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七輪の魅力に取り憑かれる

先週、石川県能登地方で起きた震度6強の災害。「珠洲(すず)市」という名前に見覚えがあり調べてみたら、やはり「切り出し七輪の郷」だった。

熟練職人の手によって切り出される「天然珪藻土岩」
切出し七輪の材料となる珪藻土岩は、坑口より400メートル程入った地下約30メートルの採掘場から切り出します。
平ノミで平らに均した岩盤に、切り出す大きさに切込線を入れ、その切りしろに鉄砲ノミを差し込んで削っていきます。
最後にクサビを入れ、槌で叩き、順番にブロックを取り出します。
時に岩盤に筋や亀裂が入っていることもあり、天然の土が相手のこの切り出しは、土を知り尽くした職人の技でなければ難しい作業です。

切り出された珪藻土のブロックは、成型に入ります。
電動ノミ等で風口やくり抜きをする以外は、全て手掘りによって成型していきます。
ここでも亀裂がある場合、作業中に割れてしまうこともあるので、やはり慎重に人の手で彫り上げていかなければなりません。
まるで彫刻家のような職人たちの手によって珪藻土岩は、七輪へと生まれ変わっていきます。

丸和工業 ◆「切り出し七輪」とは

一生のうちに食べられる食事の回数は限られる。できれば毎食こだわって食べたいものだ。まずは「焼き」から学ぼうと先月七輪を購入した。生産者のポリシーを動画やHPで見て丸和工業さんの七輪に決めた経緯。

一生モノと思えば安い買い物。このGWで2回使ってみた。冬はペレットストーブで暖を取っているので火の扱いには慣れているつもりだったが、七輪は奥深い。いや、七輪だけではなく、まだ“炭”を理解していないからだろう。こればかりは経験あるのみ。課題が見つかったので1回目より2回目のほうが確実に炭のポテンシャルを引き出せている。

炭は上記の米沢産を使用している。他のと比べたわけではないが、思ったより火持ちがよくて3kgを消費するのに1年以上かかりそう(笑)。ストーブでさえ10年以上使っているが毎年新しい発見がある。七輪や炭も毎回変化を感じながら上達していこう。目指せ! 板前の足元にかじりつけるまで。

クラウドファンディング

丸和工業さんは昨年の地震でも被害に遭われ、クラウドファンディングで集めた資金を活用して全壊した窯を再建したばかりだった。すっかり七輪の奥深さに気づいてファンになった私は日本の伝統工芸品を応援したい。これからマメにCFサイトをチェックしていよう。

食べるほうはこだわるが、お酒はあまり飲めない。だからか私は“甘酒”を好む。様々な甘酒を飲んできたが、その最高峰に出会ってしまった。ここ何年と米鶴酒造さんの甘酒ばかり飲んでいる。変に甘ったるくなく後味もスッキリ。何せ子どもがどこかのオヤジみたく飲み干して「あ゛ぁ~ 美味い!」と唸っている。大人と違ってお世辞を言わないから「本当に美味しいものは子どもに聞け」というのが私の持論。

そんな米鶴酒造さんが新たなプロジェクトを進行中。今は春だが秋になってまた美味しい甘酒を飲めるのを心待ちにしている。

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