやすいですよ。

低用量ピルの服用

低用量ピルの仕組みについて、引用しています。

排卵が起こり女性ホルモンの大きな変動があることがそもそもの原因なので、排卵を止め女性ホルモンの変動をなくすことで症状が軽快します。低用量経口避妊薬(OC、低用量ピル)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)は少ないホルモン量で排卵を止めます。これらの薬は副作用が少なく、服用している期間だけ一時的に排卵を止めるものなので、服用を止めるとすぐに排卵が回復します。その後の妊娠には影響を与えません。

症状の根本的な改善を目指す薬です。

漢方の服用

個人の証(症状や体質)に合わせて、漢方薬を使用します。当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遥散、桃核承気湯、女神散、抑肝散などがよく選択されています。

漢方の特徴は、
「体質改善をする」というイメージです。

時間はかかることが多いですが、続けることで症状を改善します。漢方にも様々な種類があるので、体質を医師と相談して、処方してもらうことになります。

最後に

今回は、PMSについての概要と、対処法について書きました。自分に合った方法を見つけて、より自分に優しく、過ごしやすい日々を送ってもらえたら嬉しいです。大切な方に寄り添う一歩にもなれますように。

引用:日本産婦人科学会 月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)|公益社団法人 日本産科婦人科学会 (jsog.or.jp)

http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=13

参考:大人女子の薬膳的セルフケア大全 水田小緒里

日本統合医学協会 公式テキスト 1









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