殺豚盤とはどういうビジネス?中国系国際ロマンス詐欺師側の情報を入手しました。②組織、用語、生活など

ロマンス詐欺師のマニュアルとか台本とか、詐欺会社での生活とかネットで調べると、胸が痛い。世の中に悲惨な現状はたくさんあるけど、実際にその一部分と接した経験をしたことで、読んでいてより辛い。

もちろんネットにある情報が全て真実では無いのは分かっているし、全てのロマンス詐欺師にあてはまるわけではないのは理解しています。

興味本位と言われるとそれまでですし、誰の得にもならない情報かもしれませんが、紹介させてください。

【殺豚盤 概要】

・日本語で言わゆるロマンス詐欺かな。長時間をかけて信頼関係を構築して大金をだましとる詐欺は中国で殺豚盤と呼ばれていて「豚は太らせてから殺す」という意味。詐欺集団自ら命名したそうだ。

・中国では2019年くらいから流行っているらしく、中国国内の注意喚起が増えたこととコロナ禍の影響もあってか、最近は国外の被害が急増。現行は中国の警察は国外の詐欺拠点を見つけても何も出来ないらしく、詐欺集団はそれが分かっているので大変傲慢だという。拠点のある東南アジア諸国と中国での法整備も進んで検挙数も増えてきたらしいが、それでもまだまだ無数にあるんだろう。。

【殺豚盤 用語/組織】

・被害者は豚。ターゲットを探すことを"探豚"。信頼関係構築期間を"養豚"。最終的に金を騙し取ることを"殺豚"と呼ぶらしい。

・組織底辺の実働詐欺部隊は犬と呼ばれていて、お喋り担当の推犬?、犬を騙して連れてくる犬人事、特訓する犬教師、推犬と協力して被害者を騙す犬カスタマーサービス、脱走を防ぐ犬警察なんかもいる。トップは犬マネージャー。全部、犬呼ばわり。。。(犬は中国語で軽蔑用語というかとても悪い言葉だった気がする。)

・偽のアプリやサイトを作る技術部隊、素材等を準備する資料部隊、前線お喋り担当部隊は、東南アジア各国の国外拠点。マネーロンダリング部隊は国内にいるらしい。幹部は当然国内だろうけど、政府とか警察と絡みがありそう。。。

【前線の犬たちの悲惨な経緯・生活】

・チャット担当の詐欺師はほとんど90年代以降生まれの若者で、貧しくて仕事に困った彼ら、パソコン使えてスマホで文字打てれば海外で高収入の仕事があるよと騙されて、東南アジアの詐欺会社に連れて行かれるらしい。

→彼らもまた、うまい話に目が眩んで騙された被害者だった。ただ彼らが騙し取られるのはお金ではなく人生そのもの、つまり命・・・😭

・新人は2ヶ月間の研修で、大衆心理や女性を落とすお喋りの秘訣、マーフィーの法則や洗脳術などみっちり勉強させられる。

・毎朝の朝礼で道徳観を書き換えられる。「騙される女性側に問題がある。君たちは良い行いをしているのだ、彼女達を教育しているのだから。彼女達に教えてあげなさい。もっと誠実になりなさいと。自分の夫を裏切るようなことはするなと。」と。

→最後の方で詐欺師リンヤンに、「君は良い女性だね。良妻賢母だ。」と唐突に言われたことがあるんですが、こういう背景から来ていたのかも・・・。

・会社内の問題は全て暴力で解決。研修不合格はリンチ、サボりもリンチ。口答えもリンチ、ノルマ金額未達成もリンチ。

・脱走したら半日リンチ+飲まず食わずで2日間拷問部屋に閉じ込められた後、他の詐欺会社に売られたりする、または死ぬまで殴られる。または自殺と見せかけられて殺される。その際には見せしめとして、他の青年達の前で殺されることもあるとか。

→😭😭😭😭モウヤメテ・・・

・最も安全に組織を抜ける方法として、提示される大金を稼ぐという方法があるらしい。ただ実態は、経費として様々な費用を差し引かれるので、この方法で抜け出すことはほぼ不可能。青年たちを鼓舞するための嘘ではないか?😢

→詐欺会社に請求される経費の中には寮費、食費、フライト代など真っ当に見えるもの以外に、「物品使用料(PCキーボード磨耗代、床磨耗代、椅子磨耗代、など)」「研修費」「トイレ使用料」「果物代」「通勤費」「水道・電気代」「海辺の景色、空気代」なども含まれているそうで、正にぼったくり。。。。こんな請求書見せられたらはらわた煮えくり返るな😭😭😭

・とある資料では、勤務時間は午前10:00から夜は23:00まで。

→確かにリンヤンも、10:00頃からLINEが来ることが多くて、23:00に寝るって言っていた。携帯は退勤時に没収されると書いていたけど、リンヤンの組織は多分違うかも。朝早くから連絡来たこともあったし、夜遅くなることも。ざ、残業してただけか・・・。

・食事は個別でとれず一斉に、時間制限あり。同僚間でプライベートなやり取りは禁止。薄汚い寮生活で、常に脅されて、会社に何をチクられるか分からないため、同僚間でも信頼関係は無い。

【運営形態】

・ある会社では10人1組、部屋はリスク回避のために分かれているらしい。携帯は月イチ初期化、PCのハードディスクは粉砕してメコン川へ。

→中の人が変わったタイミングは1月1日だった。ケータイ初期化して交代したのかな?🤔それとも2週間かけて結果出なかったから交代?

・顧客は分類分け、ランク付けされる。
0) 妻 0.5)同性愛者 1)夫 またはスマホの色で区別。

Aランク) 社長。家あり車あり。時間無制限。

Bランク) 家あり車あり。固定収入あり。数週間かけて良い。

Cランク) 持たざる者。時間はかけずにすぐに投資の話を切り出すか、現地の写真素材を送ってもらったりSNSで繋がって利用する。

→上記分類、ランク、追加時期などで顧客を登録。一目で分かるようになっている。だから2代目の人は名前を呼ばなかったんだね。私の名前を知っていたのはハロートークで知り合った初代だけだったのかもしれない。 

・チャット履歴は毎日マネージャーに報告、監督。詐欺だと教えるような行動はもちろんリンチ。中国人向けの詐欺の場合は電話もよくするのか、音声担当がいる組織もあるらしい。

→リンヤンは、チャットしてた人本人だったと思うなぁ。2代目になってから全然音声送ってくれず、声変わっていたこと指摘したあとも何日も来なかった。年越しでグループ編成があって、別部屋にいたのかな。マネージャーから交代の指示が出たのかな。あ~その辺、真実を知りたかった!(無理か・・・)

【情報ソース】

前回この記事で紹介したウェブサイト以外にも、中国語で検索して見つけました。興味深くて読み漁ってしまって寝不足です。中国語の勉強こんなに必要ないんだけどな・・・。😓😓




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