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2代目。継いだ事業を"つづける"ために"実行"した3つのこと

自分は、宮崎県都城市という人口規模15万人の地方の会計事務所の2代目をさせてもらっている。

自分もそうであったように、2代目は2代目なりの創業者には無いプレッシャーで苦しんでいる方々にお会いする機会も多い。また、ネットを見ていても、同じような意見を目にする機会は更に多い。

自分が何かを成し遂げ終えたわけでがないが、そういった悩みを持つ2代目の方々の一助になれるよう、会計事務所を引き継いだ自分が、「継いだ事業をつづけるために実行した3つのこと」を書いていこうと思う。

別に自分がやってきたことが正解ではないし、再現性のあることをしてきたわけでもない。ただ、後継者として何をすべきなのか悩みに悩むモンモン期を迎えている同じような境遇の方々の、アクションのヒントになればと思う。

①最初は、先代の考えと仕事のやり方を踏襲する

「社長になったら会社をドラスティックに変えてやろう」と考えている後継者の方もけっこういるのではないだろうか。

そういう自分も、父のやっている会計事務所に戻ってくる前に東京の監査法人と横浜の会計事務所で勤務経験があったので、自分なりの仕事のやり方や考え方を持っていた。

しかし、自分が戻ってきたからといって、先代が培ってきた事務所の考え方や仕事のやり方を変えることはしなかった。

これは、単に自分の控え目な性格によるところも大きいが、今考えると先代のことをしっかり踏襲したのは事務所にとってよかったと考えている。

自分が事務所に「なじむ」前に色々変えようとすると、事務所スタッフから拒否反応も大きかったであろうし、何より事務所スタッフは先代の魅力についてきた人たちなのだ。

スタッフに本当に認められてからはじめて、少しずつ自分の色をだしていけば十分遅くないはずである。

②自分の色は、事務所のデザイン面から出していく

自分が事務所に入った時、当事務所のイメージは、いわゆる昔ながらの地方の会計事務所だった。

自分が事務所の仕事に慣れ、周りのスタッフにかける迷惑が少なくなってきたあたりから、仕事面ではなく事務所のデザイン面から、事務所イメージを少しずつ変えていった。

事務所のデザイン面から変えたのは、うちのスタッフはすでに十分過ぎるほど優秀で、あとは事務所の見せ方さえ変えればもっと地域の経営者から高い評価を受けられるはず、という確信があったからだ。

ポイントは、変えやすい小さなところから変えていくことだ。

②-1 まずは、名刺から変える

当事務所の名刺は、いかにも会計事務所らしいものだった。よく言えば質実剛健、悪く言えば、少しとっつきにくさを感じられるものだった。

そこを、一般的な会計事務所のイメージからはずして、ポップなものに変えてみた。

〈最初の名刺〉

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〈イメージ変更後の名刺〉

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②-2 次にホームページを作る。その3年後にリニューアル

自分が肥田木会計事務所に入ったとき、事務所のホームページは無かった。

今どきホームページが無い事に驚かれる方も多いと思うが、意外と地方の会計事務所はそういうところが多い。その時は都城市の会計事務所でホームページを持っているところはまだ少なかったし、持っていても簡易的なもののところが多かった。

そこで、ある程度自分なりにこだわったホームページを作成した。

〈最初のホームページのイメージ〉

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それから3年後、世間のホームページのスタイルからずれている箇所を感じたので、さらに大幅なリニューアルを実施した。

〈リニューアル後のホームページ〉

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②-3 そして、事務所建物自体のリニューアル

これは、先述した2つと比べて大きな覚悟をしたデザイン投資だった。何せ今回は、新しい事務所を建てるにあたり、銀行からファイナンスを受けてやる投資である。

しかし、デジタル化が叫ばれている昨今でもなお、建物という質量をもったデザインは、イメージ戦略として大きな力を持つ。

色んな考え方があると思うが、自分がとった行動に後悔はしていなく、決断してよかったと考えている。

〈旧事務所建物〉

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〈旧事務所執務室〉

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〈新事務所建物〉

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〈新事務所執務室〉

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③人を育てるために、自分を成長させる

新事務所建設により事務所のキャパシティが大きくなることと並行して、新しい人材の育成も行動に移す。

しかし、先代が育ててくれたスタッフと付き合うことと、これから育てるスタッフと付き合うことは、全然勝手や緊張感が違った。

言うなれば、自分の人間性が、人の上に立つ存在として全然至っていないことを痛感した。この時に先代がいかに偉大だっかを思い知る。

人を育てる前には、まず自分を大きく成長させなくてはいけない、ということだった。持って生まれたリーダーシップの少なさはあきらめるとして、本の読むジャンルを広げることで、人の深みをもたせることを試みた。

自分の専門職である「税務」や「会計」の書籍はこれまでも多く読んできたが、これまで縁が遠かった本も読んでみた。一例をあげてみる。

〈自身のマネジメントについて「学ぶ」〉

〈組織について「学ぶ」

〈戦略について「学ぶ」

〈人格について「学ぶ」

〈テクノロジーについて「学ぶ」

〈偉大な経営者について「学ぶ」

今でも、立派な経営者に会うと、自分の人としての深みはまだまだだと常々思い知らされる。でも少しずつではあるが、色々な本を読むことで、少しはものの考え方の幅が出たのではないか、とも思っている。

まだまだ至らないところは多いが、当事務所スタッフと一緒に成長を目指して邁進していきたい。

最後に

最後に、悩み抜いている後継者に向けて。

リアルの交流の場でもネットでもいいので、同じように悩む方々の情報に触れていただければと思う。

どこかに何かしらアクションのヒントがあれば、できることから始めて欲しい。何かに夢中になっている間は、悩みが吹っ飛びます!

2021年9月12日

肥田木会計事務所|公認会計士・税理士  肥田木優


肥田木会計事務所のホームページ情報

肥田木会計事務所のホームページでは、なるべく実務に則した税お役立ち情報を定期的に配信しています。本noteで興味を持たれた方は、是非ホームページの方も見ていただければと嬉しいです。​

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